訪韓25回記念 ドラマロケ地をめぐる韓国南部5日間の旅(2006年4月30日〜5月4日)・3日目

   


5月2日(火)
 

 今日は午前中に市外バスにて南海入りし、午後は韓国ドラマ「サンドゥ、学校行こう」のロケ地などを見る予定にしている。
南海を訪れるのは2004年春に続いて2回目である。
前回も「サンドゥ」目的で訪れたのだがロケ地としては南海大橋周辺しか見ることができなかったのだ。
今回はサンドゥたちが修学旅行で訪れた設定になっている錦山と菩提庵、ッサンホンムン、この3箇所のロケ地を見る予定だ。
これだけでは時間が少々余ると思うので南海常設市場周辺など2年ぶりの街の様子も楽しみたいと思っている。
さて、晋州で一晩泊まったロッテモーテルは立地も設備もかなり良かった。
朝起きてカーテンを開けると目の前に南江が流れている風景はなんとも良い。
旅行中は目覚めとともにお腹が空いてくる。
普段の朝は絶対にこういう事はない(^^;)
洗面、荷物の整理を済ませてチェックアウト、フロントのアジュンマに挨拶して市外バスターミナルへ向かう。
歩いて1分ほどだ。
ここ晋州(市外バスターミナル)から南海バスターミナルまでは市外バスで約1時間10分、4500Wである。
バスは1時間に2〜3本程度の間隔で出ている。

※晋州→南海の市外バスきっぷ。4500W。

まずはお腹が空いているのをどうにかしなければならない(^^;)
晋州市外バスターミナル内に小さな食堂がいくつかある。
その中のひとつ「待合食堂」というまさにバスターミナルにぴったりの食堂に入る。
数人も入ればいっぱいの小さな食堂だ。
メニューもククス、ウドン、キムパブ、ラーメンなど簡単な物しかない。
私はククスを頼んだ。2500Wである。
イワシのダシがきいた汁にそうめんのような麺、トッピングはきざみのりと野菜、粉唐辛子程度。
これにキムチが一皿つく。
なじみやすい懐かしい味でおいしかった。
  
※晋州市外バスターミナルの小さな食堂とククス2500W。

9時過ぎの南海行きバスに乗る。
半分ぐらい席が埋まる。
バスはしばらく高速道路を走り続け、南海の手前、小さなチンギョターミナルへ立ち寄る。
乗客はここで半分程度降りる。
その後、のどかな並木道を走り続けているうちに海が見えてくる。
「サンドゥ、学校行こう」のなかでシンボル的存在の南海大橋をわたる。
このあたりはとてもいい風景だ。
朱色の立派な南海大橋と海の色、背後の緑の山がとてもよく合っている。
南海大橋を見ると「サンドゥ学校行こう」のOSTが頭の中で流れてくる(笑)

※ここ南海大橋を渡ればサンドゥたちが行った錦山まであと一息。

南海バスターミナルは南海大橋から15キロほど。
10時過ぎにバスは南海バスターミナルに着いた。
南海群のターミナルとはいえ、周りに高い建物はなく、逆に山や畑など緑が豊富だ。
ここまでくると遠くまで来てしまったなあと感じる(^^;)
今日の宿探し。
前回はターミナル6階の南海プラザ旅館に泊まった。
今回は別のところにしようと、まわりを見ると1軒の新しそうなモーテルを発見。
 
※南海バスターミナル前のビザンチンモーテル。バスタブはちょっとおもしろいでしょ?

ビザンチンモーテルというこれまた奇妙な名前のモーテルだ。
ビザンチン帝国というのを世界史で習った記憶がある。東ローマ帝国だったっけ?(^^;)
受付でチェックインを頼むとちょっと待ってくださいといわれる。
そうだ、まだ朝の10時を過ぎたばかり。
チェックインには早すぎる時間だ。
が、モーテルのおばさんは今掃除が終わる部屋があるから10分ほど待っててくださいとのこと。
しばらく待っていると掃除が終わったらしく、案内しにきてくれた。
早いチェックインで悪いことをしたなあと思った。
宿泊料はここも40000Wで部屋にはPCがある。
なんと、このモーテル、部屋に給水給湯器はもちろん、大画面テレビやビール、乾き物のつまみ、缶詰などの自販機まである(^^;)
部屋も浴室もとても広い。
浴室はバスタブがかなり大きい。
ベッド脇にはリモコンがあってこのリモコン一つで部屋のエアコン、各種電灯、テレビのコントロールができる様になっている。
ちょっと感激。
感激しているとモーテルのおばさんが南海の観光案内パンフを持ってきてくれた。
親切だ。
南海の旅行はガイドブックには全く掲載されておらず、自分で調べた「予習」が頼りだ。
これから錦山へ行くので行きかたをモーテルのおばさんに聞いた。
尚州(サンジュ)行きのバスに乗って錦山入り口での途中下車がいいようだ。
タクシーでも30分ほどで頂上まで行ってくれると言う。
私は行きはタクシーで錦山の頂上まで行ってもらって帰りは徒歩でハイキングコースを下山、バスで帰ってくることにした。
ドラマの中で急な岩場の階段が続いている錦山の場面があったのを思い出したのだ。
これは後に大正解だったことが分かる。
錦山は680mのけっこうな高さの山。
実際、ハイキングコースは岩場の急な階段が延々と続く足場の悪いところ、これを頂上まで徒歩で登っていたら猛烈にバテていたはずだ。
タクシーは南海バスターミナル前で客待ちしている。
運転手のアジョッシに錦山の頂上まで行って欲しいと頼む。
錦山までは25分ほど、そのあと車専用の登山道を10分ほどかけてゆっくりと走っていく。
やっぱり計35分ほどかかった。
運賃は20000W。
まあそんなもんだろう。
ところで頂上はけっこう寒い(^^;)
標高680mだから無理はないがそんなことは考えず薄着をしてきてしまった(^^;)
歩いているうちに暖かくなるだろう。
しばらく歩くと更に先、錦山の菩提庵へ行くハイキングコースが見えてくる。
さらに上へ登るようだ。
結構な人出だ。
景色がとても良い。
眼下にはサンジュ海水浴場と思われる海岸がはっきりと見渡せる。

そしてハイキングコースには所々にやはり例のお釈迦様誕生のちょうちんが飾られている。
歩いて30分ほどで菩提庵に着く。
ここはサンドゥたちが集合写真を撮った場所だ。
なるほど景色がとても良い。
   
※サンドゥたちはここ錦山の菩提庵で集合写真を撮った。ウンファンは泣いていたが。

いくら良い景色でも数分見ていれば充分だがここはなかなか離れがたい。
熱心にお参りしている人が大勢見られる。
境内は飲食一切禁止の注意書きがある。
 
この先にはウンファンが過去の思い出に浸りに行った岩場の洞窟のような場所、ッサンホンムンがある。
錦山は案内板があちこち設置されているので初めてでも迷わずに済む。
ドラマ内でウンファンは菩提庵から、ッサンホンムンまで軽い足取りで岩場の階段を降りて行ったがテレビで見るよりもかなり足場が悪い(^^;)
降りていくのに一苦労だ。
しばらく行くと...あった!
  
※菩提庵からウンファンは足場の悪いこの岩場をくだって、


  
※これもドラマでしっかり映し出されてますね


※ここでウンファンは岩壁に相合傘を彫っている幻の昔のサンドゥをみつけ、思い出に浸ります。

これまたドラマで見たのと同じ岩場の洞窟だ。
ここでサンドゥとウンファンは過去の思い出に浸り、岩場の壁に相合傘を彫る。
一応それを探したがやっぱり残っているわけがない(^^;)
ロケ地めぐりは実際の風景を見て自分がドラマの中に入り込んだような錯覚になる、これがとても楽しくてやめられないのだ。
結局錦山頂上付近にある菩提庵と、っサンフンムンにあわせて1時間以上いただろうか。
行きはタクシーを使って登ってきたので帰りは徒歩でハイキングコースを下山する。
が、ずっと岩場の階段で足場が悪い。

※こんな道が延々続きます(^^;)しっかりした靴を履いてきましょう。

ドラマにもちらっとその風景が出てくる。
ひざをうまく使って降りないとすべるし、急なので勢いづいてしまう(^^;)
結局1時間近くかけて下山した。
ひざが疲れてガクガクだ(^^;)
でも錦山、本当にすばらしい所で遠いところを来てよかったと思った。
山を下ったところの道にバス停があるだろうという私の考えは少し甘かった。
バスが通る道らしいがいくら探してもバス停がない。
かといってまた引き返して山に登る気にはとてもなれないし(^^;)
近くの売店でジュースを買いがてら南海バスターミナルへ行くバス停はどこか尋ねた。
売店のおばさんは指差して「あそこに2人待っている方がいるでしょう?あそこで待っていなさい。バスのきっぷはその後ろの売店で買いなさい」。
なるほど、バス停がない「バス停」だったのか(^^;)
売店のおばさんの指差した方を見るとたしかにバスを待っているらしいおばあさんが2人いる。
おばあさんに聞くとやっぱり南海バスターミナルへ行くバスを待っているとのこと。
売店でバスの切符を買い、これで一安心だ。

※錦山入り口(バス停はない)の売店で買ったバスのきっぷ

疲れがどっと出てきた(^^;)
バスは南海の郡内バスが来ると思ったら、マサンからの市外バスが来た。
南海からマサンの街へ行くのもいいなあと思った。
バスの中ではウトウトして寝てしまった。
いったんモーテルで休んでから前回訪れた、南海常設市場を見に行った。
そういえばお腹が空いている。
もう午後2時を過ぎている。
南海常設市場近くの小さな食堂へ入る。
お粥屋だが麺類もあるようだ。
パッククス(小豆そば)なるそばを頼む。
知らないメニューを頼む時はワクワクする。
しばらくして出てきたのは甘くないお汁粉の汁に浸かったウドンだった。
意外においしい。
お汁粉の汁に餅が合うのだからウドンが合って当然だ。
卓上には砂糖と塩の容器があって自分で味を調節できるようになっている。
私は出されたままの薄味の方が小豆の味を楽しめてよいので何もかけなかった。
このパッククス(小豆うどん)は2000W。安い。
こんな安いうどんを頼んでもちゃんとキムチがついてくる。

食後は近くの南海常設市場をブラブラ時間をかけてみたり、市場周辺の村を見に行ったりした。
市場は2年前訪れた時と変わらない雰囲気、なんだか安心した。
海が近いせいか、魚屋がとても多い。
魚の名前は分からないがかなり大きな干物も売られている。

八百屋もまたおもしろい。
葉物のサンチュはもちろん、えごまの葉も山のようにして売られている。
大根は日本のとは違って丸みを帯びていて形が違う。
にんにくは皮つきのやむきにんにく、すりおろしたのまで量り売りで売られている。
そう、南海はにんにくの産地なのだ。
市場を離れあても泣くブラブラ歩くとポンジョン村という石碑が見えてきた。
このあたりがそうらしい。
  
※ポンジョン村の石碑とハクリム寺

周りは平屋の家がぽつぽつあり、ネギ畑が多い。
少し遠く、丘の上にはお寺の瓦屋根が見える。
お寺へ歩いて行ってみた。
ハクリム寺というこのお寺も境内はお釈迦様誕生の例のちょうちんが飾りつけられていた。
だれも参拝客はいない。
本堂の瓦屋根の下のカラフルな模様はなんとも印象深い。
韓国のお寺共通の?模様のようだ。
ソウルではどこへ行っても人と車ばかりだがここ南海はそれがとても少なく感じる。
子供は意外に多い。
小学生は私とすれ違うときに「アンニョンハセヨ〜!」と挨拶してくる。
日本でも田舎へ行くと子供が挨拶してくれるがそれと同じだ。
村を出て再びちょっと賑やかな通りへ。
地図を持っていないので行き当たりばったりの散策だ。
ここ南海も晋州と同じ、お風呂屋さんの煙突が目立つ。
南海湯というお風呂やさんをみつけ、せっかくなので入りにいこうとしたら入り口はしまっていて「今日は定休日」とのことだ(^^;)
  
※南海湯というお風呂屋さん。定期休日だった(^^;)

ある小さなビルの前で小学生達がガヤガヤと何かを待っている。
なんだろうと思っていると1台のワゴン車が。
ワゴン車には英会話学院のハングル文字。
こんな田舎の小学生もちゃんと英語を勉強しているんだ〜とちょっと感心した。
さて、もう夕方過ぎ、いったんモーテルに戻ろうと歩き出したがどうも見覚えのある風景に辿り着かない。
興味の向くまま地図なしであちこち歩いていたので自分が今どこにいるか分からなくなってしまった。
道路の案内板や地名の看板を頼りに歩いたが駄目だ。
幸い、近くに南海警察署があるのを見つける。
警察に行って教えてもらおうと思い、入り口に立っている警官へ訳を話す。
すると奥からスーツを着た姿勢の良い、偉そうな男の人が出てきた。
刑事さんか...??かなりの役職についているに違いない雰囲気の人だ。
途中まで一緒に送ってくれるという。
これはありがたい。
南海常設市場まで送ってくれた。ここからは自分一人で帰れる。
本当に助かった(^^;)
どうやら市場から2キロほども離れた、街のかなり端まで来てしまっていたようだ。
夜は市場近くのテバク食堂という小さな食堂でテンジャンチゲ(味噌チゲ)を食べた。

4000W。ご飯は白米じゃなくて小豆ご飯だった。
食後、南海Aマートというスーパーでお土産用の海苔やお菓子など買う。
モーテルへの帰り道、近くの商店でビールなど買いこんで今日の日程はおしまい。
南海の夜は短く、9時になるともうかなりひっそりとしてしまう。
明日は朝一番の市外バスで4時間半かけてソウル入りである。



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