告訴人篠田勉の検察調書(H4.07.24)

(注1)以下は、平成4年7月24日に、検察官が作成した告訴人篠田勉の供述
   調書です。但し、縦書きを横書きに直しています。
   −−−は、用紙の変わり目、右端の数字は丁数です。各丁(頁)の行数、
   一行の文字数、字下げ等の体裁は原本と同じです。
(注2)着色強調文字の部分は、下記のような問題がある箇所です。
   赤字部分は、告訴人側が以前の供述を変更した箇所。
   黄字部分は、客観的事実と異なる箇所。及び、告訴人側が自らの不始
    末や不正の責任を被告人側に転嫁しようとしている関係箇所。
   緑字部分は、話の元は事実であり、二審では、検察官、裁判官がその
    部分に関する主張、認定を取り下げている箇所。
              平成10年2月23日  被告人 三宅喜一郎


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        供  述  調  書
住  居   東京都北区志茂*丁目**番**号
  職 業  団体職員      電話****局****番
      氏  名     篠   田      勉
             昭和三二年 *月 *日生(  歳)
右の者は、平成 四年 七月二四日 東京地方検察庁 において、
本職に対し、任意次のとおり供述した。
一     私は、養父篠田三郎名義になっている東京都北区志茂
     *丁目**番**号の土地に二世帯住宅を建築する計画
     を立て、平成二年六月二八日、株式会社平和ホームズ(
     代表取締役三宅喜一郎)との間で、請負代金二、八五〇
     万円で住宅建築の工事請負契約を締結しました。
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      右契約には、
          引渡し日までに交付されていない融資金につ
          いては、平和ホームズが提携する「つなぎ融
          資」を利用して引渡し日までに請負代金全額
          を支払う
     という特約が付いていました。
      この「つなぎ融資」というのは、住宅金融公庫等で融
     資を受ける場合、工事完成後でなければ融資が実行され
     ないので、その間一時的に日本信販株式会社から年利率
     八・九パーセントで借入するという内容でした。
      平成二年三月三一日、平和ホームズの田吉氏に来ても
     らい、資金計画を検討したところ、建築工事費二、八〇
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     〇万円、その他経費五四七万円で合計三、三四七万円必
     要ということになりました。
      これに対し、私達の建築資金としては、
          自己資金         七〇〇万円
          住宅金融公庫融資   一、九七〇万円
          関東年金福祉協会融資 一、〇六〇万円
     の合計三、七三〇万円を予定していましたので、公的機
     関からの融資分三、〇三〇万円についてつなぎ融資を受
     ける必要がありました。しかし年金福祉協会からの融資
     の手続に手間取ったので、とりあえず、住宅金融公庫か
     らの融資分の一、九七〇万円についてのみ日本信販から
     つなぎ融資を受けることになり、平成二年八月二七日、
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     日本信販との間で、「日本信販つなぎローン」契約を締
     結しました。
      日本信販から実行された融資金は、利息と手数料を天
     引きした残額の一、八七九万九、六五六円で、平成二年
     八月三〇日付けで平和ホームズの指定口座に直接振り込
     まれました。
二     その後、平成二年一〇月二一日になって、平和ホーム
     ズの常務取締役の鎌田次朗が突然自宅にやってきて、
          日本信販のつなぎ融資を東芝総合ファイナン
          スへ鞍替えして欲しい。
          平和ホームズの日本信販用の住宅金融公庫枠
          がいっぱいになったため、是非協力して欲し
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2丁裏
          い。
          鞍替えにかかる手数料は当社で負担します。
     と言い出したのです。
      つまり、日本信販からのつなぎ融資を東芝総合ファイ
     ナンスのつなぎ融資に借り替えて欲しいという話を持ち
     出したのです。
      鎌田はつなぎ融資の借り替えのことを、「鞍替え」と
     も言っていましたが、以下単に「借り替え」と呼ぶこと
     にします。
      私は、自分の家の建築という一生に一度の重大事を平
     和ホームズに任せているという立場にあったので、その
     申し出をむげに断り、お互いの関係が悪くなると困ると
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     いう気持も確かにありました。
      しかし、あまりにも唐突な話でしたし、既に私は日本
     信販とつなぎ融資の契約を結び、その融資金も、利息等
     を天引きされて、平和ホームズの口座に入金されていた
     ので、私としては、東芝総合ファィナンスから借り入れ
     る必要性は全くなく、鎌田の申し出を断ったのです。
三     その日はそれで鎌田は帰ったのですが、平成ニ年一〇
     月ニ五日、鎌田と平和ホームズの管理部長の高澤正比古
     が私の自宅にやって来て、再ぴつなぎ融資の借り替えの
     話になったのです。
      私が、何故借り替えをする必要があるのか問いただす
     と、高澤は、
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          おっしゃることはごもっともです。
          他のお客様の中にも同じように言われ、嫌が
          る方もいらっしゃいますが、我々の事情を察
          して是非ご協力下さい。
          日本信販の枠が一杯になり新規の客の枠が取
          れないので借り替えしてください。
          東芝総合ファイナンスは、工事に着工してい
          ないと融資を実行しないので、新規のお客様
          が東芝から融資を受けるのは難しいのです。
     と言って、執幼につなぎ融資の借り替えを求めてきたの
     です。
      この時、東芝総合ファイナンスを使ってつなぎローン
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     を組むときに土地を担保にする必要があるという話が初
     めて出ました。
      既にお話ししたとおり、私には借り替えをする必要は
     全くないわけですし、わざわざ平和ホームズのために土
     地を担保に入れる気にはなりませんでした。
      しかし、ここまできて今さら平和ホームズとの契約を
     解除するというわけにもいかず、私達は弱い立場にあり
     ました。そこで、建物の追加変更工事の見積書もまだ来
     ていないのに、今の時点で金銭の話をするのはおかしい
     と口実を付けて、この日も借り替えの話を断りました。
      なお、この日、高澤は、
          日本信販には借り替えのことを内密にしてい
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          てください。
     と言っていましたが、私は、借り替えをしたのが日本信
     販に知れると、枠を広げるのが難しくなるのだろうとい
     う程度にしか考えず、特に不審を抱きませんでした。
四     さらに平成二年一〇月二七日になって、高澤は養父母
     篠田三郎とふじのところに行って話がしたいと言い出し
     ました。高澤があまりに熱心に頼むので、私としても、
     強く断るわけにもいかず、結局、妻の志保と一緒に高澤
     を養父母方に案内しました。
      高澤は、東芝総合ファイナンスの会社概要パンフレッ
     トや契約書のコピーを持参しており、養父母に対してつ
     なぎ融資の借り替えの説明しました。
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      この時、高澤から、住宅金融公庫分の一、九七〇万円
     だけでなく、関東年金福祉協会分の一、〇六〇万円もあ
     わせて合計三、〇三〇万円を東芝総合ファイナンスから
     つなぎ融資を受けてもらいたいという話がありました。
      そこで私が、
          何故三、〇三〇万円なのですか。
     と尋ねると、高澤は、
          皆さんに全額つなぎ融資のローンを付けさせ
          ていただいています。ですから、篠田さんに
          も、東芝から全額の三、〇三〇万円の融資を
          受けてもらいたいのです。
     と説明しました。
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      しかし、私は既に日本信販からつなぎ融資を受けてい
     たので、
          それでは日本信販から惜りた一、九七〇万円
          はどうなるのです。
     と聞いたところ、高澤は、
          これまで日本信販から借りている分は東芝
          総合ファイナンスからの融資金で直ちに返
          済します。
          返済の手続は平和ホームズが責任をもって行
          うという念書も提出いたしますので安心して
          ください。
     と答えました。高澤が言っているつなぎ融資の借り替え
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     というのは、東芝総合ファイナンスから借り入れたつな
     ぎ融資金を、直ちに日本信販から借りているつなぎ融資
     金一、九七〇万円の返済に当てるという話であることが
     分かりました。私達には何の利益もない借り替えですか
     ら、この時も、まだ見積書が提出されていないというこ
     とを口実にして、高澤の申し出を断りました。
五     その後、平成二年一一月中旬、鎌田と高澤の二人がま
     たつなぎ融資の借り替えの話で自宅に訪ねてきました。
      この時高澤は、支払金の内訳等を表にした書類に赤色
     サインベンで数字を書き込みながら、東芝総合ファイナ
     ンスから三、〇三〇万円のつなぎ融資を受けた場合の金
     利負担等を計算して、九万円という数字を算出したので
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−6丁裏
     す。
      高澤は黙々と計算していたので、どういう計算をした
     のか分からなかったのですが、高澤はその書類を見せな
     がら、
          日本信販から東芝総合ファイナンスに借り替
          えた場合、このように金利負担額が九万円安
          くなります。
     と言い、今度は具体的な金額を示して借り替えを求めて
     きたのです。
      今になって考えれば、融資額を一、九七〇万円から
     三、〇三〇万円に増額するわけですし、東芝総合ファイ
     ナンスの方が金利が高いので、借り替えれば金利負担が
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7丁表
     軽くなるというのはおかしな話ですが、その時はまだ東
     芝総合ファイナンスの融資条件等詳しいことは分かりま
     せんし、高澤がそのように計算して算出したので、日本
     信販から東芝総合ファイナンスに借り替えれば九万円金
     利負担が軽くなると信じたのです。
      私は、建築工事費見積額より多めに融資を受け、残額
     は部屋のカーテン等付属品の購入費用にあてようと考え
     ていたので、金利負担が軽くなり、融資金の残額が増え
     るというのは私達にとって利益でした。しかし、土地の
     担保やその他手続にかかる手間を考えるとやはりこの借
     り替えの申し出に応じようとは思いませんでした。
      そこで私は妻と一緒に、
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          もし契約すれば面倒な手続のため多くの時間
          と労力を取られる。
          私達は共稼ぎで子供もいるのでこれ以上手続
          に時間を取られたくない。
     と言って断ろうとしました。
      また、その場の思い付きで、
          それに九万円程度ではエアコンの一台も買え
          ない。
     と口実をつけて、断ったのです。
      すると高澤はしばらく考えて、
          それではいくら値引きをしたら借り替えして
          いただけるでしょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−8丁表
     と値引きの話を始めました。
      そこでとうてい値引きできそうもない金額を示してそ
     れを口実にしてうまく断ろうと思い、
          エアコンの一台も買えないような金額では同
          意できない。
     と言ったのですが、高澤はさらに、
          どうしても篠田さんにはご協力をお願いした
          いので、それでは三〇万円値引きさせていた
          だきます。
     と思いも寄らない高額の値引きを持ち出したのです。
      私は、まさか三〇万円もの値引きをするとは思ってい
     なかったので、この話を聞いて心が動き、初めて借り替
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−8丁裏
     えの申し出に応じようという気になったのです。
      そこで、高澤に、
          それでは、そちらで、東芝から実行された融
          資金で直ちに日本信販へ返済して貰えるので
          すね。
     と念を押すと、高澤は、
          はい、日本信販へは、当社が責任をもって東
          芝総合ファイナンスの融資金で直ちに返済い
          たします。
     と確約したのです。
      私が更に
          三〇万円の値引きはいつの時点でしてもらえ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−9丁表
          るのですか。
     と聞いたところ、、高澤は、
          値引きは建物の完成後に精算して行います。
     と答えました。
      高澤らが、このように平和ホームズが東芝総合ファイ
     ナンスからの融資金で直ちに日本信販に返済すると言う
     ので、私はその言葉を信用し、つなぎ融資の借り替えに
     同意することにして、私は、
          分かりました。東芝に借り替えることにしま
          す。
          ただ、担保にいれる土地は父の物なので、父
          とも相談しなければ決められません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−9丁裏
     と言いました。
      私達は、我が家の建築を平和ホームズに任せており、
     その申し出をむげには断れない立場にあったので、三〇
     万円も値引きしてくれるのなら、こちらも折れる他ない
     という気持になったからです。
      もし、平和ホームズが東芝総合ファイナンスからの融
     資金を直ちに日本信販への返済にあてず、会社の資金繰
     りに使用するということがわかっていれば、つなぎ融資
     の借り替えの申し出には絶対に応じませんでした。
問 平和ホームズの鎌田らは、東芝総合ファイナンスからの融資金
  を会社の当面の運営資金に当てて、その後、他から資金繰をし
  て、日本信販の融資金返済にあてるつもりであった旨供述して
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−10丁表
  いますが、それでも東芝総合ファイナンスへの借り替えの申し
  出に応じなかったということですか。                      
答 そうです。すぐに日本信販に返済すると嘘を言ってまで顧客に
  ニ重のローンを掛けさせ、その融資金をたとえ一時的であって
  も会社の運営資金にあてるというような自転車操業を行うとい
  うことは、平和ホームズの経営状態が著しく悪いということに
  他なりません。鎌田らが融資金を一時的に会社の運営資金に流
  用し、その後に資金繰をして日本信販に返すつもりであると言
  っても、そのような経営状態であれば、返済が遅れたり、ある
  いは返済できなくなったりして、結局は、私が日本信販と東芝
  総合ファィナンスに対し二重に返済しなければならなくなっ  
  たり、東芝に担保に入れた土地を取られてしまう危険がありま
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−10丁裏
  す。そんな危険を負担してまで平和ホームズの資金繰に協力す
  る義理は全くありません。だから、平和ホームズが融資金を資
  金繰に利用することが分かっていれば、たとえ鎌田らが後で
  他から資金繰をして日本信販に返済するつもりであったとして
  も、絶対にその申し出には応じなかったと断言できます。
六     東芝総合ファイナンスからつなぎ融資を受けるにあた
     って土地を担保にいれることが条件になっていましたの
     で、土地の名義人である養父も交えて話をするため、平
     成二年一一月二六日、私は、高澤と東芝総合ファイナン
     スの横堀氏を養父母方に案内しました。
      横堀氏が契約の説明をしたのですが、その際、土地を
     担保に入れる他に、融資金の返済まで土地の権利証も預
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−11丁表
     かりたいと言いました。私達はそのような話は聞いてな
     かったので、融資の話を断ろうとしたのですが、高澤が
     間に入り、担保設定等の費用は平和ホームズが負担し、
     権利証は預ける必要はないという条件で話がまとまった
     のです。
      その後、私は東芝総合ファイナンスから三、〇三〇万
     円を借入する旨の金銭消費貸借契約証書を作成しました
     が、連帯債務者になるはずの私の妻が同席していなかっ
     たので、妻に署名押印させるため契約証書は私が預かる
     ことにしました。
      横堀氏が帰った後、高澤は私に対し、
          東芝総合ファイナンスからの融資金は一旦篠
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−11丁裏
          田さんの口座に振り込まれますが、その金は
          当社と日本信販との提携により当社の口座か
          ら日本信販に返済するシステムになっていま
          すので、必ず当社の口座に振り込んでくださ
          い。
          当社に振り込まれた東芝の融資金はそのまま
          すぐに日本信販に返済しますので安心して下
          さい。
          これは三宅社長の念書です。
     と言って、つなぎ融資の借り替えの費用は平和ホームズ
     が負担するなどと記載した念書一通を渡してくれたので
     す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−12丁表
この時、本職は、押収に係る念書一通を供述人に示した上、その写
しを本調書末尾に添付することにした。
      これは、その時高澤からもらった念書と同じ内容の物
     です。
     この念書には、東芝総合ファイナンスからの融資金を
     平和ホームズに送金すれば、すぐに平和ホームズが日本
     信販に返済するということは書いてありませんが、特に
     不審には思いませんでした。日本信販のような有名企業
     と提携している会社の部長自らがそのように請け合って
     いましたし、日本信販からの融資金が直接平和ホームズ
     に送金されたので、平和ホームズに東芝からの融資金を
     送金すれば、当然、平和ホームズがそのまま直接日本信
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−12丁裏
     販に返済してくれるものと信じきっていたからです。
      その日、自宅に帰り、妻に事情を説明し、契約証書の
     連帯保証人欄に署名押印させました。その日の夜遅く、
     高澤が完成した契約証書を受け取りに来たのでこれを渡
     しました。
七     平成二年一一月ニ九日、東芝総合ファイナンスから私
     の口座に融資実行金として金利、手数料等を差し引いた
     ニ、八ニ九万一、九七五円が振り込まれました。私は仕
     事の都合で時間が取れなかったため、妻に振込を依頼し
     て、その日、妻が、平和ホームズの指定した第一勧業銀
     行高田馬場支店の口座にその全額を振り込みました。
      私達は、そのように平和ホームズに東芝総合ファイナ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−13丁表
     ンスからの融資金を送金すれば、平和ホームズが直ち
     に日本信販にそのまま返済してくれると信じていたので
     す。
      しかし、平成三年一月八日になって、日本信販からつ
     なぎ融資の返済期限について確認の電話があったので、
     平和ホームズは日本信販に返済しておらず、私達は高澤
     らに騙されたことが分かったのです。
      その後、私達は被害額を最小限にとどめようとして、
     鎌田に対し状況説明を求めたりしたのですが、きちんと
     した回答はありませんでした。
      平成三年三月一日に平和ホームズは二回目の不渡手形
     を出して、倒産したので、私は被害額を少しでも回復し
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−13丁裏
     ようと交渉したところ、同月六日、鎌田は、日本信販融
     資金と東芝総合ファイナンス融資分の実行金を受領した
     旨の受領書等を作成し、私に渡したのです。
この時、本職は、押収に係る受領書一通を供述人に示した上、その
写しを本調書に添付することとした。
      この受領書は、平和ホームズ代表取締役三宅喜一郎名
     義ではなく、鎌田の名義になっていますが、当時、連絡
     の取れるのは鎌田だけでしたし、私はとにかく今回この
     ように平和ホームズに金を騙し取られたことがわかる証
     拠を残しておきたかったので、鎌田名義でも仕方がない
     と考えていました。
      平和ホームズは倒産し、建築工事が中断したので、別
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−14丁表
     の業者に発注して、工事を続行し、平成三年三月一一日
     ようやく家屋が完成しました。その後、関東年金福祉協
     会と住宅金融公庫からの融資金合計三、〇三〇万円が
     実行され、それで東芝総合ファイナンスに返済しました
     が、日本信販からの融資分の一、九七〇万円は返済でき
     ませんでした。
      この一、九七〇万円について、三宅、鎌田、高澤らか
     ら全く被害弁償がなされなかったので、平成三年四月一
     八日、この三名を詐欺罪で告訴したのです。
      今回の事件で、私達は高額の金銭を騙し取られ、精神
     的にも多大な打撃を受けております。三宅ら関係者を厳
     重に処罰してもらいたいという気持は今でも変わってい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−14丁裏
     ません。
                   篠 田   勉 (印)
右の通り録取して読み聞かせたところ誤りのないことを申し立て署名押印した
     前 同 日
     東 京 地 方 検 察 庁

           検  事    甲 斐  淑 浩 (印)


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−15丁表

(添付書類)(画像表示。ご覧になるときは、そこをクリックして下さい。)
1、平成2年11月26日付「念書」の写 1通
2、平成3年3月4日付「受領書」の写 1通

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(注3)検察官は、2回目の不渡りを出した直後の混乱時に、鎌田らが篠田夫
   妻から求められて書いた書類の一部、平成3年3月4日付「受領書」の
   みを調書に添付しています。正しい状況を把握するためには、同日頃に
   同じように夫妻に求められて書いた他の書類をも併せてご覧下さい。
   平成3年3月4日付「受領書」の画像をスクロールすれば、ご覧いただ
   けます。


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