タイトル | 1ポンドの福音 −狙われた小羊− |
内容(参照) | 「1ポンドの福音<ヤングサンデーコミックス> 3」より |
初出掲載誌 | ヤングサンデー 1991年10号、11号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 1ポンドの福音<ヤングサンデーコミックス> 3 |
<解説>
改めてじっくりと読み返してみると、参照コマのようなはずしのテクニックや、善彦が減量妨害のために動き回ったのが、かえって発覚を早めて減量に功を奏したという皮肉な結果、善彦の目には耕作のかっこいいところばかりが映る結果となった図式など、2話という短い中でよくまとまっていると言える。
前編と後編の冒頭が、前編では耕作、後編では会長がそれぞれ食中毒で入院するという対応になっているところも構成としてうまい。
しかし、そうした構成面での技術とは裏腹に、前2回の5話連載から2話になったことで、読み応えという面での物足りなさがあったこともあるのだろう。このあたりから「1ポンドの福音シリーズ」の盛り上がりが下降線をたどって行った感がある。
作品全体を見渡す視点が、善彦に置かれている構成で、耕作とシスターアンジェラが、どちらかというと脇役に回ってしまった印象があったのも、ファンとしては不満な部分だったのかもしれない。
しかし、毎度の減量のつらさ、殴られて負けるときもあること、好きでなくては続かないという耕作の言葉に、妙に漫画家(作家)の立場と共通するものが見えて、意味深な部分もチラつく作品となっている。