タイトル | スリム観音 |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | プチコミック 1991年9月号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
元来、るーみっく作品は「少年漫画」、「少女漫画」という区別のしかたにはあまり適さない存在なのだが、ここまでで唯一、少女漫画誌に少女漫画として描いたと言えるのがこの作品だ。
女性にとって身近な問題であるダイエットにスポットを当てているが、それが皮肉な結果に終わるところに「らしさ」を感じる。ラストは、ちょっと甘すぎるという指摘もあるが、その辺はやはり「少女漫画」ということを意識した結果であろう。
全体として絵柄やコマ割りなど、ちょっとそれっぽく意識している部分も見られるが、基本的な作風そのものは普段のるーみっく作品からそれほど大きく変えているようには見えない。しかし、どことなく個々のギャグがクリアで、新鮮な響きを奏でているように感じられるところが不思議だ。高橋先生としても、新鮮な気持ちだったのかもしれない。
ほとんどの登場人物や学校の名前が相撲部屋の名前で統一されていたり、観音様を削るときの「お肉ひとーつ」というかけ声など、なかなかノリもよく、作品としては傑作なのだが、その後、少女漫画誌に描いていないということは、お呼びがかからないということなのだろうか…。
また、初出掲載時には応募者全員サービスとして、オリジナルテレカのプレゼントがあったが、このテレカの原画が、1997年に入って中野のまんだらけで70万円にて売りに出されている。どういうルートで売り払われたのか謎である。