忠州〜潭陽〜一山〜ソウル旅行記(2008年5月18日〜5月22日)・三日目
5月20日(火)
今日はソウルへの移動日である。旅先での朝はどうしても早く目覚めてしまう。6時前、テレビをつけるとちょうど国歌の放映が始まっていた。竹の町潭陽、とても印象的だった。まだ行きたいスポットはいくつかあったのだがまたの機会におあずけだ。
朝のニュースなど見た後、荷物を整理して早々にモーテルを出る。朝の潭陽の町は本当に静かだ。清掃車がゴミを回収する風景は日本と同じ。潭陽のバスターミナル近くで朝ごはんをと思ったのだがなんとどのお店もまだ営業していない。ソウルでは考えられないことだ。
※タミャンの朝は遅いようだ。 ※光州とタミャンを結ぶ311番バス
とりあえず潭陽から光州へ戻ることにした。光州からソウルまでの高速バスは一般高速バス、優等高速バス合わせて5分おきに運行されている。これはすごいことだ。ソウル・江南高速バスターミナルまでは3時間55分、やはりゆったりした空間で過ごしたいので優等高速バスにした。光州からソウルまでは290.9キロ、運賃は22400Wだった。すぐ次のソウル行きのチケットが取れた。今日は火曜日、今の時間は8時10分過ぎ。平日の朝とあってバスの乗客はスーツ姿のビジネスマンらしき人が目立つ。
※光州→江南ソウル行き優等高速バス ※サンドイッチと乳酸菌飲料「快便」で朝ごはん
朝ごはんはどこか食堂で食べたかったのだが結局今回もコンビニのサンドイッチと乳酸菌飲料「快便」となった。ソウルまでの途中、とくに混雑もなく時間通りにソウルに着いた。ちょうど昼過ぎである。
この2日間、忠州や潭陽など地方にいたのでソウルの高層ビルや人ごみが大都会を感じさせる。同時に見慣れたソウルの町の風景を見てほっとする。地下鉄を乗り継いで鍾路、サモモーテルへ。いつもの顔なじみのアジョッシが受付にいる。なんだか自分の家に帰ってきた感じだ。
部屋に荷物を置いて休む間もなく外へ出る。光州からの長旅だったが疲れは全くない。昼ごはんを食べに行く。行きたい場所は決まっている。地下鉄ソウル駅構内に「韓式ビュフェ4000W」の看板を見つけたのはもうだいぶ前の話だ。必ずこの食堂に行こうと思っていたのだった。
サモモーテル最寄のバス停であるチョゲ寺バス停から162番のブルーバスに乗ってソウル駅へ。この162番バスは5分おきくらいに運行されていてチョゲ寺からソウル駅へ出るには地下鉄に乗るより楽かもしれない。階段の上がり降りがないので。時間も地下鉄と大差ない。
以前の記憶を頼りに地下鉄駅構内に行くとすぐに見つかった。小さな看板で「食堂」、「韓式ビュフェ4000W」とあり、店構えは全く目立たない。駅構内の事務所のような店構えだ。
韓式ビュフェ、どのようなものがあるのだろうか。楽しみにしながら店の中に入ると入って左にあれこれと料理が置かれている。キムチ数種類にサンチュの葉、韓国海苔、野菜サラダ(マヨネーズ和え)、イワシと大根の韓国風煮つけ、そして大きな釜にそれぞれご飯とワカメ&小エビスープ。値段が安いので豪華なおかずはないがどれもおいしそうだ。
※極めて質素な店構え「韓式ビュフェW4000」 ※イワシと大根の煮つけ、小エビとワカメスープは特においしかった。
これらを自由に自分の皿に盛り付けていくようになっていた。イワシと大根の韓国風煮つけは甘辛い唐辛子味で本当に美味しかった、これをサンチュの葉で巻いて食べると最高だ。 他のおかずもみんなおいしく、おかわりをした。4000Wで思っていたよりもずっと楽しめた。
お腹が満足したところで次は久しぶりのミョンドンへ。ソウルへ着いたばかりなのに行きたい所が多くて予定はめじろ押しだ。韓国旅行はいつもこうだ。ゆっくりと過ごせたためしがない。
ミョンドンは平日の午後だというのに若い人たちで結構なにぎわいだ。ここは私の好きな町のひとつである。何だか元気が出る町だ。ミョンドンを知ったのは実は中学生の頃だ。社会科・地理の教科書にミョンドンの写真が掲載されていてハングルばかりの町の様子が印象的だったのを覚えている。
いつも魅力的な韓国訪問記事を掲載されているヤマネコさん紹介の喫茶店「Moderato」。実はミョンドンでチェーン店以外の喫茶店に入ったことがないしこのお店はケーキ無料とのことでぜひとも行きたくなったのだった。
雑居ビルの2階にあり、1階は眼鏡店になっていた。で、肝心の喫茶店「Moderato」、店内は韓国ではおなじみのフカフカソファ、ゆったりしたつくりだ。若いアガッシの店員さんもとても対応が良い。
※ミョンドンの喫茶店「Moderato」。 ※これで6000W、味はもとより喫茶店のポイントである雰囲気が良い。
ブレンド珈琲(6000W)を頼むとケーキが無料サービスです、と言われ、ティラミスを頼んだ。店内は観光客よりもスーツ姿の人が目立つ。しばらくするとガラスのコーヒーカップに入ったコーヒーとティラミスが運ばれてきた。お味はいずれも値段の範囲内のもの。だがなぜかとても雰囲気の良い、そのまま昼寝でもしたくなるくらい居心地のいい店だった。ゆっくりしたいのだがまだこの後も予定があるのでそうもいかない。
またチョゲ寺へ戻って残りの旅の安全をお参りする。このお寺のカラフルな飾りつけはいつ見ても本当にきれいだ。さて、この後は路線バスでソウル北部、北岳山の山あいの町、付岩洞へ行く予定である。ここは韓国ドラマ「コーヒープリンス1号店」のロケ地でもあり、また町の様子を歩いて見たかったからである。
※チョゲ寺のちょうちんの飾りつけはいつ見ても本当にきれいだ。
チョゲ寺バス停から1020番のグリーンバスに乗る。バスは景福宮を過ぎ、青瓦台周辺の道を通り北へ。どんどんん山の中に入る。ソウルとは思えないような景色になってくる。チョゲ寺から15分ほどで付岩洞事務所バス停に着いた。山あいの雰囲気たっぷりだ。空気も良い感じがする。
「北岳山散策路」の看板に沿って歩いていく。ずっと登り坂だが景色は良い。自分が歩いている向こう側に山が見え、斜面にはず〜っと城壁が続いている。なかなかすごい光景だ。
※上から2番目の標識はカフェ「サンモトンイ」、ハンソンの家である。※こんな道をダラダラと登っていく。
※山の斜面にず〜っと続く城壁。
山からはカッコウの鳴き声が聞こえてくる。生でカッコウの鳴き声を聞いたのは何年ぶりだろうか。付岩洞事務所のバス停から歩き始めて15分くらいだろうか、韓国ドラマ「コーヒープリンス1号店」で見覚えのあるハンソンの家に着いた。ドラマの中ではそれほど感じなかったのだが周囲は本当に山あいで環境のいい場所だ。ドラマで見た場所が実際に目の前に存在しているというこの感じが毎回たまらない。
※「コーヒープリンス1号店」ハンソンの家 ※表札はちゃんと「チェハンソン」とある
ここは実際には喫茶店になっていたが表札はなんと登場人物の「チェハンソン」のハングルが。おもしろい。ハンソンの家を通り越して更に山の中を登っていく。途中、山の中なのになぜか鉄条網があるところがあって不思議に思って見ていたら軍の施設だった。ちゃんと見張りの兵士もいる。こんな場面を見るとやはり韓国にいるんだなあと感じる。
そのうちに北岳山散策路入口に着いた。ここまでくるのに登り坂続きで暑くて一苦労だった。完全に山の中、ソウルとは思えない場所だ。せっかくなので北岳山散策路内をしばらく歩く。ここでもやはりカッコウの鳴き声がする。シジュウカラやカササギの鳴き声もしてくる。空気もいいし緑深い中にいると癒される。
※北岳山散策路入口 ※中はこんな感じ。鳥の声が心地よい
森林浴を充分楽しんだところで再びハンソンの家方面へ戻る。途中、サンチュが栽培されている畑を見たり、北岳山の山寺をのぞいたりして楽しむ。と、どこかで見覚えのある風景に出会った。
※サンチュの畑。 ※写真右の建物がハンソンの家。ここはソウルでも山の中。
韓国ドラマ「私の名前はキムサムスン」で主人公のサムスンが「用を足した」トンネルだ。ここは実は事前に予習しておらず偶然に見つけた場所だったのでちょっとびっくりした。
※「私の名前はキムサムスン」の例のトンネル(笑) ※ここからこんな景色が楽しめる。右に鍾路タワーが確認できる。
付岩洞をあちこち歩き回ったがソウルなのになんだか山あいの地方の町にいる、そんな感じの町でとても気に入った。今度は路線バスで平倉洞へ。ここはソウルでも有数の高級住宅街、ドラマでもよく出てくる。
なるほど、広い敷地を持つ立派な戸建ての家が多い。道もきれいに整備されているしごみもあまり落ちていない。こういう雰囲気の町は韓国で初めて見る。ソウル中心部へは路線バスで15分程度だし環境も良さそうだ。ただ、急坂が多いのが欠点か。足腰は強くなりそうだ。
※平倉洞(ピョンチャン洞)の高級住宅地。こんな家々が点在する。
夜は鍾路の「マッチョ」というファミレスでスパゲティを食べる。スパゲティにもちゃんとキムチがついてくる。韓国らしい。ここのスパゲティ、麺の湯で加減もいいしソースも美味しかったのだがとにかく辛かった。唐辛子の辛さじゃなくてピリピリとしたタバスコ系の辛さだ。近くのテーブルの人が食べていた「カレーオムライス」がかなりおいしそうに見えた。メニューをざっと見たが一工夫されたメニューが多い。高くはないし韓国料理に飽きたら(飽きないが;)変化をつける意味でいい所だ。
※「MAZZO」のスパゲティ。ピリピリした辛さがたまらない。
明日もまる一日遊べる。ありがたい。明日は京義線で一山方面、その後アプクジョンを回り、夜はアメリカ産牛肉反対集会、ソウル市庁前広場でのチェリーフィルターライブなどやはり予定は盛りだくさんだ。