フォトレタッチソフトでつくる  ばーちゃるばるーん

step 7
重ね合わせの作業に入ります。球面フィルタを掛けたイラストのあるウィンドウをアクティブにして、Ctrl+A、Ctrl+Cで全選択・コピーします。次に風船の写真のウィンドウをアクティブにして、Ctrl+Vで貼り付けます。でもこのままでは絵と写真のバランスが取れず、いかにも合成写真ですよ、と言った感じになってしまいます。

step 8
絵の不透明度を下げてみます。ここでは50%にしてみました。だいぶ良い感じが出てきました。しかし色合いが不自然です。太陽柄の場合、一般にリボンと目は青、鼻・頬・口は赤、目の部分は白です。
(余談ですが木版の時代に3色刷りというのは凄いと思います)。


不透明度を下げてみる


不透明度50%の状態


step 9
青い部分の色調を補正します。リボンと目の部分を選択ツールで選択し、次いでCtrl+U色相・彩度を選択します。


step 10
色相・彩度のダイヤログが開いたら、編集のところに青色系を選び、色相スライダを動かしながら色調を調整します。今回の場合 -25程度が良さそうです。

同じ要領で、鼻から下の赤い部分も色調を調整します。今回の場合、色相はそのまま、明度を +30 くらいが良く合います。


step 11
色相を変えてみたところ。かなり雰囲気が出てきました。しかし不透明度を下げてあるため、目の部分が黄ばんでいます。この部分を一工夫してみましょう。先程の下絵を再び用意します。



step 12
自動選択ツールを選び、選択する色の範囲を8程度にします。続いて下絵の目の部分をクリックして白い部分を選択します。さらにシフトキーを押しながらもう片方の目も同じようにクリック、両目とも白い部分が選択された状態で、Ctrl+Cを押してクリップボードへコピーします。

step 13
上記でコピーした目を写真にペーストし、位置を微調整して目の部分にはめ込みます。
しかしこれでは白すぎておかしな感じです。

step 14
そこで目の部分の明度を落とします。Ctrl+Lレベル補正を開き、出力レベルの明るい側を少し下げてみます。230〜240程度が良いでしょう。

step 15
これで目の部分も自然な感じになりました。目の部分は別のレイヤーになっているので、下にあるレイヤーと結合しておきましょう。目の部分のレイヤーを選択し、下のレイヤーと結合を選びます。


step 16
これで一応完成です。でもこの状態ではシルク印刷したかのようなきれいな仕上がりです。本物の2寸6分太陽は木版で刷られています。ここは木版のように少し擦れた感じが欲しいので、ノイズを加えてみましょう。フィルタからノイズを加えるを選び、ノイズの量を選びます。30〜40程度が良いかと思います。白黒のノイズの方がいい感じなので、グレースケールノイズもチェックしておきます。





step 17
ノイズを入れるとこんな感じになります。木版刷りらしくなりました。"24インチ太陽" の完成です。

step 18
完成したら早速保存しましょう。このままファイル - 保存コマンドを選んでPhotoshop形式で保存しても構わないのですが、サイズが大きい上に他のアプリでは使えないので、広く普及している画像フォーマットであるJPEGでの保存がおすすめです。ただ、レイヤーを使った画像はそのままではJPEGで保存できないので、レイヤーパレットの左記の部分をクリックして画像を統合します。

step 19
レイヤーを統合した画像を保存します。ファイル - 保存を選び、ファイル名を入力して、ファイル形式にJPEG (*.JPG, *.JPE)選んでOKをクリックします。
JPEGの欠点は画質の劣化が起こることです。そこでJPEGオプションダイアログが出たら、画質のスライダーをファイル (大)方向へ一杯に動かして、できる限り画質の劣化を抑えるようにしましょう。しかし画質「8」程度でも十分な画質で保存できます。
また、ディスク容量に余裕があるなら、ファイル形式にTIFFを選んで、LZW圧縮する方法もあります。圧縮率はJPEGに敵いませんが、画質が劣化することなく圧縮保存できます。



以上、仮想的な風船の写真の作り方を簡単な手順で紹介してきました。今回は絵を使いましたが、これは文字や写真でも可能なので、ぜひチャレンジしてみてください。友達やお子さんの写真をプリントしてみる、なんていうのも面白いかも知れませんね。最近はパソコンの画像からカラープリントに焼けるサービスもあるので、存在しない風船の写真を本当に作り出してしまうことも可能です。

さて、Photoshopはプロ向けの実に奥の深いフォトレタッチソフトであり、筆者もフルに使いこなしていないというのが本音です。また非常に高価なアプリなので、個人で趣味で使っている方は少ないのではないでしょうか。しかし基本的な操作はほとんどのフォトレッタチソフトに共通するかと思います。

あなたも自分だけの仮想的なオリジナルプリント風船を作ってみてはいかがですか。