タイトル | お婆さんといっしょ |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | ビッグコミックスピリッツ 1985年8月26日増刊号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
この年の夏のビッグコミックスピリッツ増刊号はホラー特集というコンセプトで、この作品もそれに合わせて執筆されたものだが、ホラーというのとは若干イメージの異なる作品と言える。
死んだ法子の田舎の親戚たちの陰湿さ、やり口の悪どさが目につくが、考えてみればのぞみと進も10億の遺産をだまし取ろうとしていたのだから、他人のことは言えないのだ。(笑)
炎に包まれた中で「今度生まれ変わったら、地道にやっていこうな、のぞみ…」という台詞が出てきたところが1つのキーポイントで、表面上は法子の供養のために、あのお婆さんにいいように利用されてしまったかたちになっているが、結果として彼らは犯罪者にならずに済み、翡翠の数珠の映ったお婆さんの監視の目があるかぎり、法子の供養をしながら地道に暮らして行くことになるだろう。
それが、10億とは雲泥の差ながらも、彼らの幸せにつながるのかもしれないと考えると、このおばあさんとの引き合わせは、のぞみに世話になった法子の導きだったと言えるのかもしれない。
尚、初出掲載時に10億となっていた遺産が、単行本の冒頭では5億に変えられていた。しかし、14ページ目の3コマ目では10億のまま修正されていない。