タイトル | 闘魚の里 |
内容(参照) | 「るーみっくわーるどスペシャル 人魚の森」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 1985年9月増刊号、10月増刊号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | るーみっくわーるどスペシャル 人魚の森 |
<解説>
「人魚シリーズ」の第2弾という位置づけになる作品だが、この時点で果たしてシリーズ化して行こうという考えがあったのかどうかということになると、若干の疑問も残る。なぜなら、第1弾である「人魚は笑わない」と人魚そのものに関する設定に違い(矛盾)が生じているからだ。
そういう点も含め、この作品はシリーズの中でも若干毛色の異なるものとなっていると言える。作品の形態としても、珍しく泣かせるものになっている点が注目される。
ここまでのるーみっく作品では、あまり「泣かせる」という路線は見られなかった。感動させる展開でも、どちらかというと、じわりじわりと長い時間をかけて思いを蓄積させて行き、完結したところで思わず嘆息させるというタイプの作品が多く、アンハッピーエンドに近いかたちも含めて、こののちの作品にもあまり類を見ないものとなっている。
また、不老不死というテーマに加え、前作で現代、この作品で過去が描かれたことによって、故・手塚治虫氏の「火の鳥」との比較対照がなされるようになって行き、「手塚治虫氏の後継者」などという表現が出てくる一因を担ったとも言えるだろう。