最  高  裁  決  定

(注1)以下は、最高裁(裁判長福田博)決定です。但し、縦書きを横書きに直してい
   ます。−−−は、頁の変わり目、右端の数字は頁数です。
   各頁の行数、一行の文字数は原本と同じです。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
平成八年(あ)第一三六二号
       決    定
  本籍 東京都世田谷区松原三丁目八一〇番地
  住居 横浜市青葉区荏田北三丁目七番一五号
            会社員
                三 宅  喜 一 郎
                  昭和一四年七月一五日生
 右の者に対する詐欺被告事件について、平成八年一一月二〇日東京高等畿判所が
言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立てがあったので、当裁判所は、次の
とおり決定する。
       主    文
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1−
   本件上告を棄却する,
       理    由
 弁護人橋本佳子外二名の上告趣意のうち、高裁判例を引用して判例違反をいう点
は、所論引用の高裁判例は本件とは事案を異にし適切でなく、その余の判例違反を
いう点は、判例を具体的に摘示しておらず、その余は、違憲をいう点を含め、実質
は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、違憲をいう
点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇
五条の上告理由に当たらない(なお、所諭にかんがみ記録を調査すると、被告人の
経営していた株式会社平和ホームズには信販会社に代わって顧客からつなぎ融資金
の弁済を受領する権限がないと認められるから、本件について詐欺罪の成立するこ
とは明らかであり、かつ、被告人と共犯者らとの間に共謀が成立していたことも認
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2−
められるから、被告人について詐欺罪の共謀共同正犯が成立するとした原判断はこ
れを是認することができる。)。
 よって、同法四一四条、三八六条一項三号によリ、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり決定する。
  平成一〇年三月二日
    最高裁判所第二小法廷
        裁判長裁判官   福  田      博
           裁判官   大  西   勝  也
           裁判官   根  岸   重  治
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3−
           裁判官   河  合   伸  一




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−4−

右は謄本である。
   平成拾年弐月弐拾参日
     最高裁判所第二小法廷
       裁判所書記官  吉田信雄 (印)


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

最初のページに戻る。