ビートルでGO!韓国・釜山 2002年3月15日〜17日
今回は久しぶりに九州へ行こうと思い、福岡まで飛行機で行って博多で1泊、その後前から気になっていた湯布院に行くつもりで計画を立てていた。とりあえず羽田-福岡の往復チケットは、以前からおさえてあったのでホテルだけ現地で予約する予定だった。が・・・・・・
3月15日(金)
8時15分発のJALの福岡行きに乗ったがこの便だけ満席であった。羽田発福岡行きは便数が多い。それなのに景気も悪く平日なのに満席とは不思議でしょうがなかった。私はこの時期になると毎年花粉症で悩まされるのだが、博多に着いてからも案の定、症状は変わらなかった。福岡空港から博多までは地下鉄ですぐ、非常に便利なロケーションである。博多駅に着き、駅構内にあるジョイロードという旅行センターで今晩のホテルを予約した。カウンターで宿泊券の手配をしてもらっている間にまわりを何気なく見ていると、一枚の大きなポスターが目に入った。正確な文句は忘れたが、「釜山へ2時間55分、ビートル号」のような感じだっただろうか。そしてポスターにはジェットホイルの写真があった。ビートル号という高速船(ジェットホイル)に乗れば博多港から2時間55分で釜山に行ける!私はカウンターの人に翌日以降の空席状況を尋ねた。すると、すべての便で空席があるということだった。私は即、この場で釜山往復のチケットを購入、急遽今回の旅行の予定を変更し、翌日から1泊で釜山へ行くことにした。釜山のホテルもここで手配してもらうことができた。パスポートはいつも旅行用のショルダーに入れっぱなしになっている。
昼は、博多駅の地下街のある「いちらん」というとんこつラーメンの有名店に行った。この店はカウンターのみで一人一人仕切りがついている。なんでもまわりに影響されずにラーメンの味だけを集中して楽しめるようにとのことらしい。カウンターに座ると紙が置いてあり、ラーメンのスープの好みを記入するようになっている。私は、有名店ということであまり期待しないで食べたのだが、予想が大きく外れて本当に美味しいとんこつラーメンであった。
午後は天神の巨大な地下繁華街をゆっくりと見たあとに能古島という鄙びた小さな島へ渡った。船の運行数も少なく、時間がないのですぐに引き返したがあまり観光化されておらず、静かな島だったので次回ゆっくりと見てみたいと思った。毎日毎日時間に追われて歯車のように働いているのでこのような静かで鄙びた場所を訪れることが本当にストレス解消になる。
夜は、せっかく福岡にきたのだからと思い、ふぐ料理の専門店に行った。実はふぐという魚は今までほとんど食べたことがない。「ふくめし」とふぐのから揚げ、刺身がセットになったものを頼んだが、確か2000円くらいの安さだったと記憶している。ふくめしは量が多いうえご飯に味が染み込んでいて美味しかったし初めて食べるふぐのから揚げも楽しめた。メニューを見たが酒類はやはり福岡だけあって日本酒よりも焼酎の種類が多かった。明日は釜山、一つだけ不安が出てきた。この時期の玄海灘は波が高いということである。念のため酔い止めの薬を買っておいた。
3月16日(土)
9時前の釜山行きビートル号に乗るべく博多港に向かう。毎回書くことであるが、仕事で毎日早起きするのは辛いが旅行の時はぜんぜん苦にならない。博多港の旅客ターミナルはバスで20分くらいのところにあった。・・・・・ところが早く着きすぎてしまい、まだターミナルビルが閉まっている。仕方がないのでしばらくまわりを散歩していたがこのあたりは殺風景で店もなく倉庫や会社のビルばかりで何もひまをつぶすようなものはない。30分ほど待ってやっとターミナルビルに入ることができた。チケットを購入したり、出国に必要な書類を書いたりしていたが急に昨日釜山行きを決めたせいか、まだ海外に行くという実感が湧かない。
出国審査を終えてビートル号に乗り込む。席は大きめでゆったりとし、すわり心地は予想していたよりもずっとよい。飛行機と同じようなアナウンスがあり、定刻どおり博多を出港した。アナウンスあ日本語と韓国語で行われていたが韓国語のアナウンスはいかにも日本人が韓国語をしゃべっていますといった感じのアナウンスだった。船内は6割程度の混み具合だろうか。乗客は日本人が多いように思われた。ここで驚いたのは、リュックサックだけしか持っていない人がたくさんいたことである。海外旅行に行く時に使うスーツケースを持っている人は皆無に近かった。そういう私も国内旅行の延長で小さ目の旅行バック一つだけであったが。
さっきターミナルビル内で買ったサンドイッチや牛乳などの朝食を食べているうちにビートル号はかなりのスピードになってきた。速度計が客室前方にあり80キロを超えている。が、ほとんど揺れていないので驚いてしまう。揺れ方と船内のエンジン音は飛行機と同じくらいだろうか。玄海灘に出てからも大きなゆれはまったくなく無事に釜山港に到着した。私はこの2時間55分の間飲み物を飲んだり船内をぶらぶらしたりぼんやりと窓の外を眺めたりしていたがあっという間であった。船で韓国へ行くのははじめてであったが、飛行機よりも安いし、むしろ気楽な旅ができると感じた。
韓国入国審査を終えて外に出る。気温は博多と同じくらい。ビルの看板にハングル文字ばかりあるのを見てやっと韓国に来たんだ、と実感が湧いてくる。・・・・今回は韓国のガイドブックを持ってきていないことに気づき、釜山港の旅客ターミナルビル内へ釜山市内の地図や観光パンフレットをもらいに行った。今回私が泊まる予定のホテルは釜山観光ホテルといい、釜山港付近の中央洞駅から地下鉄駅で1個目の南浦洞駅よりすぐのところにあった。釜山はさすが港町だけあって、ソウルでは1度も見なかった釣具の専門店が結構目についた。また、ソウル以上に日本語表記のある店の看板も多かった。ホテルでチェックインを済ませて部屋に荷物を置き窓の外を見てみる。私が泊まっている部屋の窓の向かいは小さなビルであったが屋上にあキムチをつけてあると思われるカメがいくつも並んでいた。荷物を整理し、さっそく街中へ出る。以前、どこかの旅行記を扱ったホームページに次のようなことがかかれてあった。「異国に来てホテルに荷物を置いてから町へ出るときの快い緊張感がたまらない・・・・・」という文章であるが、まさにそのとおりである。
あちこち行きたい所はあるのだが、私はまだ昼食を食べていないことに気づき、ホテル周辺をぶらぶらしながら食堂を探し始めた。旅行中は食欲がかなり増進するものである。ふだん、いかにストレスの多い中で過ごしているか気付かされる。
釜山は大通りから一本中へ入ると道は狭くて坂が多いように感じた。そう、国内外を問わず、旅行中に何を食べようか迷いながらぶらぶらするのはこれまた何とも言えず楽しいものである。参鶏湯もいいし、本場の石焼きビビンバも食べたいなあと思いながら歩いていると、「シジミスープ専門店」という看板が目に入ってきた。私はシジミが大好きだし韓国の食べ方も知りたかったので迷わずその店に入った。「ソンジンカン」という店でいかにも韓国の小さな食堂という感じの店である。メニューは壁にハングル文字で書かれてあったが驚いたことに3種類しかない。シジミのスープの定食、シジミのビビンバ、そして後一つが残念ながら思い出せない。私はシジミのスープの定食(韓国語でジェチョククジョンシク)を注文した。例によってまずキムチが数皿並べられる。さきイカのキムチもある。一通り食べたがどれも味が染み込み旨みがあって本当に美味しい。と、次に何か大きな皿が来たので見てみると、サバをキムチ風に煮てあるものであった。そして別の皿にはサンチュの葉っぱがたくさん。どうやらこのサバの煮物を葉っぱで巻いて食べるらしい。実際他の客はそのようにしていた。サバの煮物のキムチなんて初めて食べた。大きな切り身でうれしかったが、また葉っぱにくるんで食べると初めて経験する味で美味しかった。これは日本でも簡単にできそうである。メインのシジミスープとご飯がくる前にこれだけ楽しめるなんて・・・・。シジミスープは想像していたとおりの白くにごったものだったがどんぶりのような大きな器できたので驚いた。スプーンで中をすくうとシジミがたくさん入っている。この中にご飯を入れて食べたがシジミの旨みやダシやたくさん出ており充分楽しめた。量もかなりのものだった。さて、量、味、これだけ楽しんで値段はなんと4500W(450円)である!!後で知ったのだが、この料理は釜山の名物料理だそうだ。
←シジミスープ専門店「ソンジンカン」
午後は地図を頼りに竜頭山公園、釜山タワー、釜山駅、国際市場、西面などを駆け足で見てまわった。ソウルの地下鉄に乗るとたいてい物売りに出くわすのだが釜山の地下鉄も同じだった。車内で通路の真中に立ちいきなり大きな声で商売を始めるので驚いてしまう。乗客はほとんど相手にしていないようだった。釜山タワーでは展望台までエスカレーターで登り釜山の景色を充分に楽しめた。釜山は山が多くそれに建物がへばり付いているという印象を受けた。展望台には喫茶店もあり、メニューを見たら韓国の伝統茶もいくつかあったので私はセンガンチャ(生姜のお茶)を注文した。日本の生姜湯そのものであった。喫茶店には日本人観光客が多くいてまわりからは日本語がたくさん聞こえてきて興ざめだった。釜山タワーの下一帯が竜頭山公園になっていて大変な人でにぎわっていた。韓国演歌に合わせて踊って楽しむ人が多く見られた。この公園は丘の上にあり、エスカレーターを何回も乗り継いでやっと到達できる所である。国際市場は大変エネルギッシュで本当に「何でも」売られていた。私は雰囲気が似ている沖縄の牧志の市場を思い出した。国際市場に続く通りは長い繁華街になっていて携帯電話を売る店が目立っていた。大きな本屋もあった。「南浦文庫」という大変大きな売り場の本屋で、私はそこで韓国のガイドブックを見たり、料理の雑誌を見たりして結局1時間くらいいてしまった。記念にイルボン(日本)のガイドブックを買ったがそのガイドブックには面白いことが書かれていた。韓国でおなじみのマクドナルド、韓国では「メッドナウドゥ」と発音するが日本では「マクドナルド」と発音しなければ通じない・・・・と。
西面は私が泊まっている釜山観光ホテルの最寄駅である南浦洞駅から地下鉄で15分くらいのところにある賑やかな繁華街のある町である。私は西面のロッテデパート地下食品売り場へ行った。ロッテデパート地下食品売り場はソウルでもそうだが品揃えがとてもよく、きちんと値段も表記されているのでお土産を買うのによいところなのである。地下食品売り場に行くとちょうど慶州の物産展をやっていた。慶州の名物はパンと呼ばれるまんじゅうであるがそれが売られていたので試食させてもらった。あんこがとても美味しかったので20個入(小さなまんじゅうなのでかさばらない)を買う。日本に帰ってから冷凍庫に入れて食べるとき必要な分だけ解凍して食べたので結構長持ちした。
日もだいぶ落ちてきて暗くなり始めたのでホテル周辺へ戻ることにした。今日は欲張ってあちこちいろいろと歩き回ってすこし疲れたので、疲労回復のために参鶏湯を食べようと思い、店を探し始めた。参鶏湯専門店は釜山でもたくさんあり、すぐに見つけることができた。私は比較的ホテルに近いところにある「ウジョンサムゲタン」という店に入った。キムチ数種類と高麗人参酒が出てきた後、ぐつぐつ煮えているどんぶりに入った参鶏湯が出てきた。久しぶりに食べる参鶏湯はとても美味しかった。他の店に比べると高麗人参の量がかなり多かったように感じた。鶏もまったく臭みが無く美味しく食べれた。
私はこの後もCDショップや本屋、屋台などをまわって結局ホテルには10時過ぎに戻った。初めて見た釜山の町はソウルに負けないほど賑やか、そして海が近いせいか雰囲気も日本人にはよりなじみやすい所と感じられた。
3月17日(日)
今日は早くも帰る日である。朝6時に起きてホテルからチャガルチ市場まで散歩に行った。歩いて20分くらいのところ、もちろんすぐそばが海である。独特の海の香りもしている。チャガルチ市場は魚市場で有名なので一度見てみたいと思っていたのである。朝早いので観光客は少なく、反対に水揚げされたばかりの海産物を扱う市場の関係者でごったがえし日本の魚市場とまったく同じ活気と雰囲気、風景がここにもあった。私は市場のある海産物の店でタラの干したのを買った。結構長くて大きなものであったが値段を聞くと1000W(100円)とのことであった。日本に帰ってから辛ラーメンに入れて煮込んで食べたらかなりふやけて身が大きくなり楽しめた。
朝食は、ホテル近くのコンビニで韓国版おにぎりとサンドウィッチ、燻製卵、乳酸菌飲料などを買い込んでホテルの部屋で朝のニュースを見ながら食べた。韓国では最近コンビニのおにぎりが大変な人気だという。おにぎりの中に入っているものはキムチやコチュジャンと牛肉の細かくなったものなど韓国らしいものばかりであった。
しばらくテレビを見た後荷物の整理をして博多へ戻るべく釜山港へ向かった。
ビートル号を使えば気軽に釜山へ行くことができることが今回の旅行で分かり、次回への楽しみにつながった。また釜山は温泉が多く出る町でもあり次回はすこし郊外にも行きたいと思った。今回の旅行でもう一つ分かったこと、それは花粉症の私は釜山では症状が何も出なかったということである。日本に帰ってきたらまた戻ってしまったが。
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