国県市指定
下 館 の 文 化 財 Part4.
10 県指定文化財
螺でん 硯箱 (工 芸) 指定月日 昭和37年10月24日
木造漆塗(外黒漆、内朱漆)の青貝細工で、上下二段に造られ上段は硯箱、下段は文箱となっている。
箱の四面に四季の風物、上面に唐風の宮殿と人物が配されている。
硯は長さ20cm、巾7cm長楕円形で海が両端に配され、水差は金色の蝶を形どっている。
たて38cm、よこ21cm、高さ15cm。
元文元年(1736)5月13日、仙台21代城主伊達左近中将吉村公が江戸よりの帰途、祖先ゆかりの地である中館観音寺に詣で寄進したもの。
●所在地 下館市中館522。 所有者 観音寺。
11 県指定文化財
銅 鐘 (工 芸) 指定月日 昭和37年10月27日
青銅造の天平式梵鐘で室町時代の作。
形が細長く撞座はやや下降、池の間に銘文あり。
乳の数各区4段4列。撞座の蓮花文は菊花。
総高89cm、径49cm。
永禄10年(1567)3月8日第7代下館城主水谷兵部大輔勝俊公が、水谷家歴代の菩提所定林寺に寄進したものである。
●所在地 下館市岡芹957。 所有者 定林寺。
12 県指定文化財
大 袖 鎧 (工 芸) 指定月日 昭和39年7月31日
室町期の様式を備えた江戸上期の作で、62間星兜、大袖、本小札紺糸おどし、鍬形、高麗犬の大前立、八段の八幡座に後立野晒(どくろ)がつけられ、吹返し鍬形台及び要所に石川家の定紋「丸に三ツ葉りんどう」が配されている。
享保17年(1732)4月1日、伊勢国河曲郡神戸(三重県鈴鹿市)より2万石で入封した石川家初代下館城主石川近江守総茂以来のもので、御本家伊勢国亀山(三重県亀山市)6万石より分家当時からのものと思われる。
石川家は清和源氏の出で、徳川譜代の大名としてその系譜に足る格式の高い鎧である。
石川家の守護神の山城八幡神社(下館城本丸内に鎮座)に奉納された。
製作以来300余年を経、破損が甚だしいため、昭和51年度保存修理を行った。
●所在地 下館市下中山732の1(下館市役所内)。 所有者 八幡神社。
13 県指定文化財
板 碑(青石塔婆)(公庫資料) 指定月日 昭和39年7月31日
鎌倉時代(約700年経過)のもの、緑泥片岩の板碑で塔婆の輪郭を板石に表した形のもので、板石の上部に梵字三字を刻む。
下部に銘文があるが風化して判然としない。
高さ155cm、巾45cm、厚さ5cm。この板碑は定林寺壇中の羽田家が昭和38年に寄進したもの。
定林寺は、初代下館城主水谷伊勢守勝氏が市内稲野辺に在ったものを再建し菩提所としたが、勝氏が没するに及んで下館城内に移し、その後勝隆の代に城内より岡芹に移して今日に及んでいる。
●所在地 下館市岡芹957。 所有者 定林寺。