タイトル | 宝塚への招待 |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | 週刊ビッグコミックスピリッツ 1993年34号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
この年の始めあたりから、宝塚歌劇にハマり出したことが、チラチラと表明されてはいたが、それがいきなりドーンと作品として出てきてしまったという感じだった。
いままで、気に入ったものを作品の中に投影したりすることは何度かあったが、ここまで(ある意味で露骨に)作品のメインに出してきたのは珍しいと言える。よほど、宝塚の良さを知らせたかったのだろう。
真彦の体を借りて宝塚見物に行く死んだおばあさん…。一方では、真彦が宝塚を嫌いになった理由、いざ歌うときになると体がこわばって直立不動になってしまう謎…。そうしたものが絡まった末、最後に真彦が自分の意志で宝塚見物に行くことによって、おばあさんが成仏し、感動的にめでたしめでたし…、と思ったら、世にも鬼畜な真実が明らかになる。
これまでのるーみっく作品の中でも、このラストで発覚したおばあさんの所業は、最高の鬼畜さと言える。そこのギャップで笑わせるオチとなっているのだが、かえってこれで気分を害したファンもいたようだ。
全体として見ると、世の若い男性諸君も、ぜひ宝塚へ…、という思いが伝わってくる。やはり、よほど宝塚の良さをアピールしたかったのだろう。