タイトル | そして半分いなくなった |
内容(参照) | 「びびっと vol.1」より |
初出掲載誌 | びびっと vol.1 |
発行元 | 日本女子大学漫画研究会 没 |
単行本 | 未収録 |
備考 | <ペンネーム>けも・みとめ |
<解説>
前2作は、パロディと連作漫画の引き継ぎだったので、純粋なオリジナルとして発表されたのは、この作品が初めてということになる。
ある朝、目覚めたら分身ができていた。しかも、世界的現象として…。この分身は、ごく近い未来を予知する能力を持ち、本体に代わって欲求を満たす行動をとりまくる奴らだったが、12時間が経過すると、地球自体の分身とともに地球を離れ、去って行ってしまう。予知能力を持つ彼らの離脱に、「おれたち…見捨てられたのかもしれない。」とつぶやく主人公…。
デビュー以降の一連のSF作品とはタイプの異なるSFで、筒井康隆氏ら、傾倒していた作家の影響が伺われる。ストーリーとしては、破綻状態が自然消滅するかたちで、一見、あっさりとしているようにも見えるが、よくよく考えると、背筋に寒いものが残る…。
ちなみに、漫画に続くページに「平井和正悪霊の女王より」と題したイラストが描かれており、「けも・みとめは描くことがなくなると、すぐ平井和正をひっぱり出すのです。」というコメントが添えられている。
のちに、平井氏の本に何編かのイラストを描いた高橋留美子先生だが、この頃から平井氏の小説を題材にイラストを描いていたという事実は、興味深いものがある。