1.KDDI、強化学習で通信基地局の稼働最適化 26年度全国展開
(5.15 日経XTEC)
KDDIとKDDI総合研究所は通信基地局の稼働条件を効率よく最適化するAI(人工知能)技術を開発した。2026年度(2027年3月期)をめどに全国の基地局への導入を始める。モバイル関連の世界最大級の展示会「MWC Barcelona 2026」(2026年3月2〜5日、スペイン・バルセロナ)で関連技術を展示した。
通信ネットワークの品質をAIで高める「AI for Network」と呼ぶ取り組みの一環。基地局ごとに専門家が手動で作業していたパラメーター設定に要する時間を大幅に減らせる。通信速度についても、通信速度が低くなるエリアで最大25%高められるなどの効果を実証済みという。
分散型の強化学習を使う。KDDIは全国に数十万の基地局を持ち、設定すべきパラメーター数は膨大なため、単一のAIモデルではまかなえない。そこで基地局に推論器を1つずつ割り当て、それぞれ最適なパラメーター設定を推論させるようにした。
2.プライベート通信網向けRANが大幅減速(4.15 日経XTEC)
米調査会社Dell'Oro Group(デローログループ)の最新リポートによると、プライベートネットワーク向けRAN(無線アクセスネットワーク)の売り上げは2025年下期に大幅に減速した。
2025年全体の成長率は2024年から約4割に減少した。企業向けの市場開拓が遅れていることが原因だとしている。一方で、構内ネットワークの見通しについては下方修正するが、広域での活用は引き続き力強く成長するとし、プライベートネットワーク向けがRAN市場全体の収益に占める割合は、2030年までに最大10%まで成長するとしている。地域別では、中国が企業向け5G(第5世代移動通信システム)プライベートネットワークでリードしている。
3.AnthropicやOpenAIがFDE新会社、PEファンドと組む怖い理由(5.15 日経XTEC)
米Anthropic(アンソロピック)や米OpenAI(オープンAI)が2026年5月、Forward Deployed Engineer(FDE)を派遣してユーザー企業のAI(人工知能)導入を支援する新会社を相次ぎ設立した。重要なポイントは両社がいずれも、プライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドと組んで新会社を設立していることである。
アンソロピックは2026年5月4日(米国時間)、オープンAIは2026年5月11日(同)に、AI導入を支援する新会社の設立をそれぞれ発表した。オープンAIの新会社は「OpenAI Deployment Company(DeployCo)」という名称だが、アンソロピックの新会社の名称は発表されていない。
新会社の事業内容はほぼ同じだ。ユーザー企業の現場(=最前線、Forward)に自社のAIを熟知したエンジニアであるFDEを配置(Deploy)し、現場の業務に存在する課題などを聞き出して、課題を解決するAIエージェントなどを迅速に開発することを目指す。
PEファンドは、買収した企業に新しい経営者を送り込み、遊休資産の売却によって巨額の配当金を得たり、徹底したリストラによって企業を再生させたりすることで、投資のリターンを得てきた。手法が極端なPEファンドは「ハゲタカファンド」などと呼ばれて恐れられてきた。
アンソロピックやオープンAIのFDE新社に出資するPEファンドは、買収した企業を再生する新たな手段として、AIエージェントやそれを現場に導入するFDEを全面活用しようと考えているわけだ。
AIベンダーやPEファンドが描くシナリオをユーザー企業側から見てみると、怖い将来像も見えてくる。これまでPEファンドに狙われやすかったのは、無駄に遊休資産を抱え込んだり、リストラに及び腰だったりする企業だった。今後はAIエージェントなどの導入に及び腰である企業も、「利益を搾り取れるターゲット」としてPEファンドに目を付けられる可能性もあるだろう。「資本の論理に支配された強制的なAIエージェント導入」というシナリオが、相次ぐFDE新社設立の先に見え隠れするのだ。
4.使う前から「生成AI疲れ」まん延、活用方法が分からず思考停止に
(5.14 日経XTEC)
「生成AI(人工知能)を使う前からAI疲れが広がっている。我々ITベンダーでもそうだし、顧客企業でもそれは同じだ」。ある地方のITベンダーの人がそんな話をしていたが、なかなか言い得て妙だと思った。
今やAIに関する情報が洪水のように押し寄せている。質問に答えてくれる「ChatGPT」などの生成AIに始まり、人の作業を代替するAIエージェント、さらにはセキュリティー面で衝撃を与えた「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」など、その情報は多岐にわたる。システム開発においても、生成AI活用に関する情報があふれかえっている。
そんなわけなので「生成AIを使う前からAI疲れが広がっている」のはある意味、当然のことなのかもしれない。次々と押し寄せる生成AIに関する膨大な情報についていくのに精いっぱいで、自社での活用や自分の業務での活用を検討する前に、疲れてしまい思考停止に陥る。大方そんな状態ではないかと思う。
では、「使う前からの生成AI疲れ」から脱却するためにはどうすればよいのか。生成AIやAIエージェントは業務の生産性向上に大きく寄与するのは確実であるため、活用しない状態が長く続くとしたら、企業の競争力に関わる。何をどうしてよいのか分からないといった思考停止は、一刻も早く克服しなければならない。
一番良い方法は、何をどうしてよいのか分からなくても、とにかく使ってみることだ。いまだに「生成AIはハルシネーション(幻覚)があるから問題」などと言う人がいるが、人間のほうがはるかに間違いが多い。四の五の言わないで、とにかく業務に使ってみることをお勧めする。そうすれば、押し寄せる膨大な情報の海に溺れることなく、自社や自分の業務での生成AI活用の方向性が見えてくるはずだ。
5.Google検索の「AIモード」、対話形式でベスト回答を素早く引き出す
(5.13 日経XTEC)
Google検索はGeminiとの統合が進み、AIの活用が急速に拡大している。最も大きな変化は、従来のウェブ検索画面からGeminiのAIチャットを実行できる「AIモード」が実装されたこと。グーグルは、従来の単語を並べるキーワード検索から、AIとの会話で答えを導き出すAI検索≠ノ比重を移し始めた。
AIモードの最大のメリットは検索効率の劇的な向上だ。例えば「予算10万円 ノートパソコン」と入力して検索した場合、AIモードではGeminiが条件に合致するパソコンを精査し、最適な選択肢を即座に提案してくれる。従来のキーワード検索のように、複数のサイトのリストを1つずつ巡回して比較する手間が省け、求める情報に最短でたどり着ける。
対話を繰り返しながら回答を導き出せるのも大きな特徴。Geminiは文脈を深く理解して的確な回答を導くが、一度で完璧な情報を得られるとは限らない。追加の質問を重ねることで疑問点や不明点が解消され、求める回答に一歩ずつ近づいていく。
ホームページへ