タイトル | 1ポンドの福音 −秤の上の迷える小羊− |
内容(参照) | 「1ポンドの福音<ヤングサンデーコミックス> 1」より |
初出掲載誌 | ヤングサンデー 1987年9号、10号 |
発行元 | 小学館 |
単行本 | 1ポンドの福音<ヤングサンデーコミックス> 1 |
<解説>
「1ポンドの福音シリーズ」の第1作だが、シスターアンジェラの修道尼(見習い)という設定上の立場や、「根性なしっ!!」と叫んだときのイメージに音無響子の姿を重ねたファンも多く、いずれ週刊少年サンデーで始まるであろう新連載が「うる星やつら」の後継作に、この「1ポンドの福音」が「めぞん一刻」の後継作になるのではないかと期待された作品であった。
アニメ化された際、原作には出てきていないシスターアンジェラの年齢が、耕作の19歳に対して2つ年上の21歳(「めぞん一刻」スタート時の五代と響子の年齢と同じ)と設定されたのは、アニメスタッフにも同様なイメージがあったからであろう。
しかし、不器用ながらもまじめで誠実だった五代に対して、ちゃらんぽらんでスチャラカな畑中耕作は非難の対象となることも多く、単発的な短期集中連載のかたちをとったこともあって、盛り上がりに欠けた部分もあり、このシリーズに対する周囲の評価はやがて下降して行ってしまう。
しかし、第1作のこの作品はなかなかの好編と言える。特に、シスターアンジェラが酔ってビールびんをテーブルに叩きつけながら、耕作のために「祈りましょう!!」と叫ぶシーンは、ギャグ含みでありながらインパクトのあるシーンであった。
シリーズ化されるかどうかは、まだ未確定だったのかもしれない。1つの作品としてきれいにまとまっており、「1ポンドの福音」というタイトルと、ラストの「フェザー級(−1ポンド)」という部分の対応など、作りとして非常にうまさが発揮されている。この時期の安定ぶりがこの作品からも伺える。