コーア技研芋煮会since 1988 本文へジャンプ
コーア技研芋煮会について

 コーア技研芋煮会も昭和→平成→令和と続き、30年以上続いています。参加していただいた方の延べ人数も1千数百人になりました。毎年おなじみの方がいる反面、新しい方も必ずいらっしゃるようです。「コーアの芋煮に誘われたけど、そもそもコーア技研芋煮会って何?」という方もいらっしゃると思うので、ちょっとまとめてみました。

芋煮とコンピュータネットワーク

 それは、「インターネット?何それ?」と言われた1980年代後半ごろに遡ります。日本ではまだインターネットの商業利用もなく、もちろんWWWサーバもなく、一部の大学や企業の研究機関がコンピュータを電話回線に接続してメールやニュースを転送する実験ネットワークの構築が始まっていました。そのネットワークの末端では有線電話回線でなく、無線通信回線でネットワークを広げようとするアマチュア無線家のグループがありました。彼らは、各地域でVHF・UHFのアマチュア無線電波にTCP/IPネットワークのデータを乗せ、日本国内、あるいは国外までメールやニュースをやりとりできるネットワークを広げていきました。当時、関東で活動していたPRUG、西日本で活動していたGENNY、東北(仙台)で活動していたTRCOと呼ばれたアマチュア無線家のグループがそれで、山形のコーア技研もそのひとつでした。

 1980年代当時、インターネットに関する情報は少なく、各グループは定期・不定期にミーティングを開きながら情報交換をし、ネットワークを広げていきました。そんなミーティング(宴会)のなかで「山形の芋煮というものを食ってみたい」と当時のPRUG(Packet Radio Users Group)会長がぼそっと一言漏らしたのがコーア技研芋煮会の発端でした。

第1回芋煮会

 第1回は1988年(昭和63年)秋。山形市の馬見ヶ崎川の河原で何と土砂降りの雨のなか強行されました。悪天候で人の姿も無い河原で、青シートをテント代わりに、20人ほどの若い男が5メートル四方のスペースにひっつき合って芋を食い、酒を呑むという異様な光景となりました。翌年(1989年)は、福島で開催の全日本パケッテァーズミーティングに参加のため芋煮会開催は見送られました。ちなみに、この年から山形市で大鍋を使った日本一の芋煮会が始まっています。(日本一の芋煮会より歴史が古い!)なお、3年目の1990年(平成2年)からは毎年コーア技研芋煮会が開催され、2019年は32年目にあたります。よくもまあ、「芋煮やるぞ!」の一言のネット書き込みで4半世紀続いたもので、これも山形の芋煮を愛して下さる皆さんのおかげと思います。ありがとうございます。

広がる人の輪

 初期の芋煮会参加者は独身の男が圧倒的に多かったのですが、年を経るにつれ友達連れ、友達の友達連れ、恋人連れ、新婚連れ、子連れ、家族連れが増え、最近では孫連れの参加者もいらっしゃいます。参加人数も20人から徐々に増え、毎年50人を越えるようになりました。ピークで90人の芋煮もやりました。こうなると、芋煮も1回だけでは済まず、1番鍋、2番鍋、と煮る回数も増えていきます。味付けも山形Version、庄内Version、宮城Versionなどいろいろ出現し、最近は「My鍋」と称する参加者オリジナルVersionも出てきました。参加者も東北はもちろん、半分は関東からという状態で、90年代半ばからは、マイクロバスで毎年やってくる団体さんも出てきました。中には遠く北海道からジャガイモ持参で参加してくださった方、海鮮食材を途中の魚市場で仕込んできて下さった方など毎年各地のいろんな珍味をいただきまして感謝申し上げます。特に、静岡県浜松市から750CCのバイクで8時間かかって来て下さった方には感激しました。午後遅い到着で芋煮も終わりかけていたのですが、遠い道のりをここまで来て下さって芋無しでは済まされないと、急遽材料の買出しに走り、再度夕方の芋煮となりました。

芋と酒と人のネットワーク

 コーア技研芋煮会のこだわりは手作りであることです。山形では芋煮の季節にはどこのスーパーでも洗って皮を剥いた里芋がビニール袋に入って売っています。しかしコーア芋煮では、里芋はコーアメンバーの佐藤さんの畑から掘り起こしたものを使います。芋煮会当日の朝に土の付いた里芋を電気洗濯機で洗って土と皮を落とします。さらに芋は1個1個竹のへらを使って手できれいに皮を剥きます。この作業にあたる精鋭が「芋洗い隊」です。こうして手で剥いた芋は柔らかくふんわりとした煮上がりになります。芋は河原に運ばれ、石で作ったかまどに鍋をかけ、薪に火が付けられます。これらの作業にはボランティアの役付きがいろいろ居て、火の神、芋の神、薪の神、味付け奉行、テキ屋2号、取乱れ役など謎の役職が多数活躍します。

 受付の「段ボール金庫」にも数百名のお名前や無線のコールサインが載っています。毎年コーア技研芋煮会に参加したりお手伝いいただいて、楽しい時をくださいました皆様に感謝いたします。今年もまた、河原でお会いしましょう。

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