タイトル | 忘れて眠れ |
内容(参照) | 「高橋留美子傑作短編集 2」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 1984年新年増刊号(1月号) |
発行元 | 小学館 |
単行本 | るーみっくわーるど 1 高橋留美子傑作短編集 2 |
<解説>
この1983年は、シリアス作品の当たり年といえるかもしれない。また、同じシリアス路線でも、「念動力」「餓鬼(物の怪)」「タイムスリップ」と扱うテーマを1回1回変えてきているあたりは芸が細かい。そして今度は「転生」だ。
過去の伝承をもとに作品を展開して行くというパターンのこの作品は、こののちの「人魚シリーズ」への伏線的位置にあると言ってもいいだろう。
過去(とぎれとぎれの回想ではあるが)と現在の2つのドラマが平行して進んで行き、最後に結びつくことで謎解きがなされるという手法は、故・手塚治虫氏の「火の鳥・復活編」でも見られたものだが、狙って見事に決めるのはなかなか難しく、構成力の向上がごまかしのきかないシリアス路線での経験を積むことによって際立ってきたのだと見ることができよう。