告訴人石田克史の警察調書(H3.04.16)

(注1)以下は、平成3年4月16日に、司法警察員が作成した告訴人石田克史
   の供述調書です。但し、縦書きを横書きに直しています。
   −−−は、用紙の変わり目、右端の数字は丁数です。各丁(頁)の行数、
   一行の文字数、字下げ等の体裁は原本と同じですが、行末は原本と異
   なり不揃になっています。誤字・脱字等はそのままにしています。
(注2)着色強調文字の部分は、下記のような問題がある箇所です。
   黄字部分は、客観的事実と異なる箇所。及び、告訴人側が自らの不始
    末や不正の責任を被告人側に転嫁しようとしている関係箇所。
   緑字部分は、話の元は事実であり、二審では、検察官、裁判官がその
    部分に関する主張、認定を取り下げている箇所。
   青色部分は、告訴人側が後に供述を変更する箇所。及び、検察官、裁
    判官がその部分と不整合な又は矛盾した主張、認定をしている箇所。
              平成10年2月22日  被告人 三宅喜一郎


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       供  述  調  書
住居 東京都世田谷区上北沢*丁目**番*−***号
    職業 会社役員   電話 自宅 ****局****番
                 会社 ****局****番
       氏 名   石 田  克 史
              昭和二二年*月**日生(四三歳)
右の者は、平成三年四月一六日警視庁北沢警察署
において、本職に対し、任意次のとおり供述した。
一 私は昭和五九年九月から現住居に
         妻    優 里  三七歳
         長女   ○ ○   *歳
         長男   ○ ○   *歳
     と私の四人家族で生活しています。
二、私は本年三月一三日付
      告訴人代理人として
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         弁護士の 佐 藤  忠 宏
     を通じて御署に対し、
       東京都世田谷区代田五丁目二六番二〇号
           会社役員 三 宅  喜一郎
       東京都東村山市青葉町*丁目**番地*
           会社役員 鎌 田  次 朗
     の両名を詐欺事件の被告訴人として
     告訴の手続きをとってもらい御署で受理
     してもらっておりますが その告訴事実
     についての経緯について説明致します。
三、私の告訴事件の被告訴人である
         三 宅  喜一郎
     は
       東京都新宿区高田馬場二丁目一四番八号
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       土木建築請負い 工事施行を営む
         株式会社 平和ホームズ
     という会社の代表取締役であり
     もう一人の被告訴人である
         鎌 田  次 朗
     も同じ前記株式会社平和ホームズの
         常務取締役
     です。
四 次に私の告訴事件の
         告訴事実について
     ですが、
      被告訴人両名は株式会社平和ホームズの
     業務に関し、平成二年五月一六日
     告訴人である私と私の所有する
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       千葉県山武郡九十九里町作田
            字山中*、****−*
     の土地に私の居宅を、一金、三、〇〇〇万円
     で建築する工事を請負い、先に同年
     二月二六日に仮契約に伴い受領した
        申込金、一〇〇万円
     及び右契約締結後の同年五月二一日
     に受領した工事代金等の一部支払金
     二〇〇万円のほか、私が住宅金融公庫
     並びに年金福祉事業団からそれぞれ
     融資を受ける予定の建築資金合計
        二、九二〇万円
     につき、同年八月二二日、日本信販株式会社
     からいわゆる、つなぎ融資を受けさせ、
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     これを代理受領し、前記建築請負代金
     全額を受領していたにもかかわらず
     会社の資金繰に窮したことから両者共謀
     のうえ、前記日本信販からの私宛の
     融資金の返済に充てる意思がないのに
     その返済用の融資金借替え名下に
     私から金員を騙取しようと企て
     同年九月一〇日ころ私方において
     私に対し、被告訴人鎌田次朗が
     「平和ホームズは日本信販との間で当社の
     所有物件を担保に入れて客に融資を
     してもらっている。その融資額には一定の
     枠しかないので石田さんには千葉の土地を担保
     に入れてつなぎ資金を東芝総合ファイナンス
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     に切り替えてほしい。このことによって他のお客に
     便宜を図ることが出来るようになることと、
     当社としても業務拡張が図れる。
     その見返りとして、利息や諸費用を
     安くするのでお願いしたい」などと虚偽の
     説明して、私をだまし、私に東芝総合
     ファイナンスに融資の申込みをさせて同社から
     の融資金を、日本信販株式会社からの借入金の
     返済に充てるものと誤信させ、同年
     九月二〇日に私の千葉の土地を東芝総合
     ファイナンス株式会社に担保に差入れ同社から
     一金二、九二〇万円を借り受けさせて、
     手数料等を差引かれた私の受取金
     二、七四二万九二七九円を同月二五日に
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     第一勧業銀行高田馬場支店にある
     株式会社平和ホームズの預金口座に振り
     込ませて、これを騙取した
     というものです。
五、次に此の事実について順を追って詳しく
     説明します。
     はじめに私が被告訴人の会社である
        株式会社平和ホームズ
     と、
        家屋の新築工事請負契約
     をした土地について説明します
     その土地は告訴状に登記簿謄本を添付していますが
      所在が
        千葉県山武郡九十九里町作田字山中****−*
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      地目は購入当時は畑地でしたが
        その後当地を管轄する農地委員会宛
         宅地への地目変更届の申請をなし
        現在は宅地となっているものです
      地積は、 一三〇坪
     で
        昭和六三年五月か六月だったかに
        購入したもの
     です。
        所有者は、私、石田 克史 名義
     となっているものです。
     ここで追加説明しておきますが
     現住所のマンション名は
        メイゾン○○○というマンション
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     で私の部屋は
        *階***号室
     です。
     此の部屋は
        分譲マンション
     で
       昭和五七年九月に私が購入したもの
     で
       ローンは残っていますが名義は
        私  石 田  克 史 名義
     となっています。
     次に私の仕事の関係も説明しておきますと、
     現在 私は
       東京都杉並区上高井戸*−**−**
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−5丁表
     にあります
        ○○○○株式会社
     の取締役をやっております。
     此の会社は、
        亡父  勇
     が昭和二七年に
       本店所在を東京都台東区浅草
     に
       接着剤の卸販売会社
     として設立した会社です。
     昭和三八年二月に父が亡くなりましたが
     父の死後は、
     母 幸子が引継ぎ 現在母の居所である
       杉並区上高井戸*−**−**
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−5丁裏
     に会社の本店を移転し、
       母が代表取締役に就任
     しております。
     私は
       昭和四八年に それまで勤めていた
         製薬会社を退職
     して、母の会社の仕事の手伝いをはじめ
       会社の営業内容も接着剤の卸販売の
       ほか
         臨床検査の器具、容器
         の仕入れ販売も加え、
       その後現在では さらに営業種目も加え、
         インターホン等の家庭電気器具の
         輸出販売
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−6丁表
     もやっております。
六 次に被告訴人の会社である
        株式会社平和ホームズ
     との新築家屋請負契約並びに代金支払い
     等について説明します。
     私は先に説明したように
        昭和六三年六月
     に妻と相談して、
       千葉県山武郡九十九里町作田字山中****−*
     に 一三〇坪の土地を買ったのです
     そことは、私が告訴状に添付している
        本年二月八日付私名義の
        弁護士、佐藤忠宏宛に書いている
          報告書(一)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−6丁裏
     に書いているとおり
         別荘地用
     として買ったものです。
     その理由は、場所的に
        妻の実家から近いこと、
        九十九里海岸からも近いこと、
     から
        別荘を建てれば使用しない間でも
        妻の実家で見てもらえること、
       や
        子供達を海水浴場に連れて行く
        拠点としても最適
     と思ったからです。
     又告訴状には
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7丁表
         居宅の新築工事
     となっていますが これはあくまでも
        資金の融資を受ける為のもの
     で 新築する家屋は
        本来の目的は別荘として使用する
        家屋
     です。
     私と妻は、買った物件は
        造成途中ですぐに家屋の新築
        は出来ずにいた
     のですが その後造成工事も終わりました
     ことから
        別荘建築にとりかかろうか
     ということになり
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7丁裏
       平成元年の後半にはいり
        月刊雑誌の ハウジング
        とか
        新聞折込みや無料配布の広告
     等を手に入れて 妻と別荘建築の
     検討をはじめたのです
     別荘といっても
        今は別荘目的で使用しても
        将来は、妻と居住することを目的
     としての検討ですが、
        出来ることなら安い代金で立派な建物
        を建てたい。
     ということで色々研究したのです。
     そのうち
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        同年の暮ころ
     になり
        自宅のポストに入れてある無料配布の広告
     である  
        サンケイリビング新聞社発行の
          セントラルリビング
     と題した広告を手に入れて見ているうち
     今回の告訴事件の被告訴人の会社である
        株式会社平和ホームズ
     という会社が出している
        一、〇八〇万円で
          モニターハウス募集
     の広告が目にとまったのです
     此の広告の内容を読んでみましたところ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−8丁裏
        建築費用も格安である
     ことから
        この会社に話を聞いてみよう
     ということになり、
        その年の暮近くなった頃でした
     が
       広告の電話番号により
       妻に電話させた
     のです。
     すると、妻の話では
        年の瀬もせまっておりますので
        年が明けたらお伺いします
     ということだったとのことでした。
七、このようにして電話しておいたところ
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     年が明けての
        平成二年一月七日
        (前年の暮に日時を打ち合わせておいたもの)
     になり
       株式会社平和ホームズの
         住宅事業部
           本店営業部
         アドバイザー 田吉康紀
     という
         五〇歳前後の男
     がやって来ました。
     その時同人は、
        株式会社平和ホームズで出している
          モニターハウス制度のパンフレット
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−9丁裏
     をはじめ
        色々な説明用パンフレットなど
     を持って来て見せてくれながら説明して
     くれました。
     それと同日に
        前に説明した
          セントラルリビング
     に掲載されている
        家計簿カルテの欄
     についての話になり 私が
        良く読んでいる
     と話ますと、田吉という人は
        あれは三宅栄子という人が
        書いているが あの三宅栄子さんは、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−10丁表
        うちの会社の社長の奥さんですよ。
        だから うちの社長も学者肌の人ですよ、
     と話していました。
     事実私は話の記事の
        家計簿カルテ
     は良く読んでおり その記事のアドバイザーの
        ○○女子大学短期大学
          助教授という三宅栄子
     という人は、記事の内容から
        立派なアドバイザーだ
     と思っていましたので
        その人の御主人の会社なら
        しっかりした会社だろう
     と思い込んでしまったのが第一歩の信用でした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−10丁裏
     此の時 田吉氏は、
        株式会社平和ホームズの会社の説明
       のほか
        同社が求めているモニター制度の説明
     をし、最後に
       私共が建てたいと希望する
        家屋の構造
     を開き、
        仮契約時までは設計は無料です
        から 設計図を下書して来ます
     と話して帰りました。
     その時の田吉氏の
        モニター制度の説明
     について説明しておきますと
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−11丁表
        展示場にモデルハウスを建てると
        一戸当たり八、〇〇〇万円から一億円かかる
        又これらを年間にすると維持費が
          二、〇〇〇万円から三、〇〇〇万円
        かかる、
        これらの費用を節約するため
        モニター制度を使った。
      又
       モニターになってもらうには、
        希望者によって抽選してもらい
        抽選に当れば建築費用か格安になる
        (普通の建築費用の2/3位になる)
        モニターになった人は一定期間その家を
        他のお客の為に展示していただく
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−11丁裏
        モニター抽選は建築希望者数が
        一定数になった時抽選する
        現在は、二ヶ月に一回位の抽選を
          行っている
     というような説明でした。
     これを聞いて私も
        モニターに応募し、出来たら
        モニターに当選したい
     と思ったことは事実です。
八 このように田吉氏は、
        モニター制度等の説明のあと、
     私達から
        希望の構造を聞き
     その時は帰ったのです がその後
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−12丁表
        同月末ころ
     になり田吉氏は、
        家屋の青写真の設計図
       と
        標準的な建築代金見積書
     などを持ってやって来ました。
     しかし、私共としても
        希望が全部満たされているわけでは
        ないので 一回の図面で納得出来ず
        その都度改めて訂正を求めたりした
     ことから 田吉氏はその後
        二〜三回その都度修正した
        設計図と見積書
     を持って交渉に来てくれていました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−12丁裏
     このように田吉氏と建築交渉を続け
     ながら
        モニターに応募手続も
        やってもらいました。
        此のモニター応募申請には、
          申請代金一万円
        を納めなければならず私も
        納めました
        此の申請代金の一万円については
        抽選に当れば建築費に繰入れられ
        抽選に当たらなくても平和ホームズで
        家を建ててもらえば建築代金に
        繰入れられます。
       が
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−13丁表
        平和ホームズに建ててもらわない場合は、
        申請代金の一万円は返却してくれる
      という説明でした。
     このような経緯をたどり
        同年二月二三日
     になり、田吉氏は私共が希望を出した
     最終的な
        設計図と見積書
     を持って来てくれ、その見積額については、
        あくまでも標準価格です。
        標準価格と言っても大手の会社の
          見積額より一五%は安くなっています。
        モニターに当選した場合は
          此の価格から値引します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−13丁裏
     という説明でした。
九 このようにして申し込み応募した
         モニターの抽選会
     が
       同年二月二五日
       新宿の会場で行われた
     のです。
     この時の抽選会場は
        名前など覚えていませんが
        貸会場でした。
     此の時の当選率は
        1/15程度の確率
     でしたが
        私もみごとにはづれてしまった
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−14丁表
     のです。
     私ががっかりして会場を出ようと
     していた時 私のところの契約担当者の
     田吉氏が私のところにやって来て、
        石田さんの土地は場所もいいし
        会社に特別モニターハウスの枠が
        あるから役員会議にかけてみます
        結果については今日の夕方返事します
     と云ってくれたのです。
     この特別モニターハウスの利点というのは
        抽選によるモニターハウス程の
        利点はありませんが
        一定期間モニターハウスとして
        会社に利用(お客の見分のため)させてもらい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−14丁裏
        その期間の一ヶ月につき
        一〇〇万円を建築代金から値引する
     という程度のものでした。
     此の日、抽選に落ちて帰ったのですが
     その日の夕方 五時ころになり
     田吉氏から
        石田さんは特別モニターハウスになれました。
        期間内(早急に)に仮契約しないと、
        駄目になる。
        仮契約金としての一〇〇万円(抽選申込金の
        一万円を繰入れる)の残金九九万円も
        急いで準備してもらいたい。
        払込みは明日でもいいが仮契約は
         今日中にやってもらいたい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−15丁表
        これからすぐ、お伺いします
     という電話連絡がはいったのです。
     此の時私は、
        特別モニターハウスでもいい
     と思い その旨 田吉氏に伝えたのです。
     すると その後一時間位した
        同日午後六時ころ
     田吉氏が来てくれまして、そこで
        千葉の土地に家屋を新築する工事
        に関する仮契約をした
     のです。
     その時田吉氏は、
        残金(九九万円)は明日振込んで下さい
     と云って振込先を
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−15丁裏
        第一勧業銀行 高田馬場支店の
        株式会社平和ホームズの
        当座預金口座番号
     を指定して教えてくれて帰りました。
     そこで私は、此の時の仮契約に基づく
        一〇〇万円の残金九九万円
     を
         翌日(同月二六日)
         妻 優里に指示し
         指定された銀行口座に残金を
         振込ませております。
     此の様に残金を振込みましたところ
     間もなく、株式会社平和ホームズから
        仮契約金 一〇〇万円に対する
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−16丁表
        領収証が郵送されて来ております
     その領収証のコピーは告訴状に
     添付してあります。
一〇、此の様に仮契約をして いよいよ本契約
     に向けての交渉が始まることになります。
     その本契約について、
       新築家屋の設計プランの打合わせ
     から始まったのです。
     此の設計プランの打合わせについて、仮契約
     まですませた田吉氏から
        平和ホームズの子会社である
          ツーバイホーム技研株式会社
        が当ることになりますから
     との連絡を受けておりましたので
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−16丁裏
     その後 私の方から
         ツーバイホーム技研株式会社
     に電話を入れ、日時を打ち合わせて
         練馬区豊玉二−二−八所在
         ツーバイホーム技研株式会社
     に打合わせに行きました。
     最初に行った日の記録はありませんが
     記憶では、
        同年三月上旬だった
     と思います。
     そこで
        設計部課長の柿澤直海氏
       と
        その部下の吉田浩子氏
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     が担当として交渉に当ってくれており
        田吉氏が仮契約してくれた設計図の
        細かい部分の修正
      とか
        使用する建材の選別等
     の交渉でした。
     このような交渉をその後二〜三回行いました。
     一方此の設計プランに併行して
     その裏付けとなる資金調達も必要に
     なって参ります。
     私は資金調達方法として、
        自己手持現金三〇〇万円
     のほか
        手持ち株式を売却して資金にするほか
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        私共の会社で取引している
          国民銀行 富士見が丘支店に対し
          融資借入れの打診を行っていたところ
          同銀行から二、〇〇〇万円位までの
          融資の承諾を得ていた
     のです。
     ところが仮契約を担当した
        田吉氏も資金のアドバイスをしてくれて
     おり同氏から
        住宅金融公庫と年金福祉事業団
        から金利の安い融資が受けられる。
        その方が有利だ
     とのアドバイスを受けたのです。
     此の田吉氏のアドバイスを聞いて
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        確かにその方の金利が安い
     ということがわかり、
        出来ることなら その方法でやりたい
     ということにお願いしたのです。
     此の資金調達については、
        株式会社平和ホームズ
     でやってくれるということになり、
        同社の管理部部長の
             高沢正比古氏
        住宅事業部営業一課
          アドバイザー 我妻敏生氏
     が担当してくれることになり、まず
        平成二年三月一九日に
        住宅金融公庫と年金福祉事業団
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     への融資申込みをお願いしてやってもらいました
     しかしこれらの融資金の融資については
        中間検査
       と
        完成検査
     をうけなければならず
     これらの検査に合格すれば
        中間検査後と完成検査合格後の二回
       又は、
        中間検査と完成検査に合格後の一回
     のどちらかで融資が受けられるということで
        本契約の時の支払い条件と合致
        しないため、本契約に基づく
        代金支払いを充たすためには、
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        住宅金融公庫並びに年金福祉事業団
        から融資金が出るまでの間の
           つなぎ資金が必要になった
     のです。
     此のつなぎ資金として私は自分なりに
     先程の
        国民銀行富士見が丘支店
     に相談したところ
        土地の権利証を担保として
        若し返済出来なかった場合に
        銀行が権利を取得する書類を
        預けてくれれば融資する
     という内諾を得ていたのです。
     ところが此のつなぎ資金融資についても
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         高沢氏や我妻氏
     から、
        建築工事資金
       と
        つなぎ資金
     の関係について、
        表を見せられたうえ、
        融資借入金の支払利息額
       とか
        大工の人手不足で工期が延びる
        可能性
     などの説明を受けながら
        平和ホームズと日本信販と提携
        している
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        平和ホームズが融資を受ける人の
        連帯保証人になるので権利証は
        いらない。
        平和ホームズで日本信販の枠を
        ひろげたいので日本信販から
        つなぎの融資を受けてもらいたい
     という説明があったのです。
     これらの説明を受けて私は、
        それなら国民銀行より軽く融資が
        受けられるから 日本信販から
        つなぎ融資も受けることにしよう
     という気持になりこれらの手続をすべて
        平和ホームズの方にお願いすること
     にしたのです。
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     このように
        設計並びに資金調達のめどがたった
     ことから
        平成二年五月一六日付
     をもって、
        新築家屋の工事に関する本契約
     を締結したのです。
                    石田 克史 (印)
右のとおり録取して供述人に閲覧させたところ
誤りのないことを申し立てて署名押印した。
     前同日
          警視庁北沢警察署
          司法警察員警部補  馬越脇 貢 (印)
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