タイトル | 不良−ワル− |
内容(参照) | 「週刊ビッグコミックスピリッツ 1997年6月増刊号 Manpuku!」より |
初出掲載誌 | 週刊ビッグコミックスピリッツ 1997年6月増刊号 Manpuku! |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 未収録 |
<解説>
週刊ビッグコミックスピリッツが「新増刊」と銘打って出した6月2日号(臨時増刊)の「Manpuku!(マンプク)」の中の「101本4コマ大行進」というコーナーに執筆した4コマ作品1編だ。掲載誌の発売日は5月2日で、「おやじローティーン」と同日だが、当方の入手順の都合により、この順番となっている。
様式美を意識して描いたというこの作品だが、この場合の様式美とは、やはり「起承転結」のことだろうか。確かに「起承転結」は1コマずつきれいに割り当てられているのだが、「転」にあたる3コマ目だけが、思いっきり異質な存在となっていおり、絵柄も作品世界も一気に違う次元へトリップしてしまっている。
この3コマ目は、ある意味で作品世界をブチ破ってしまっているとさえ言える。しかし、ここで思いっきり破綻させておいて、4コマ目で作品世界の方をこの異常事態について行かせてしまってるあたりが、高橋先生らしい。
異様な事態に、キャラたちが動じることなく、冷静な発言をしたり、観点のズレたリアクションをしたりするところは、デビュー前からのお得意のパターンだ。
一方、3コマ目で自ら「こいぬ」をピンチに陥れておきながら、「こいぬが無事だといいのですが……」とコメントしているあたりは、わざとらしくも思えるが、このピンチになっているのが「犬」であるところに、ちょっと意味深なものもチラつく。
「犬」といえば、やはり「犬夜叉」が連想される。そう考えるとこの4コマの意味も大分変わって見えてくるのだが、果たしてそこまではどうか…?「こいぬ」の安否を気遣う発言は確かに意味深だが…。