1.4つの進化で高速化した「Wi-Fi 7」、2025年にはオフィスでの利用が広がる(1.17 日経XTEC)
2025年は「Wi-Fi 7」の利用がオフィスで広がりそうだ。IDC Japanは「Wi-Fi 7対応製品が拡充する2025年から2026年にかけて、ハイエンドアクセスポイントを端緒に市場への浸透が進む」と見る。Wi-Fi 7対応の各種製品は、既に米Cisco Systems(シスコシステムズ)やバッファローなどが市場に投入している。
Wi-Fi 7とは無線LANの最新規格である「IEEE 802.11be」に与えられたニックネームだ。Wi-Fi 6Eに続き2.4G(ギガ)Hz帯と5GHz帯、6GHz帯を使う。国内では2023年12月22日に、総務省が電波法に基づく無線設備規則と技術基準を改正し国内でWi-Fi 7を合法的に利用できるようになった。
オフィスでの利用普及を後押しすると考えられるのが、Wi-Fi 6からの高速化だ。Wi-Fi 7の最大通信速度は理論上46Gbps(bit per second、ビット/秒)。これはWi-Fi 6の最大通信速度である9.6Gbpsの約4.8倍に相当する。
Wi-Fi 7は通信速度を決める「帯域幅」「空間ストリーム数」「符号化方式」という3つの要素全てでWi-Fi 6から進化した。さらに複数の周波数を同時に使って通信する「MLO」にも対応した。各リンクで別のデータを送って通信を高速化したり、同じデータを送って通信を安定させたりできる。
2.ITベンダーの業績は2025年も好調維持、「レガシーの逆襲」で大手はますます有利に(1.17 日経XTEC)
2025年も大手ITベンダーの業績は好調に推移しそうだ。DX(デジタル変革)やモダナイゼーション(近代化)、クラウド関連の案件が好調で、市場環境は追い風といえる。
「案件の大型化が顕著になっており、大規模プロジェクトを請け負える大手ITベンダーが有利な市場環境ともいえる。中堅以下のITベンダーは今後厳しくなる」(上野チーフアナリスト)と指摘する。
大手のユーザー企業はメインフレームなどのレガシーシステムを多く抱えており、DXを進めるには最新の技術だけではなくレガシー技術についても対応できなければならない。「ユーザーはワンストップでの発注を好む」(同)ため、大手でないと請け負うのが難しいのだという。上野チーフアナリストは現状を「レガシーの逆襲」と表現する。
3.パナソニック コネクト、新物流ソリューションでデジタル化・省力化を支援(1.16 日経XTEC)
パナソニック コネクトは2025年1月15日、子会社であるベルギーZetes(ゼテス)のソリューション群のうち、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型の倉庫実行管理システム「ZetesMedea(ゼテス メディア)」と、データコラボレーションプラットフォーム「ZetesZeus(ゼテス ゼウス)」の提供を2月に開始すると発表した。これらにより、物流現場の作業効率の向上やデジタル化、省力化を支援する。
一方のZetesZeusは、配送先での滞在時間や遅延率、トラブル履歴などの配送データを分析し、荷待ち時間や付帯作業時間の可視化を可能にするプラットフォームだ。さらに、パナソニック コネクトが「配送見える化ソリューション」として2018年から国内販売している「ZetesChronos」(ゼテス クロノス)と連携させることで、可視化したデータを活用してドライバーの労働環境を改善できるという。
4.地銀勘定系でNTTデータが攻勢、注目は滋賀と肥後・鹿児島争奪戦の行方(1.16 日経XTEC)
地方銀行の勘定系システム市場において、NTTデータが攻勢をかけている。2025年の年始に勘定系システムを刷新した地銀の多くが、NTTデータが手掛けるシステムを採用した。2025年の注目は滋賀銀行の次世代システムと、肥後銀行・鹿児島銀行のシステム統合の行方で、地銀の勘定系システムを手掛けるITベンダーのシェア争いに大きな影響を与えそうだ。
この年始にNTTデータが主体的に関わる形で勘定系システムを刷新した地銀は、青森みちのく銀行、あいち銀行、みなと銀行の3行。青森みちのくは青森銀行とみちのく銀行、あいちは愛知銀行と中京銀行の合併に合わせて、勘定系システムも統合した。両行ともNTTデータの「地銀共同センター」に一本化している。
トップ争いの行方を左右しそうなのが、滋賀銀行の次世代システムの動向だ。同行は日立のオープン勘定系パッケージである「OpenStage」を活用し、勘定系システムを全面刷新する予定だったが、2024年12月にプロジェクトの中止について日立と合意したと発表した。合意に基づき、日立は同行に対して和解金として80億円を支払う。
5.KDDIとローソンなどAIドローンを活用した「地域防災コンビニ」、石川県で実証(1.15 日経XTEC)
KDDIとローソン、石川県、石川県警察の4者はドローンを利用して災害や事故発生時の警察活動における方法の高度化を目指している。その一環として「地域防災コンビニ」の実証を通じて被災状況の確認や事件・事故の初動対応などを確認した。
具体的には、ローソン店舗の屋根に設置した米Skydio(スカイディオ)のAI(人工知能)搭載ドローン「Skydio X10」を利用する。行方不明者の捜索や事故初動対応時のドローン運航にはKDDIスマートドローンが協力する。ドローンはAI制御により障害物を回避しながら安全に自律飛行するという。
実証概要はローソン七尾小島町店(石川県七尾市)に設置したドローンで、(1)行方不明者の捜索と(2)事故時の初動対応を想定した実験を実施した。行方不明者の捜索では直線距離で約1km先を行き先と見立て、ドローンのサーマルカメラを活用し、上空から行方不明者を発見した。
今回の実証は、能登半島地震からの復興推進を目的とする「石川県とKDDIの包括連携協定」に基づき、日常と非常時を区別せずに製品・サービスを役立てる「フェーズフリー」をコンセプトに実施した。4者は日々の警察活動にドローンを利用し、迅速に活用する体制整備を目指す。
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