30回目の韓国旅行は雨続き(2007年8月12日〜8月16日)・2日目
                  

8月13日(月)

今日はKTXで釜山へ行く予定である。
朝のテレビニュースを見るが、ソウルも釜山も今日もぐずついた天気のようだ。
さっさと仕度を済ませて新大元旅館を出る。
外は小雨、蒸し暑い。
ソウル駅の窓口で釜山までのKTXチケットを買った。
朝ごはんはソウル駅構内のフードコートで済ませる。
ここにくればたいていの韓国料理が食べられる。
私はチョングッチャンチゲ(納豆チゲ)を頼んだ。5000Wと高めだ。
日本の納豆よりも粘り気は少ないが独特の発酵の香りと豆の味、旨みが強くてとてもおいしい。

※ソウル駅構内のフードコートにて。チョングッチャンチゲ(納豆チゲ)

釜山までKTX利用だと約2時間55分、速いものだ。
ゆったりと車内で過ごしたいので特室(グリーン車)にした。
61700Wだった。なんだかKTXに乗るたびに高くなっているような気がする。
しかしながら特室のシートは大きいし車内も静か、ミネラルウォーターやバターワッフルは無料サービスだ。
各種新聞も読める。
釜山までの2時間55分は本当にあっという間だ。
これでは飛行機よりKTXを使ったほうが楽に思える。
  
※釜山行きKTX。特室は広々として居心地が良い。

KTXの車内アナウンス、以前は中国語や日本語があったのだがなくなってしまったようだ。
釜山も雨だ。ツイていない。
が、釜山の見慣れた風景を久しぶりに目にしてほっとする。

※釜山駅。ここもやっぱり天気が悪い。

とりあえず地下鉄でチャガルチ市場まで行く。
このあたりに泊まれば繁華街なのでとりあえず不自由はしない。
どの旅館に泊まろうか、あちこち見ながら品定め?するこの時間が好きである。
結局、チャガルチ駅から市場へ向かう途中、裏通りにあるヘリム荘モーテルに決めた。
受付へ行くとおばあさんが出てきた。
 
※チャガルチ市場そばのヘリム荘モーテル。親切なおばあさんがいる。
 
今日の部屋もあるという。30000Wだそうだ。
さて、時間はお昼過ぎ、お腹がすいている。
モーテルのおばあさんに、近所に釜山名物のデジクッパを食べさせる店がないかどうか聞いてみた。
そうしたら、近所にあるので今から連れて行ってくれるという。
部屋に荷物を置き、おばあさんに連れて行ってもらった。
本当にすぐ近所だった(^^;)。
おばあさんは食堂のアジュンマに日本から来たお客さんだからよくしてやってくれと話している。
親切なおばあさんだ。
さて、楽しみにしていた釜山名物のデジクッパを久しぶりに食べる。
やはりデジクッパはスープがおいしい。
一緒に出てくるアミの塩辛や味噌、ヤンニョム、ニラのキムチなど入れてクッパの味を調えるのだが全部、店のアジュンマが丁寧にやってくれる。
おばあさんのおかげだ(笑)
豚肉もたっぷりと入っている。
これで4500Wだった。
  
※モーテルのおばあさんが連れて行ってくれたデジクッパの食堂。おいしかった〜。

お腹が満足したところで釜山訪問の目的である、甘川2洞のタルトンネへ向かう。
ここは、『韓国・下町人情紀行』(鄭銀淑著)に紹介されており、是非一度訪れて見たいと思っていたのだった。
場所は地下鉄チャガルチ駅の次、土城洞駅で降りて徒歩20〜30分くらいだっただろうか。
本の中ではこの駅からタクシー利用と書かれていた。
が、実際にYahoo Koreaの地図で調べてみるとなんとか徒歩で行けそうだったので徒歩にしたのだ。
また、丘の上に位置するタルトンネは息を切らしながらゆっくりと歩いてこそ、その雰囲気を味わえる、そんなことを考えていたのだった。
プリントしてきた詳細地図をよく見ると、甘川小学校のあたりが一番の高台になっていてここからタルトンネがよく見えそうだと思ったのだがはたしてその通りであった。
しかし、小雨降る夏の蒸し暑い中、駅からここまで徒歩でたどり着くのは至難の業?だ。
箱根湯本あたりから急な旧街道をずっと登っている、そんな感じであった。
    
※甘川2洞のタルトンネへの道。息を切らせながらゆっくりと登っていく。見た目以上に急坂。

甘川小学校あたりまでは大きなバス通りがあるのだがうねうねしたかなりの急坂、どの車もバスもエンジンをうならせながら坂を登っていく。
甘川小学校付近から大規模なタルトンネを見た時は思わず息を呑んだ。

※タルトンネからは向こうに海が見える。釜山ならではの風景。

明るい色とりどりの家々、そしてあまりに大きな規模。
しばらくはその場を動けず、ちょっと大げさだが初めて見る印象深い風景にただ感銘を受けるばかりであった。
  
※甘川2洞のタルトンネ。大規模で色とりどりの家々。この光景は忘れられない。

実際にタルトンネの集落の中に入ってみると迷路のようだ。
不規則で急な階段、人一人がやっと通れるくらいの細い路地、急坂。
それらが網の目のように縦横無尽に入り組んでおり、すぐに迷子になってしまう。
  
※タルトンネの中はこんな細い路地がほとんど。いろいろな生活の音が聞こえてくる。

歩いていると台所で洗い物をしている音、テレビの音、歌、子供の泣き声、いろんな生活の音が聞こえてくる。
しかし、タルトンネの立地上、ここに長く住むのは本当に大変だと思う。
が、逆に開発されて整然としたマンションに住むか、あるいは住み慣れた所を追い出されて見知らぬ街に住むのが良いのか、これは複雑で考え込んでしまう。
  
※転げ落ちそうな階段。                ※甘川2洞の碑?

観光旅行だけではなかなか見えてこない、そんな韓国の姿をはっきりと見たような気がした。
さて、また土城洞駅へ戻らなければならない。
が、急坂をあちこち歩き回ったせいで足首は疲れているし歩きたくない。
ちょうど釜山駅方面へ行く市内バスの発着所を見つけた。
甘川の発着所のようだ。

※甘川の市内バス発着所にて。釜山駅方面行き市内バス。

これ幸いとすぐにバスに飛び乗る。
釜山で通用する交通カード(ハナロカード)を持っているので小銭の面倒はない。
やはりバスはクーラーが効いていて涼しい。
生き返る気分だった。
このまま釜山駅前まで行き、次に地下鉄で釜山鎮市場へ向かった。
まあ楽しめたもののここは衣類中心の市場ですぐに飽きてしまう。

※釜山鎮市場。

続いてヘウンデへ行く。
シーズン中の海水浴場の様子を見たかったからである。
地下鉄を乗り換えていくのでヘウンデまではちょっと時間がかかる。
一度行ったことがあるので駅前からの道は覚えている。
ビーチはすごい人出だ。
ビーチ一面に商売用のパラソルがズラッと立っていてそれはすごい光景だ。
  
※ヘウンデのビーチ。ビーチにはパラソルがいっぱい。

韓国のビーチは海の家がない代わりにこうしてパラソルを立てて利用者に対して商売をしているようだった。
パラソルは5000ウォンで使えるようだった。
安くはないなあ。
波打ち際まで行くと海はかなり荒れている。
すごい高い波が次々と押し寄せている。
水泳禁止の幕が出ている。

※海が荒れており、水泳禁止の旗。

が、それでも海に入っていこうとする人が絶えない。
そのたびに監視員から笛による警告を受けている。
しばらくビーチに座って雰囲気を楽しむ。
水泳禁止で天気も悪いのに本当にすごい人出だ。
帰りは途中乗換えが必要な地下鉄で帰りたくない。
なんとかバス一本でチャガルチあたりまで帰れないかと国鉄のヘウンデ駅前のバス停を見に行った。
すると、20分おきくらいに南洞、チャガルチ方面行きの市内バスが出ていることが分かった。
バスに乗り約45分くらいだったか、南浦洞のピフ広場前で降りた。
もう夕方だ。
しばらく国際市場をブラブラしたあと、映画が見たくなった。
そう、釜山と言えば映画も街でもあるのだ。
南浦洞のピフ広場に戻り映画館へ行く。
 
※南浦洞、ピフ広場近くの映画館。
 
実は見たいと思っていた映画があった。
日本語に直すと「華麗な休日」、光州民主化運動をテーマにした映画で主演がアンソンギだったので気になっていたのだった。
私が行った映画館はいわゆるシネコンのタイプの大きな映画館で1館〜7館まで分かれていた。
窓口で映画のタイトルと時間を言うと難なくチケットが買えた。
6500Wだった。
チケットにはハングルで3館、L列11番などと書かれている。

※映画チケット。「華麗な休日。5回 18:40 テヨンシネマ3館 L列11番」

時間が近づいたので3館へ行こうとすると後で呼ぶのでこちらで待機していてくださいとのこと。
案内されるとおりに行くと館内の売店が集まる、広い待合所みたいなところだった。
ポップコーンやイカなどを買っている韓国人が多い。
上映15分くらい前になると係員がマイクをもって出てきて「3館、入場です〜!」と叫び始めた。

※映画館内の待合所。ここで「○館入場!」という係員の呼び出しを待つ。

映画館内は日本と全く同じだ。
肝心の映画であるが、もちろん日本語字幕などなく3〜4割程度しか聞き取れなかった。
が、映像があるのでストーリーはほぼ理解できた。

※映画館内。

主演のアンソンギはやはりうまい演技をしている。
光州民主化運動、本で読んだり話に聞いてはいたが実際にこんな無残な光景が韓国で起こっていたとはちょっと信じられない、それが第一印象だった。
映画終了後、相変わらず若い人たちで賑わっている釜山の繁華街を見たとき、平和だなあとつくづく感じたのだった。
モーテルへの帰り、コンビニでビールや焼酎(釜山なのでC1を買う)、おにぎりやサンドイッチ、おつまみ類など買いこんだ。
モーテルの部屋で韓国ドラマを見ながら一杯やる。
至福の時間である。
  
※宿でテレビを見ながらお酒を楽しむのもまた良い。

こうして釜山での楽しい1日が過ぎていった。
明日はムグンファ号で永同へ行く予定である。
永同では韓国のワイナリー「ワインコリア」と韓国ドラマロケ地のぶどう畑などをタクシーでまわる予定にしていた。
このときは永同到着後、数年ぶりに熱が出て永同の予定を中止するとは夢にも思っていなかったのだった。





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