タイトル | 犬で悪いか!! |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 1985年47号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
キャラの設定などから、よく「らんま1/2」のプロトタイプであるという見方がなされる作品だが、あくまでそれは結果としてのことであり、この時点で「うる星やつら」に続く作品の構想を練っていたかについては疑問がある。前後関係としては逆で、のちの「らんま1/2」の作品構想過程で、この作品から多くの要素が提供される結果になったと見る方が自然であろう。
しかし、父子そろって何らかのきっかけで犬に変身してしまう体質の犬古谷、ちょっと気の強い部分もある女の子の桃子、しつこい交際魔の戸隠…。今となっては「らんま1/2」との類似性を意識せずに読むことが難しいのも確かだ。(笑)
犬古谷の体質に関しての意味深な発言を、命にかかわる病気と勘違いしてしまう桃子…。「黄金の貧乏神」のあたりから「戦国生徒会」、「めぞん一刻」を通じて培われてきたこの勘違いの妙は、ちょうど同時期に八神が五代に惚れた勘違いの過程とちょっと似たものがある。
この作品は、週刊少年サンデー1500号記念の企画として描かれたもので、1980年の定期連載開始以降、途切れることのなかった「うる星やつら」の連載をわざわざ1回休んでの掲載となっており、それに対する批判も一部では起こっていたようだ。
ちなみに、この作品のタイトルは同記念企画のLPレコード「WINGS OF FREEDOM」のレコーディングに向かう車の中で考えついたという話である。