岐阜市内線564号車

風光明媚な三重県南勢町・五ケ所浦に安置

564の写真

レールも敷かれて、その上に安置してある564号

岐阜市内線には、1988年の徹明町〜長良北町廃止まで560形という電車が主に忠節方面行きに使われていたのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。昭和30年代に流行した、バスのように中央に大きな扉がある電車です。こういう形を中出式というらしいのですが、現在の780形と同じような構造です。
560形は北陸鉄道・金沢市内線の廃止時に550形と一緒に岐阜にやってきたもので、長良北町へも入線可能ではありましたが、ほとんど忠節方面で使用されていました。車軸毎に小出力のモータを分散して装備するという特徴ある構造のため保守が面倒だったためか、先輩の550系より先に淘汰されてしまいました。
564号は560形の中でもこれだけ銀色のマスコンが装備されているのが目を引く、おそらく560形の中でも一番状態の良かった車両だった印象があります。

この564号の亡骸は現在、風光明媚な三重県南部の漁村の児童公園で遊具として使用されています。以前は窓ガラスもあったのですが、現在はガラスはなく、シートも板に改装されていますが、まだつり革や「市内線回数券」の広告も残されています。一応、定期的に塗装はされているようですが、海沿いのこともあり車体の腐食はかなり進んでいるようです。 系統板には「ふれあい号未来行」と書かれています。岐阜未来博の時に廃止になったのでその関係でしょうか。

どうのような関係で鉄道とはあまり縁のなさそうな五ケ所浦に岐阜の電車が置かれるようになったかは知らないのですが、南勢町の中心部・国道260号線沿いの目立つ場所にあるのですぐ見つけることが出来ました。

車内の様子。ちょっと荒れ気味。


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