61才のパソコン製
1997.10

これは初めてパソコンを自作したときの記録である。
熟年が自作パソコンにチャレンジすることは今ではそれほど珍しいことではないが
当時は多くの人から物珍しがられた記憶がある。


1.プロローグ:

ふとしたことからパソコンを自作しようかと思い立った。
いま所有のパソコン IBM Aptivaはそれなりの機能を有しているがどうも最近メモリが不足気味で
動作にも不安定さが目立つようになってきた。
機能アップを考えたいのだがどうしてもIBM固有の仕組みがあって限界がありそう。
といってもう一台買っても結果は大差ないだろう。
メーカーの完成品はすべてプレインストールされており安心はできるもののいらないソフトまでついており、
これがじゃまになってくる。
ということでこの際自分で作るかと考えた次第。
自作しておけば将来の機能改善も自分で出来そうだし、第一パソコンを覚える絶好のチャンスというわけ。
しかし作れる自信ありや?いままで完成品をあてがわれて何の疑問もなく使ってきたが自作となると話がまるで違う。
部品の知識も詳しいわけでない。どういった基準でパーツを選ぶのかから勉強しないといけない。
61才の熟年者で本当に作れるのか。何かトラブッたらどうしたらよいのか。
などなど不安要素もいっぱいある。というわけでとにかくパソコンを作ると言うことはどういうことかまず情報集めることから開始した次第。
以下パソコン組立のプロセスである。
全くの趣味の領域でありこれに当てた時間は帰宅後の夜の時間と週末の一部であった。



2.情報の収集と仕様の決定:

 パソコン通信のフォーラム:

NiftyのフォーラムにPCUDIYというのがある。自作する人たちのフォーラムである。
まずそこへ入会してしばらく色々な会議室をROMしてみることにした。
しかしいざROMをしてみてみたもののそこで議論している人はほとんど若者であり、しかもかなり詳しい人が情報を交換している感じ。
専門用語やメーカーの部品型番などがかっとんでおり最初はなかなか理解が出来ない。
最初は初心者の会議室を参考にするとよい。
発言数の多い会議室は次の順序であり問題点の存在量に比例するものと考えられる。

*PC-DIY初心者の方の総合相談室
*マザーボード/メモリー/CPU相談室
*Disk他/インターフェイス相談室
*Video/Sound/LAN相談室
*ケース/電源/etc相談室

インターネット:

更に多くの情報が得られるのがインターネットのホームページである。
秋葉原のパーツ屋のホームページからのリンクでメーカー情報、自作してる個人情報、
最新の価格情報など最新情報はインターネットから得るのがよい。
今回参考にしたホームページ:
http://www.flipflap.com
http://www.trisal.co.jp/




仕様の作成:

色々情報を得ながら製作するコンピュータの構成部品の仕様を固めた。
勿論部品の価格情報も参考にしながらである。
しかしもっとも参考にしたのはフォーラムやホームページから得た成功体験である。
CPUとマザーボード、電源と筐体などの組み合わせは大変参考になった。
CPUはコストパフォーマンスからAMDのK6(200MHz)を使うことにした。
マザーボードは評価の高い実績のあるものを選ぶこととし台湾製のATXとした。
筐体も比較的評判の良いAQ700としよう。頑強で横板がはずせるので手入れがしやすそうだ。これも台湾製だ。
RAMはSIMMで64Mとしよう。 HDDは4G位は欲しい。FDDは2modeでよい。
これでだいたいの主要部品は決まった。さあいよいよ買い出しだ。



3.部品買いだしと組立:

購入予定部品リストを手に秋葉原へ。
数件のパーツショップを覗き在庫状況と価格情報を得る。
できることなら一軒でまとめて買うのが手が省けてよいが希望の品が切れていたり値段が高かったりで結局3軒から仕入れた。
主要仕入れパーツと購入価格は次の通り。
筐体: TQ700 \17,800 CPU: AMDK6-200 \26,300
M/B: ASUS TX97-EX/512/WOA \20,800
RAM: SIMM 32x2MB \22,800
Video: Matrox MGA-MY220P/BIZ4F \19,800
Sound:Creative AWE64IP/DV \16,800
HDD: Western Digital WD34000 \33,800
CD-ROM: 24倍速(バルク品) DR-501S \12,800
その他FDD,FAN などの小物類 結局両手に持ちきれないほどの荷物となる。
タクシーに乗っての荷物運びは 6,000円。こういう出費も組立原価へ算入されることを知っておく必要あり。

組立:部品は揃った。さあ組立だ。
週末の土曜日組立開始は午後1時半。先ずは買ってきた部品の開梱。
部品を箱から出してあらためて姿を眺める。やはりマザーボードは貫禄ものだ。
どこから手を着けるか。先ずはマザーボードへのRAMの取り付け。CPUの取り付け。そして各種ジャンパースイッチの設定。
付属のマニュアルを見ながらの作業だがここで驚いたのは付いてきた日本語のマニュアルの貧弱さ。
さっぱり要領得ず。結局英文マニュアルを見ながらの作業となった次第。
とにかく終わった作業はマーカーペンで印しを付け一つ一つ確認しながらの作業。
組上がったM/Bを筐体へ取り付ける。そして各種ボードの取り付け、筐体への HDD, フロッピーディスク、
CD-ROM等の取り付け、そしてM/Bへの繋ぎ込み。
電源配線の接続。さして難しくはないが間違いない接続になってるかが心配。
やはり初めてのため力加減が解らない。このあたりはじっくりやることが大切と心を落ちつかせる。

立ち上げ:

一応組みあがったところでいったん休憩。夕食もとってさあいよいよ立ち上げにかかる。
まずは電源、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを接続。さてと電源スイッチを入れる。
あーれ電源が入らない。あわてず早速電源回路の接続をチェック。
案の定筐体の電源スイッチからのM/Bへの接続が間違ってた。注意したつもりでもやはり間違いがあった。
再度電源を入れる。電源ランプがついた。ピっというCPUの作動確認音がした。
ディスプレイにBIOSの確認文字が走った。やったー!立ち上がったぞ。
興奮の一瞬である。
ここまでくると一安心。じっくりBIOSの内容を確かめながら必要な設定を行う.
HDDのパーティション作りも久々にやる仕事。
すっかりやり方を忘れておりやおら本棚からDOS-Vの本を持ち出しての作業と相成った。
Windowが走り、MS-OFFICEが積み込まれ動き出したのが午後11時半。
良かった!、その日のうちに終わってというのが率直な気持ち。
さくさくと気持ちよく動く様にいままで使ってきたマシンがえらく旧時代品に見てくるから不思議なもの。
やれやれこれで一段落とということでベッドへ入った次第。



4.組立の反省と雑感:

PCの自作は本当にコスト的に見合うのかとよく聞かれる。
多分それほど安くないはず。
特に何かトラブルが起きたらそれに費やされる時間と経費は多少の安い部品などの比ではない。
従って初めての組立に当たっては十分実績のある部品とその組み合わせを選ぶことが大切。
しかし決して専門メーカーに対抗して安く作ろうとしてるわけではない。
あくまで趣味の延長である。趣味とはある場合金がかかるもの。しかしこの趣味は実益がある。
また組立には一切特殊な工具はいらない。ドライバーとラジオペンチ位でよい。
しかし作業は結構細かい。
我々熟年にとって細かいものを見ながらの作業はやはり大変。眼鏡を取ったりつけたりの作業となる。
何かの雑誌に書いてあったが拡大鏡と懐中電灯があるとよい。基盤の文字はこれがあると読みやすい。
組立が終わって気がついたら指先のあちこちに小さな傷が出来てる。
どうやら筐体の組立時に出来たものらしい。あちこちにバリがあり板金の仕上げの悪さに気がついた。
昔子供の頃ラジオ少年の一人でよく部品の買い出しに行った秋葉原にこの年になって
コンピュータの部品集めに行くことになろうとは全く予期しなかったことだ。
しかしあれこれ店を回って少しでも安く買おうとする様は、昔ラジオ部品を買う時の気持ちと全く一緒である。
ものを作る喜びはいくつになっても興奮させることだとつくづく感じた次第。
しかし出来上がったコンピュータは世界に1台の我がスペックのコンピュータである。
昔のラジオの組立の興奮を越えた新しい興奮を感じた。
このかわいい新しい我が子にDIAMOND-200という名前を付けた。
DIAMONDは私のパーソナル無線とネットワーク上のハンドルネームである。
その後空いてるバスを利用してモデム(56KB)カードとPCカードアダプターを追加した。
こうやって使用目的に合わせて色々いじくれるのも自家製のメリットということと思う。
それにつけても今回1ヶ月色々情報を集めたが改めてインターネットとパソ通のフォーラムの威力を知らされた。
そこには実に生々しい情報が常にあり疑問点が極めて短期間に解決できる。
今回のパソコン製作もこれらの情報源がなかったらまず不可能だったろうと思う。
感じた自作機成功のポイントを整理すると:
1。部品選定は多少の価格差より実績のある相性のよい物を選ぶ。
2。フォーラムやインターネットを利用して最新情報を得る。特に成功例を得る。
3。誰か近くに経験者がいると何かと便利。
4。せっかく自作するなら自分の使用目的にあった仕様で。
5。組立はあわてず一つ一つ確認しながら作業を進める。
6。ネジセットを買っておくと便利。(バルク製品にネジがついて来なくて不便した。)


後日談

それから2年経ってらからパソコンの性能も著しく向上しました。
この7月(1999年7月)2台目を自作しました。
今我が家では自作機が2台並んでいます。
多分世界にこれと同じスペックの機械はないだろうとおもいます。
2代目のマシンの名前はDIAMOND-450としました。

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