教科「公民」学習支援手順案(学習指導案)

(模擬)実習生担当教員 准教授  古賀 徹 先生

(模擬)学習支援者   学 生  田中 優

 

1.日時 2007年(平成19年)1122日 木曜日

2時限 社会科・公民科教育法U

   「午前1040分 から 午後010分 」までの20分間

 

2.場所 日本大学 通信教育部 1号館 402講義室(講堂)

 

3.学級 社会科・公民科教育法U 受講者のみなさん + 古賀 徹 先生

 

4.単元 西洋哲学後期

 

5.単元の目標

 人間や社会の在り方の急激な変化による近代的な理性への問い直しとして、実存哲学、フランクフルト学派、構造主義など現代思想の人間観への理解をうながす。

(東京書籍によるものを一部改変)

 

6.単元内の進行計画

   ・ニーチェ

   ・マルクス

   ・ハーバマス(この時間)

 

7.学習者の実態

     学習者は、きわめて熱心であり、それぞれが教育実習に向けて、もしくは、教育実習後おけるスキルアップを目指している。学習支援者に対しては、好感的な対応を示すものの、学習支援者は、それに甘んじてはならない。

     (なお、いつも質問をしてうるさい田中 優は、校長の講話に対してまで質問をして、度が過ぎるとして、現在、謹慎中である。このため、安心して倫理の時間を展開することができると考える。)

 

8.この時間の目標

     模擬の時間として初めて、存命の人物を扱う。そのため、思想そのものが、時間を追うごとに変遷し発展していくものであることが理解できるように努める。また、思想のまとめの時間として、これまでの思想を踏まえて、現在に生きる私たち自身が思索していくことの重要性が十分に認識できるようにする。

9.この時間の展開―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

順序

小区分

学習内容

学習支援の内容

学習者の活動

留意点

相互評価点

導入(5分)

総合的な復習

思想の流れをつかむ

 

ギリシア哲学から近現代に向かう歴史的流れを解説する。

 

近現代にいたる過程を復習する。

 

知識だけではなく、歴史の流れとして近現代との関係を認識してもらえるように心がける。

本時の内容の紹介

フランクフルト学派

 

近代的理性の否定

+→ 1実存哲学

+→ 2フランクフルト学派

(ドイツの思想)

 

 

 

 

第二次世界大戦期であったことを理解する。

 

フランクフルト学派は、ドイツで形成された学派であることを理解する。

 

 

 

実存哲学については、先週に立野先生が行ったことを説明する。

展開(8分)

フランクフルト学派 第一世代

ホルクハイマー

アドルノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道具的理性

 

 

フランクフルト学派第一世代

 

マルクス主義

 +

批判主義

 

 

 

ナチスの蛮行の現実化が具体例

 

 

ナチスの迫害によりホルクハイマーとアドルノは、一時アメリカ合衆国に亡命していたことを説明する。

 

 

 

道具的理性は、自然の支配の手段である理性。

 

 

誤解を防ぐため「マルクス=革命」でないことを説明する。

 

マルクス主義については、さっきの先生が行ったことを注解。

 

めずらしく、非近代化の考え方であることを分かってもらう。

フランクフルト第二世代のハーバマス

ハーバマス

 

まだ存命

 

第二次世界大戦

経験者

 

ホルクスハイマーにより一時排除される

 

存命であること知り、新しい思想であることを理解する。

(満78歳)

 

←しかし当時、アドルノの助手(助教?)ではあった。

 

1929年(昭和4年)

618日に出生。

 

略歴

 ヒットラー下

  ↓

 ギムナジウム

  ↓

 ボン大学で博士

コミュニケーション

 

道具的理性

(道具的合理性)

 ↑

 ↓

対話的理性

(コミュニケーション的合理性)

 

解放

 

対話的理性とは、「合意」に達しようとする理性。

 

・内的自然の抑圧

・ゆがめられた人間関係

 ↓

解放

 

時間があれば「公共性」「公共圏」の用語について解説し、訳出の違いについて考察し、言語の壁に理解してもらえるようにする。

まとめ(7分)

ハーバマス

ハーバマスのまとめ

構造主義

 

 

 

コミュニケーション

 ↑

 ↓

システム(構造)

 

 

システムの説明を行い、現代に存在する多様な「○○システム」について考える。

 

なぜ、ハーバマスを取り上げたか?

 

「コミュニケーション的行為(承認と了解)」であることを説明。

 

時間があったらsolar system

思想全体のまとめ

思想全体のまとめ

 

 

 

 

質疑応答

 

日本大学校歌を流す。

(または歌う。)

歌詞を若干解説する。

 

作詞者の意図をヒントに今後の学校生活(大学生活)について改めて考える。

 

偏りが生じないように気をつける。


 

この時間の板書案―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

倫理 20071122日 木曜日

 

第4章 現代を生きる人間の倫理

C 新たな人間像の模索

 

3−フランクフルト学派

(ハーバマスを中心に)

 

(教科書 page 162

 

哲学史

 古代哲学・・ソクラテス など

  ↓

 中世哲学・・キリスト教 など

  ↓

 近代哲学・・ニーチェ、ハイデッガー、マルクス など

  ↓

 現代哲学・・ハーバマス など

 

近代的理性の否定

 → 実存哲学 ハイデッガーなど

 → フランクフルト学派

 

フランクフルト学派第一世代

 人物:ホルクハイマー

    アドルノ

 

 マルクス主義

  +

 批判主義

 

 道具的理性 → ナチスの蛮行

 


 

ハーバマス

(フランクフルト学派第二世代)

 存命(満78歳)

 

 道具的理性

(道具的合理性)

  ↑

  ↓

 対話的理性

(コミュニケーション的合理性)

 

 「公共性」と「公共圏」

 

コミュケーション

  ↑

  ↓

 システム

 

Solar System とは?

 

思索へ向かって

 

正義と自由の 旗標のもとに

集まる学徒の 使命は重し

 

以上、板書案 完

学習者用資料―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

日本大学校歌(1番) 日に日に新たに 文化の華の

さかゆく世界の 曠野(こうや)の上に

朝日と輝く 国の名負いて

毅然と立ちたる 大学日本

正義と自由の 旗標(きひょう)のもとに

集まる学徒の 使命は重し

いざ讃えん 大学日本

いざ歌わん われらが理想

10.本時の評価―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

観点

東京書籍によるものを改変

この時間における観点別の評価点

関心・意欲・態度

・人間尊重の精神と自己形成について関心を高められ、人格の形成の確立に努める実践的意欲を持つ。

・倫理的な諸課題についての探究的な態度を身に付け、人間としての在り方生き方への自覚が深められる。

・ハーバマスなどを通じて、現代社会における他者に対する自己の接し方に対して、実践的意欲をもつ。

・現代社会の諸課題について、ハーバマスの考え方を参考にして、日常への自覚が深められる。

思考・判断

・自己の確立について広く課題を発見し、人間の存在や価値などについて多面的・多角的に探求しようとする。

・良識ある公民としての広い視野に立つことで、主体的かつ公正な判断ができるようになる。

・ハーバマスなどを通じて、様々な課題があることが分かり、社会問題などについて、考えてみようと思える。

・広い視野に立って、ハーバマスなどの考え方について、主体的かつ公正な判断ができるようになる。

資料活用の技能表現

・自己形成や人間としての在り方生き方に関して様々な資料を収集・整理することで、情報を主体的に選択する。

・諸資料を自己形成のために主体的に活用し、追求した内容などを様々な方法で適切に表現できる。

・ハーバマスなどを通じて、今後、様々な資料を収集・整理し、情報を主体的に選択したいと思う。

・ハーバマスなどについての諸資料を活用し、追求した内容などをまとめてみようと思う。

知識・理解

青年期における自己形成や人間としての在り方生き方など関した基本的な事柄を自己の確立の課題として理解する。

さらに、自己の人格の形成のために生かす知識を身に付ける。

・ハーバマスなどを通じて、教員をめざす自己の在り方生き方などに関した事柄を自己の課題として理解する。

・さらに、自己の人格形成に生かすハーバマスなどに関する知識を身につける。

 

特に重要な点

  存命、没後であることにかかわらず、人間は、常に思索を行っていることが分かる。

  今後も思想が発展していき、それが「時代の流れ」とともに進行することが分かる。

  何のために過去の思想を学び、どうやったら自己に生かせるか考えられる。

 

文書情報――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

同一の文書は、以下のURLに置いてあります。

 http://www2j.biglobe.ne.jp/~yubon/nu/

 

[公有著作物]    私、田中 優は、多くの学習者のために、本文書における知的財産権(広義の著作権を

含む)を法に基づいて放棄します。

[Public Domain] I, Yu TANAKA, renounce the intellectual property right (contain extensive interpretation of copyright) of this document under law for many learners.


 

()(なか) (ユウ) の 評価表

この欄は任意記入です。一部または全部を記載するかしないかは、各人の自由です。

性別(    )、年齢(     )、職業(          )、居住地(         都道府県)

修了歴(小・中・高・専門・高専・短大・学部・修士・博士)、 教免所持の有無(有・無)

 

日大通信(     )学部(     )学科(     )専攻、 第(   )学年・在籍(   )年目(←編入学生はその年から)

好きな学問の細分野(                            学・論・説)

 

読み仮名(                                    )

氏名   (                                   )

[左右の評定]                                    [教員適正]

左 左+5 +4 +3 +2 +1 左右±0 +1 +2+3 +4 +5 右           悪 12345678910

[変人(個性)の方向性]                                [人間性(根幹的部分)]

悪 12345678910 良                       悪 12345678910

10段階評定をお願いします(良が10、悪が1)↓

    

今回の授業における相互評価の観点

評定

関心・意欲・態度

・ハーバマスなどを通じて、現代社会における他者に対する自己の接し方に対して、実践的意欲をもつ。

・現代社会の諸課題について、ハーバマスの考え方を参考にして、日常への自覚が深められる。

 

思考・判断

・ハーバマスなどを通じて、様々な課題があることが分かり、社会問題などについて、考えてみようと思える。

・広い視野に立って、ハーバマスなどの考え方について、主体的かつ公正な判断ができるようになる。

 

資料活用の技能・表現

・ハーバマスなどを通じて、今後、様々な資料を収集・整理し、情報を主体的に選択したいと思う。

・ハーバマスなどについての諸資料を活用し、追求した内容などをまとめてみようと思う。

 

知識・理解

・ハーバマスなどを通じて、教員をめざす自己の在り方生き方などに関した事柄を自己の課題として理解する。

・さらに、自己の人格形成に生かすハーバマスなどに関する知識を身につける。

 

 

[総合評価]

悪 12345678910 良

 

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