中国瀋陽&丹東〜北朝鮮づくしの旅(2007年7月21日〜7月23日)・1日目
  
 

7月21日(土)
今回はJALの特典航空券を使った中国旅行である。
実はこの企画は一昨年くらいから少しずつ調べてあたためていたのだった。

成田空港行くのがおっくうだ。
横浜駅よりJRのエアポート快速のグリーン車を使う。
YCATから成田空港行きリムジンバスを使うよりも安いし時間は少しかかるがゆったりと過ごせる。

※グリーン車はやっぱりのんびりできていいです(笑)

中国旅行は上海についで2回目、まだ不慣れなので不安もある。
とくに今回は瀋陽より高速バスで丹東まで行く予定なので無事に行けるかどうか、情報がとても少ないので気になっていた。
さて、瀋陽行きの便は中国南方航空とJALのコードシェア便、実際には中国南方航空の機材が使われている。
海外の航空会社を利用するのは本当に久しぶりだ。
機体はとても小さく、機内エコノミークラス席は中央通路の両側に横3列の席が並んでいるのみ。
が、機内に一歩入ると軽快な音楽にのせて中国語の案内アナウンスが流れており中国らしいニオイもしていて雰囲気満点だった。
行きの機内食は本当に充実していた。
  
※中国南方航空、機内食。すごい量でしょう?

CAさんに鶏肉か魚肉か中国語で聞かれたのでユイロウ!(魚肉!)と言って魚料理のほうをもらった。
中華風に温かく味付けられた鮭で、パサパサかと思ったらよく味がしみていておいしかった。
他にかっぱ巻きやポテトサラダ、茶そばや果物、チョコレートケーキなど少しずつあってとても楽しめた。
成田から瀋陽までは3時間、すぐである。
瀋陽空港での入国審査は全く待たされずに通過できた。
よかった〜。
さて、タクシーでとりあえずホテルへ行こうと思い空港ビル外へ。
だが、タクシー乗り場へたどり着くまでが厄介(^^;)
次々と白タクの客引きがしつこく声をかけてくる(^^;)
不要!不要!(プーヤオ!プーヤオ!)と断りながら正規のタクシー乗り場へたどり着く。
泊まる予定の七宝山飯店までは高速道路を通り市内へ入り30分ほどで着いた。
確か高速道路料金も含めて65元だったと記憶している。
ガイドブックにはタクシーを使うと80〜100元と書かれていたので得したようだ。
さて、この北朝鮮系ホテル「七宝山飯店」に泊まるのも今回の旅の目的の一つである。
ちょっと緊張しながらホテルへ入る。

※北朝鮮系ホテル「七宝山飯店」。4つ星ホテル。

正面玄関を入ると正面には大きな朝鮮画が掲げられ、フロントの方は胸に北朝鮮国旗のバッジをつけている。
緊張度が少し増してくる(^^;)
韓国語でチェックインの手続きをする。
8階の部屋になった。
ホテルロビーは大変広い。
ロビー内にはなんと、北朝鮮お土産店、高麗航空カウンター、北朝鮮コーヒーショップ「クムガン」がある。
  
※ホテルロビー内にあった北朝鮮土産ショップと高麗航空カウンター(よく見ると正面にアノお方の絵が)

もう雰囲気いっぱいだ。
エレベータに乗る。
エレベータ内には花の大きな写真が飾られている。
「金日成花」とあった....。

※エレベータ内で

部屋は本当に広く大きなダブルベッドが置かれている。
浴室はシャワー室のみ、バスタブはない。
が、アメニティは充実しているほうか(高級ホテルに泊まった経験があまりないので(^^;))
  
※部屋は広々して使いやすい。

ホテル案内書を見ると朝鮮語と中国語、英語で併記されている。
テレビをつける。
1チャンネルはホテル案内放送だ。
北朝鮮の人気歌謡「パンガッpスムニダ」をBGMにホテル内の各施設について案内されている。
荷物を置き、西塔のコリアンタウンへ行く。
ホテルから3キロほど離れておりタクシーを使おうかと思ったが街歩きも兼ねてゆっくりと歩いていくことにした。
瀋陽市内はあちこちで地下鉄建設工事が行なわれている。

※瀋陽はあちこちで地下鉄建設工事中。

高層ビルもあちこちで建設途中、発展している様子が感じられた。
上海より落ち着いた雰囲気の街だがそれでも日本と比べれば本当に活気がある。
コリアンタウンのある西塔に近づくにつれて各お店の看板には漢字とハングル併記が目立ってくる。
30分ほど歩き続けてやっと西塔エリアに着く。
西塔の中心部はとても活気があった。
 
※瀋陽のコリアンタウン、西塔

ハングルで「PCバン」と書かれた看板を見つける。
ずっと歩いてきて暑かったし、涼みに行くのを兼ねてちょっと入ってみる。
韓国のそれと全く同じだ。
40分ほどネットを見て過ごしたが料金はわずか3元(約45円)だった。
店内は韓国人と思われる若い人ばかり。やはりみんなゲームに夢中になっている。
一瞬、ここは本当に中国なのか?と考えてしまうくらいだ。
外へ出る。
あちこち歩き回ったがハングルのみの看板もとても多い。
ソウルにいるようだ。
靴屋、韓国食料品店、食堂、韓国餅の店まである。
が、よく見ると北朝鮮国旗をデザインした看板の店もちらほら目に付く。
そう、これがどうやらガイドブックにもあった北朝鮮レストランのようだ。
レストラン入口にはチマチョゴリを着て胸に例のバッジをつけた若い女性が立っている。
北朝鮮レストランは西塔のメイン通りを中心に数軒あった。
私は朝鮮百貨というデパートの裏のほうにある、東妙香山という北朝鮮レストランに行った。
  
※この日行った北朝鮮レストラン「東妙香山」。とても感じのよいレストラン。しかも安い。

入口には接待員が二人立っている。
ちょっと緊張しながら入る。
朝鮮語で「一人なんですけど〜」というと、「どうぞ、入ってください」と店内に案内してくれた。
ちょうど北朝鮮歌謡ショーが始まったところだった。
4〜6人がけのテーブル席が10ほどあるちょとこじんまりした感じのレストランだ。
前方には電子ピアノ、ドラム、スピーカー、マイクなどがが用意されている。
ここで北朝鮮の若い女性接待員たちが次々と生演奏とともに歌を披露してくれるのだ。
最初の歌は私もよく知っている、あの有名な北朝鮮歌謡「パンガpスムニダ」(お会いできて嬉しいです)だ。
北朝鮮接待員の生演奏、生うたが目の前で聴けるなんて本当にすごいことだ。
さて、料理は「純生青島ビール」(15元・約225円)、豆腐の上に味噌がのった料理(10元・約150円)、テンジャンチゲ(25元・約375円)などを頼んだ。
  
※北の味付けは全体にうすあじ。でもおいしい。青島ビールの「純生」は初めて飲んだ。飲みやすい味。

写真つきのメニューだった。
まず、大瓶の純生青島ビール、キムチ3種類とピーナッツが運ばれてくる。
暑い中歩き回り、喉が渇いていたのでビールが美味しい。
キムチは全体にうす味、北の味だ。
テンジャンチゲは具だくさんでこれもどちらかといえばうすあじ、でもおいしかった。
北朝鮮接待員による歌謡ショーはこの間も次々と進んでいる。
  
※食事を楽しみながら目の前で見られます(笑)

と、聞き覚えのある歌が聞こえてきた。
なんと、日本語でテレサテンの「時の流れに身をまかせ」が歌われている。
結局歌謡ショーは30分ほどで終わった。
歌の途中、接待員たちが各テープルの客へ花束を渡しに来た。
もちろん私の所にも。

※渡された花束(笑)

よく見ていると花束を渡された人はそれを持ってまた接待員返しに行き、握手してもらっている。
そうやって客と接待員とのコミュニケーションを楽しむ、そんなスタイルのようだった。
おもしろい。
終わると北朝鮮接待員たちはそれぞれの客のテーブルについてあれこれと世話をしてくれる。
ビールを注いでくれたり話し相手になってくれたり。
北朝鮮の人と話すいいチャンスだと思い、私も彼女たちといろいろと話をした。
北の独特の訛りがところどころに出てきて本当に北の人と話をしているんだという実感がわいてくる。
私が日本から来たというとかなり驚いていた。
そして、日本人が韓国語(朝鮮語)を話すのが珍しいらしく、なんで朝鮮語を学んでいるのか、どうやって勉強したのか?どの位勉強しているのかなど根掘り葉掘り質問された(^^;)
私は彼女との会話の中で「朝鮮語」(チョソンマル)と言うべきところをつい「韓国語」(ハングンマル)と言いそうになりあわててと言いなおす場面が何度もありヒヤヒヤした。
「なぜ中国に来たの?」と聞かれたのだが、とっさの答えが見つからず、「中華料理が好きだから」と私は答えた。
その後に、「でも中国料理よりやっぱり朝鮮料理が好き!」と言ったらその若い女性接待員は大笑いしてかなり受けていた(^^;)
私が持ってきた中国東北部のガイドブックを見せるととても珍しそうに見ていた。
私のテーブルについてくれた、その人懐こい若い女性接待員はピョンヤンに家があるとのこと。
まあ、そうだろう。

※こんな感じで客と接待員とのコミュニケーションが行なわれる。

ピョンヤンには清流館という有名冷麺店があるのを私は知っていたのでそのことをたずねると今も営業していて本当に美味しい冷麺とのこと。
注文した料理も食べ終え、水を飲んでいるとスイカを持ってきてくれた。
嬉しいサービスだ。
充分に満足して帰ろうとしたら、「これから朝鮮歌謡のビデオを流すからゆっくり見ていってください」との優しいお言葉。
驚いたのはその朝鮮歌謡のビデオのバックに東京・渋谷の風景が映し出されていたことだ。
それを指さして「ここが東京でしょう?」と聞かれた。
彼女達は東京の街も知っているようだ。
結局2時間くらいこのレストランにいただろうか。
本当に満足して会計を済ませると接待員は出入り口まで一緒に来て私を見送ってくれた。
日本でこんなお店に入ったらいくらとられるかわからない。
が、このお店では韓国で食事するよりもずっと安い値段だった。
すっかりいい気分になって夜の西塔をあとにした。
  
※夜の西塔。左は北朝鮮レストラン「ピョンヤン館」。次回は行ってみたい。

さて、また30分ほどかけてホテルに戻るとまだホテル内の北朝鮮コーヒーショップ「クムガン」が営業している。
せっかくなのでちょっと入ってみる。
チマチョゴリにバッジをつけた若い女性接待員がここにもいる。
カプチーノ(35元・約525円)を頼んだ。
中国にしては高めの値段だ。
  
※七宝山飯店のロビーにある北朝鮮コーヒーショップ「クムガン」。右の写真で左に写っているのが朝鮮画報。

カプチーノと一緒にチョコレートクッキーも付いてきた。
どちらもまあ無難なお味だった。
特筆すべきはコーヒーショップ内に自由に読める雑誌が置いてあるのだがそれがなんと月刊「朝鮮画報」だったことだ。
いわゆる写真中心のグラフ雑誌である。
すべての内容は理解できなかったが例のお方の現地指導の様子、工場労働者の紹介などが載っていた。
こんな感じで北朝鮮づくしのとても印象的な1日目はおしまい。
明日は瀋陽北駅前の高速バスターミナルから高速バスで丹東へ行く予定である。

※※せっかくなので中国らしい風景も少し.......

※ホテル近くにあった床屋さん。


  
※西塔からホテルへ戻る途中にて。これはなんの建物か結局分からず。すごいライトアップでしょう?写真右が建物の昼間の風景。


 
 

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