タイトル | うちが女神じゃ!! |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 30周年記念増刊号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
週刊少年サンデー30周年記念増刊号に描き下ろされたもので、虫垂炎による休養後、読み切り作品としては初の作品となる。
いつも善戦しながら、あと1歩のところで999連敗してきた焼畑農業ラグビー部と、そのラグビー部をずっと応援してきた初代マネージャー月子の幽霊との話で、ちょっぴり感傷的な部分の入り混じったさわやかな作品となっている。
「らんま1/2」の復帰第1作が、いきなり裸連発の「バトル・ザ・銭湯」だった点など、前年の作品に見られた「暗さ」や「重さ」が一掃され、この作品でも開き直ったような明るい感じのノリが見られる。
ただ、図式としては意味深なものがある。この作品でのキーワードは「応援」だ。ずっと応援してきた月子が、途中から「もう応援してやらんっ。」とそっぽを向き、練習や試合中も完吾をののしったりする。これに対して完吾は、勝つために孤軍奮闘するが相手につぶされ、脳震盪を起こして倒れる…。
このあたりは、そっぽを向いて応援しなくなってしまったファンと、それを取り戻すべく奮闘するうちにストレスがたまって病に倒れた高橋先生を象徴するかのような展開と言える。勝たなければあとがない。だから「応援せいっ!!」と完吾は叫ぶ…。結局、焼畑農業を勝利に導いたのは復活した月子の「応援」と仲間の「サポート」だった。
「全国優勝するまで応援してみいっ。」という最後の台詞は、「これからもずっと応援してくれ。」という意味だ。これは、高橋先生からファンに向けてのメッセージではないだろうか?休養から復帰して、「よし、描くぞ!」という意欲がみなぎっているという感じがする作品だ。