弁護人上告趣意書「第一 五、まとめ」
        −−−「事件の概要」に代えて(その1)−−−


第一 本件事件における誤判の構造と原因
 五 まとめ
   本件冤罪事件は、前述したように捜査段階でのデッチあげ及び幾重もの予断等
  や審理拒否による裁判所の態度により生まれたものである。しかし一方で、前述
  したように弁護人の事実把握の遅れ等が、第一審結審時までに@特に「貴社指定
  口座」の記入により詐欺罪が成立しないこと、A「つなぎ融資」が実質的に会社
  の借入れであったこと、Bそのために担当者が顧客に対して「直ちに返済する」
  という欺罔行為はなかったことに関する証拠申請が遅れ、本件の犯罪の成否にか
  かわる事実についての審理がなされないという重大な結果をもたらしてしまった。
  弁護人としては、この事態を重く受けとめ、控訴審において右事実に対する十分
  な審理を求めるべく、控訴趣意書において右事実を詳細に指摘し、控訴審に臨ん
  だ。しかし、原審はこれを一切無視して、即結審したものである。
   本件の冤罪の構造は、以上のとおりであり、捜査機関、裁判所さらには弁護人
  も含めた司法全体のあり方が問われる事件である。



会社倒産に至る経緯


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