タイトル | われら顔面仲間 |
内容(参照) | 「高橋留美子傑作短編集 2」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 創刊25周年記念増刊号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | るーみっくわーるど 2 高橋留美子傑作短編集 2 |
<解説>
前年の読み切り作品がすべてシリアス作品だったたけに、久々のギャグコメディという印象が強い。ノリはかなり軽快で、テンポも速くなっており、この辺は「うる星やつら」によって培われてきた財産と言えるだろう。
ただ、ストーリーとしては、あまりひねりの見えないラブコメの形態をとっているように見えることもあって、一部読者の間では批判の声も上がっていたようだ。
しかし、「変装」という行為を「仮面をかぶる」、「他人になりすます」、「己を隠す」という側面から考えてみると、案外、奥深いものがあるようにも思える。例えば、「変装」を「パロディ(人まね)」や「コスプレ」に置き換えたらどうだろう? かなり洒落にならない意味になってくる。
結局、明子が求めたのは、いくつもの顔を操る変装の達人としての装四郎ではなく、その仮面の裏側にある装四郎自身の真の気持であったという点が、この作品の中で大きな意味を持っていると言えるだろう。