忠州〜潭陽〜一山〜ソウル旅行記(2008年5月18日〜5月22日)・二日目
    

                                       

            

 5月19日(月)

  旅先の朝は早い。5時半ごろには目が覚めてしまう。しかも目覚めが良い。
 洗面、荷物の整理をしているともう6時前だ。テレビをつけるとちょうど放送開始時に流れる国歌を放映している。今、自分が韓国にいるんだと感じさせてくれる瞬間でもある。
 6時からは朝のニュース番組が始まる。天気予報を見ると今日は昨夜と違って1日中天気が良さそうだ。
 忠州から光州へ行く市外バスは1日5本しか出ていない。朝8時発のバスに乗る。所要時間は3時間30分ほど、運賃は17700Wだった。一晩しか滞在しない忠州だったが地方の市場の楽しさを再確認できた場所であった。
  
※忠州→光州行き市外バスチケットとバス

 朝ごはんはコンビニで買った牛乳とパンの簡単なもの。実はバスターミナル付近をあちこち歩き回っていたら食堂へ入る時間がなくなってしまったのだった。ちなみにこの牛乳の商品名は「マッシヌン ウユ」(おいしい牛乳)である。どこかで聞いたことがあるような.....。この青と白を基調にしたパッケージデザインも似ているような.....。

※パンと「おいしい牛乳」で朝ごはん

 出発前のバスに乗り込んで食べていると運転手さんから直々に説明があった。「このバスは問題があって光州まで行けません。西清州で乗り換えてください」とのこと。
 ちょっと面白いことになってきた。忠州を出発したバスは40分ほど田園風景のある一般道を走り、曽坪(チュンピョン)バスターミナルに途中停車した。本当に小さな田舎のバス発着所と行った感じだ。ここで10分ほど停まった後、運転手さんは携帯で電話を始めた。「これからチュンピョンを出発して急いで行きます」という旨の会話が聞き取れた。西清州にいる乗り換え用バスと連絡を取っていたようだ。
 バスはその後、高速道路に入り飛ばす飛ばす(^^;)その後、西清州の料金所を出たところで待っていた別のバスに乗り換えた。ちょっと面白い出来事だった。

※曽坪まではずっとこんな風景

 その後、バスは再度西清州から高速に入りあとは光州まで飛ばすのみ。お昼前に光州の大きなバスターミナルに着いた。ここで今度は潭陽行きのバスに乗り換える。潭陽までは40分ほど、運賃は1900W だった。バスが光州市から潭陽郡に入るとバスの案内放送が始まる。ここから潭陽郡で竹の町として有名である旨の放送だった。
           
※光州総合バスターミナル(ユースクエア)。かなりの規模だ。 ※光州と潭陽を結ぶ311番バス

 潭陽バスターミナルも田舎町の小さな発着所で付近には小さな商店がたくさん集まっている。高い建物が見当たらずごちゃごちゃした感じの町だ。


※潭陽旅客バスターミナル。のどかなバス発着所という感じ。

 まずは宿探しであるが、ここ潭陽もざっと見た感じではバス発着所付近には旅館やモーテルが見当たらない。1〜2分ほど周りをウロウロしてみるとやっと1軒のモーテルが見つかった。ソンリムモーテルというモーテルで沐浴湯も併設しているようだ。5階建てだが古い感じのモーテルである。受付で尋ねると1泊25000Wとのこと。やはり地方の小さな町では宿代も安い。5階の部屋を指定された。
  
※潭陽バスターミナルそばのソンリムモーテル。部屋はこんな感じ。

 だが、5階建てにもかかわらずエレベータがない(^^;)部屋はこぎれいな感じで全く問題はない。すぐに荷物を置いて外に出た。受付で潭陽郡の観光地図をもらった。
 まずはお昼ご飯である。付近には小さな食堂がたくさんあるので食べるのは困らない。「キムパブナラ」に入って3000Wのビビンバを頼む。具沢山でなかなかの味。一緒についてきたスープがまたおいしかった。懐かしいウドンだしの効いた和風スープだ。

※キムパブナラでビビンバを。

 ここ潭陽は竹の町。午後は竹三昧をする予定であるが予定であるがその前にメタセコイヤの並木道(冬ソナ、春川の並木道が有名)がここ潭陽にもあるそうなのでちょっと見に行ってみた。潭陽のメタセコイヤの並木道もなかなかいい風景だった。気温が上がってきて暑くなってきたのでしばらく木陰で休む。

※潭陽にもあったメタセコイヤの並木道

 次に行ったのが竹緑苑。竹林のテーマパークだ。路線バスでも行けるのだが徒歩でも2キロ程なので歩いていった。なるほど、本当に大規模な竹林が広がっていて風が吹くたびにザ〜ッと心地よい音がする。ここは京都か?と思うくらいに韓国にいることを一瞬忘れてしまいそうな場所だ。竹緑苑内をゆっくりぐるっと1周するともう2時間以上過ぎてしまっている。
  
※竹のテーマパーク、竹緑苑の入口。この入口をくぐるとパンダが(笑)

  
※竹林の中を時間をかけてゆっくりと散策

 苑内を歩いていると付近で何だか応援しているような声が太鼓の音とともに風に乗って聞こえてくる。竹緑園はもう充分に堪能したので何の応援をしているのか、ちょっと音のするほうへ歩いて見に行ってみた。竹緑園からちょっと離れたところに建設中の消防署があり、そこのグラウンドで消防署員たちがキックベース(サッカーボールで野球)をやって楽しんでいたのだった。その際の賑やかな応援が聞こえていたのだった。キックベースを韓国でも楽しむ人がいることを知りちょっとびっくり。

※消防署グラウンドでキックベースを楽しむ署員たち

 この後はまた2キロほど離れたところにある韓国竹博物館へ行く。竹の博物館なんで初めてだ。潭陽らしい博物館である。入場料は1000Wと安かったが博物館の規模は大きく、見ごたえがあった。韓国内に分布する竹の様子から始まり、国内で使われた竹製品の歴史、海外の竹使用状況、韓国の竹料理、現在の竹製品の紹介などなど本当に興味深い展示ばかりだった。ここも本当に楽しくてかなりの時間を費やしてしまった。気がつくともう夕方になっている。
  
※韓国竹博物館              竹料理紹介展示の一部。左は竹の子刺身(ヤンニョムがかかっている)右は竹の子とエビのチム

 竹三昧、まだ行きたいと思っているところがある。竹健康ランドだ。ここは竹博物館から徒歩数分のところにある。入場料は風呂とチムジルバン使用料あわせて確か5000Wだったか。
 笹風呂をはじめ、竹酸素部屋、チムジルバン、食堂にPC房などの施設がそろっている。笹風呂は高血圧や老化防止、皮膚管理に効果があるようだ。笹風呂の中央には巨大なザルのような容器に竹炭と思われる炭が大量に入れられており、湯船に浸けられていた。
 竹酸素部屋という部屋もまた珍しい。文字通り四方を竹に囲まれた部屋でここでゴロゴロ寝転がって休む事ができる。ストレス解消などあれこれ効果があるそうだ。

※竹健康ランド。竹の珍しい風呂やチムジルバンがある。健康になる感じがする。

 ここで2時間近くゆっくり過ごすと外は少し薄暗くなってきていた。お腹も空いてきたので竹料理で人気のある食堂「民俗食堂」へ行った。中に入ると中庭で食堂のおばさんたちがくつろいでいる。空いているようだ。食事がしたいというとこぎれいなれいな個室に通された。メニューは竹刺身や韓定食、竹の子どじょう汁、竹の子納豆汁などの定食もある。私はチュクスンチュオタン(竹の子どじょう汁)とビール頼んだ。
   
※民俗食堂。竹料理が美味しい。             こんな個室に通された。

 この食堂、すべて個室になっていてんだか料亭みたいだ。しばらくするとビールとおつまみが運ばれてきた。おつまみは豆の煮物らしきものとなんと竹の子の佃煮?だ。食堂のおばさんが説明してくれた。これは珍しい!食べてみると昆布の佃煮と感じがよく似ている。
 午後は暑い中ずっと歩き回り、さらに先ほどは風呂とチムジルバンで汗を流したのでビールが本当に美味しい。しばらくしてメインのチュクスンチュオタン(竹の子どじょう汁)が運ばれてきた。一緒についてくるおかずがすごい種類だ。(^^;)
    
※まずはビール。おつまみ、右の皿が竹の子の佃煮のようなもの。

 おかずの中には竹の子のゴマ和え、竹の子の醤油漬けがあり、いずれも初めて経験する味でおいしかった。メインのチュクスンチュオタン(竹の子どじょう汁)は名前どおり竹の子のスライスとすりつぶしたどじょうが入っている味噌チゲだ。これはうまみがよく出ていてご飯が進む味だった。どじょうの泥臭さは全く感じなかった。
   
※竹の子どじょう汁(チュオタン)の定食。          左が竹の子のゴマ和え、右が竹の子の醤油漬け

 ビールとチュクスンチュオタン(竹の子どじょう汁)合わせて10000W,しかも個室で楽しめておかずも竹料理を初めとしてあれこれ味わえたので印象深い食堂となった。
 夜はモーテルの近くのPCバンでネットを楽しんだ後この日の日程はおしまい。潭陽は私の持っているガイドブックに載っていない町だったので事前準備は潭陽郡HPの観光紹介ページを参考にしたが内容豊富でとても役立った。
 明日はソウルへの移動日である。
 
            

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