年越し釜山2泊3日(2008年12月30日〜2009年1月1日)・1日目
12月30日(火)
冬休みの旅行は毎年、年が明けてからにしていたが今回は韓国で年越し、いつものソウルではなく釜山へ行くことにした。釜山はこれまでに何度となく行っているのだがいずれも福岡からビートル号での往復、あるいはソウルからKTXでの利用だった。今回は成田から空路で釜山入りである。
成田まで行くのがおっくうだがまあ、寝ていればいい。横浜駅からJRの成田エクスプレスに乗って成田空港へ。成田エクスプレスの乗るのもかなり久しぶりだ。年末でもあり、途中の道路混雑が気になってリムジンバスは控えたのだった。
列車内の車内販売で朝ごはんを買う。NREのデニッシュサンドとコーヒーにした。JRの車内販売のコーヒーは美味しいのだ。サンドイッチはパン生地がパサパサしたのが多いがデニッシュサンドはパン生地がデニッシュ生地なのでおいしかった。車内は意外に空いている。空席が目立つ。
※成田エクスプレス車内で朝ごはん。デニッシュミックスサンドとコーヒー
久しぶりの成田空港、空港内をあちこち歩き回ったがここもまた予想以上に空いていた。出国審査も特に並ぶことなくすぐに終わってしまい、拍子抜けだ。
だが、私が乗った釜山行き日本航空957便は満席とのことだった。この円高ウォン安で韓国旅行人気が高まっているという。例によって富士山見たさに飛行機の座席は「左の窓側」を指定しておいた。今回も雪化粧したきれいな富士山が見えた。
※雪をかぶったきれいな富士山
機内食は惣菜パン1個と菓子パン1個、それにフルーツポンチのようなものだけだ。
釜山へ着いてからたくさん食べればいいのだ。ほぼ定刻どおりに釜山・金海空港に着く。金海空港は建物がとても新しい感じがして気持ちいい。空港ビルの外にでると目が覚めるような寒さだ。ここでやっと韓国に来た事を実感する。
まずは南浦洞へ行く。リムジンバスを待っているとすぐにやってきた。5000Wだった。運転手は50代くらいのおばさんだ。乗客が全員乗り込むと一人一人にどこで降りるか聞きに来る。
※金海空港⇔南浦洞・釜山駅を結ぶリムジンバス。車内はこんな感じ。ゆったりしている。
45分くらいでバスは南浦洞へ着いた。ここまで来ればもう見慣れた景色ばかり、迷う事はない。今回宿泊するエリーゼモーテルへ荷物を置きに行く。モーテルにしては珍しくオンドル部屋があるそうなのでオンドル部屋を頼んだ。サモモーテルに負けないくらい広い部屋、浴室・トイレもとても広い。受付のおばさん、おじさんも気さくでいい感じだ。
まずは歩いて中央洞の40階段へ行く。ここにポン菓子売りの像があり、見てみたかったのだ。なるほど、ポン菓子売ると耳を押さえて待っている子供の像がある。とてもいい感じだ。
※ポン菓子売りの像。右は付近にあった絵のある階段。釜山らしい絵だ。
しばらくこの周辺を歩き回る。久しぶりの釜山、街並みも新鮮に感じる。再び南浦洞へ戻って今度は古本街のある宝水洞へ。細い路地の両側は全て古本屋さんという、とても印象的な場所だ。古本自体、手にとって見ても内容はよく分からないがその雰囲気だけはなんだか懐かしい。
※宝水洞の古本屋街
そしてこの付近には植民地時代からの日本家屋があちこちに残っているという(『韓国の「昭和」を歩く』(鄭銀淑著))。ちょっと時間をかけて見て回る。なるほど、あちこちに日本家屋が残っている。寂れたものもあれば店舗として使われているものもある。群山の日本家屋を以前見たときもそうだったがこのような建物を目の前にし、当時の歴史を想像するとなんだかとても不思議な感じがする。
※宝水洞周辺、あちこちに残っている日本家屋。
1時間以上かけてあちこち歩き回り、さまざまな日本家屋を見ることができた。ちょっと一休みするために韓国の伝統茶を飲ませる店に行って休む。梅茶(メシルチャ)を頼む。メニューによると冷たいのと温かいのがあるそうなので温かいのにしてもらった。
※梅茶(メシルチャ)。冷えた体に染み渡る。梅酒のアルコールを除いた感じの味。
元気を取り戻したところで今度は南浦洞の光復通りをブラブラと歩く。まだ夕方5時半過ぎだ。しかしお腹が空いてきたので晩ご飯を食べに行く。今から約7年ほど前に釜山を訪れた際に行った、シジミスープ専門店に行ってみた。ソムジンガンという店だ。記憶を頼りに行ってみるとすぐに見つかった。さっそくシジミ汁定食を頼む。7年前に食べた時は4500Wだったが今では値上げされて6000Wだ。
※しじみ汁定食、6000W。
しばらく待っていると大きなお盆の上にたくさんのおかずとともに運ばれてきた。メインのシジミスープはやさしい味でダシがとてもよくきいている。実もたくさん入っていて楽しめる。そしておかずがすごい。サバと大根のヤンニョム風煮付けは以前と変わらなく美味しい。全部で10種類のおかずが出てきた。煮豆とさつまいものきんとん風のものは懐かしい味、チャプチェはあとを引くおいしさ、キムチはどれも加減がよくておいしかった。サバの煮つけは一緒に出てきた葉っぱ(サンチュ、シンソンチョ)に包んで食べる。最初、シンソンチョが分からず、お店のお姉さんにこの野菜なあに?ときいたらシンソンチョだという。この葉っぱ、私は味に記憶があるのに日本語の名前が出てこない。神仙草、つまり明日葉だと分かった。これは自宅の庭でも何度も栽培していたのですぐに思い出した。
夜は龍頭山公園へ行ってみた。明日はおおみそか、ここで年越し行事をやるそうだ。その準備設営がされていた。龍頭山から見る釜山の夜景はとてもきれいだ。
※龍頭山公園の除夜の鐘会場設営風景。右は夜の釜山タワー。
まだ宿に帰るにはもったいないので路線バスに乗って太宗台まで行ってみた。南浦洞から30分ほどかかった。寒い時は路線バスに乗って車窓見物するのがいい。特に釜山は坂が多くて車窓もその分楽しめる。大宗台、真っ暗で海は見えないが付近の集落散策は楽しめる。丘の斜面に迷路のように路地が行き渡り、無秩序に家が立ち並んでいる。電信柱の街灯がその細い路地を照らしている。各家の前には出前メニュー等各種チラシが貼り付けられたり挟まれたりしていて生活感がでている。
※路線バスに乗って太宗台へ。
※周辺の集落内を歩き回る
夜の街の風景を楽しんでいるうちに段々と寒くなってきた。この辺で宿に戻ることにした。明日は市外バスで馬山、そこから路線バスに乗って馬金山温泉へ行く予定である。