公訴・判決のデタラメを批判する

                                   平成10年3月5日公開
                                   平成10年3月11日二訂

                                    三 宅 喜 一 郎

 私には、時間がありません。そこで、公訴事実と三宅らが逮捕される前の物的証拠(検察官提出の供述
調書、捜査報告書等)の関係を示して、判決内容の批判に代えたいと思います。手続きの違法については、
私の、「上告趣意書」「異議申立書」をご覧下さい。

 この「事件」が冤罪かどうかを明らかにするのは、極めて単純であり、簡単なことです。
 普通の人間が普通の注意力を払って、検察官の主張に裏付け証拠があるかどうかをチェックすれば、極
めて簡単に明らかになります。
 まず、検察官の主張と、他ならぬ検察官提出の物的証拠(供述調書、捜査報告書等)について、3〜4
日程度かけて突き合わせをすれば、検察官の主張には決定的に裏付け証拠が不足している、ということが
簡単に判明します。いや、それだけではなく、この「事件」そのものがデッチ上げではないか、という疑
問すら抱くのではないか、と思います。
 次に、もしそれが真実であるならば検察官の主張は成立しないという事実があることを、被告・弁護側
が主張し、それを裏付ける物的証拠(書類)を提出していますので、それらを公平に検討すれば、さらに、
検察官の主張には大きな疑問符が付くはずです。たとえば、私は、元中小企業経営者として「会社ぐるみ
犯罪」の「共謀」を問われているのですが、「犯行」当時、経営の実権を握っていたクーデター派(「経
営委員会」派組織)とは別に社員を雇用し、別に資金口座を持って営業していた事実があります。この事
実は、検察側証人である鎌田常務でさえ公判で認めています。そうすると、検察官の描く「会社ぐるみ共
謀」のシナリオは崩壊しています。
 にもかかわらず、裁判官は、それらを無視し、判断を遺脱しています。
 こんなことでは、被告・弁護側が何を主張し、どんな証拠を提出しても全く意味がありません。国民の
裁判を受ける権利そのものが事実上奪われている、と思います。
 私は、この「事件」を体験して、司法関係者には、一つの事件の証拠調べに3〜4日もまとまった時間
をかけられない実情があることを知りました。しかし、だからといって、明らかに無実の者を、「忙しい」
を理由にして、証拠調べをせずに冤罪を着せて、「やむを得ない」ということでは済まされない、と思い
ます。


 以下に、起訴状記載の公訴事実と、検察官開示の物的証拠(三宅ら逮捕前の供述調書、捜査報告書等)
とを突き合わせた表を示します。

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      公 訴 事 実               三宅ら逮捕前の供述調書、捜査報告書等
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1、共謀の有無
「(被告人らは)共謀の上、云々」            該当証拠なし。(但し、逮捕後の「共犯者」
                              らの供述調書がある)

2、犯罪の動機
「会社の資金繰りに窮したことから、云々」       捜査報告書、経理課長小田恵美子の供述調書
                              これらは、「資金繰りに窮した」の証
                              拠になっていない。(ちなみに、会社
                              は不測の事故が発生して倒産した)


3、欺罔及び錯誤                   告訴人夫妻の供述調書
「『平和ホームズの日本信販の枠がいっばいになり、     緑字部分(『 』内の最初の長い一文)
新規の客の枠が取れないので、日本信販から受けて       は、二審では、検察官および裁判官が
いる融資を東芝総合ファイナンスに借り換えて欲し       その主張、認定を取り下げた部分。
い。日本信販への返済は当社経由で行うことになっ       契約書上も実態上も事実だから、取り
ているので、東芝議合ファィナンスからの借入金は       下げたものと思います。
当社のロ座に振り込んで下さい。その金であなたが     「直ちに返済します」と嘘を言った、とい
日本信販から借りた分は直ちに返済します。』など       う部分は、捜査官が告訴人夫妻の供述
と嘘を言い、同人をその旨誤信させ、云々」          調書をデッチ上げた疑いが濃厚です。
                              平成3年と4年の供述調書を比較して
                              みて下さい。


4、騙取                       告訴人夫妻、ノンバンク社員、経理課長小田
(顧客が、二回目のつなぎ融資金を平和ホームズに       の供述調書(及び捜査報告書)
送金したことは、「平和ホームズが騙取した」に当     住宅建築業の場合の公的融資金実行の実態
たるのか、あるいは、「顧客が日本信販の指定した       とつなぎ融資を取り組む各ノンバンク
方法による返済をした」に当たるのか)            の営業姿勢の違いを前提にした上で、
                           日本信販、平和ホームズ、顧客3者間の契約
                              内容、及び、日本信販社員の供述内容
                              を見ると、騙取ではなく返済に当たる
                              ることは明らかだ、と思います。

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