タイトル | がんばり末世 |
内容(参照) | 「【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 1978年夏休み増刊号(8月号) |
発行元 | 小学館 |
単行本 | ダストスパート!!(スタジオ・シップ)<絶版> 【るーみっくわーるど】高橋留美子短編集 1orW |
<解説>
いきなりイモ畑から弥勒菩薩を掘り出してしまうという展開は、同人時代からの初期作品に共通するナンセンスな発端の中でもブッ飛び度が高い。
末世にのぞんで、人類に必要なのは信仰なのか、食料なのか?文字で書くと結構まじめに見える話題を笑いのネタに変えてしまうあたりがうまいし、逆に後光の主張が強弁でありながら、それなりに筋が通っていたりするところが更なる笑いを誘う。
結局、人気絶頂の後光と弥勒の両者が、自らの弱点をカバーするために打算的にコンビを組むことで終わるのは、一見、安直ともとれるのだが、末世にのぞんでの人類救済を訴えていた彼らこそが末世を招いてしまうという皮肉な結果を示唆するかたちになっており、案外奥深いものがあると言える。
ただし、単行本収録の際にラスト近くの台詞がいくつか変更されおり、初出掲載時の台詞だと、また若干ニュアンスが違ってくる。初出掲載時と単行本収録時の台詞の違いは以下のとおりである。
該当する台詞 | |
初出掲載時 | 単行本収録時 |
15ページ目6コマ目のディレクターの台詞 | |
まったく!やっこさんそろそろ落ち目じゃねえか、あれ じゃあ… |
まったく!あれさえなければいいタレントなんだがな… |
16ページ目1コマ目の左端の女性の台詞 | |
ふたりともそろそろ落ち目だもんね! | あんなにいがみあっていたのに!? |
同ページ4コマ目のディレクターの台詞 | |
ジャガイモタレントか大仏さんでもさがしてこい!! | マイク切って落語でも流しとけ!! |