むかし、あるところに猟のじょうずな平さんいう人がおったそうな。 ある日、山へ猟に行って、初め鴨をうったそうな。すると鴨にあたって、つき抜けた弾(たま)がうしろにおった兎にあたったんじゃてえ。 たまの勢いが弱うなっとったもんじゃけえ、兎はすぐに死なずに池のはたへ来て、「があがあがあがあ」もがいて、死にものぐるいでもがいておったら土が掘られて、そこから山芋が出てきたそうな。 掘られて流れた土が、池の水をせき止めてそこに魚が閉じこめられてしもうたんじゃ。平さんは、「鴨」と「兎」と「山芋」と「魚」を手に入れて喜んどったら、鉄砲を撃つ台にしておった岩は実は、おおきな「シイタケ」じゃって、これも手に入れて家に帰ったということです。 (話者 岡山県川上村苗代 池田房治) |
このお話の感想を教えてください。 |