RX-7 トップ部隊が搭乗する格闘用機動兵器。重力下、無重力空間を問わず作戦行動が可能な巨大兵士。ノリコ専用機は頭頂高8.8m。武装はプラズマランサー・プラズマビアンキ・専用銃等。内装武器は下腕部に収納されたトライアングル・クロー。超小型縮退炉が主機関、超伝導モーターにより駆動する。敵(小型)宇宙怪獣に対しての近接格闘戦や、他天体の調査など、多目的使用を考慮したものである。巨大戦艦や兵器の修理・作業にも使用される。電撃兵器が多いのは、敵宇宙怪獣の生体組織に有効な攻撃手段と判断されたため。2008年の日米戦争で日本軍(空間自衛隊)が使用したロボット兵器「RX-1」がその母体。設定上では、ニッサンとフォルクスワーゲンが共同開発した、という事になっている。コーチの機体は軍用でサイズがやや大きい。言うまでもなく「トップ」で、最も細かく設定されているのが、RX-7である。この設定考証は庵野監督のものではないが、実在のブランドを見せることによるリアル感へのコダワリは95年度作品「新世紀エヴァンゲリオン」でも見られる。アニメでは、「マクロス」の新中州重工、「パトレイバー」のシャフト、「攻殻機動隊」のセプロ等、架空ブランドを設定することが多い。(「トップ」でもGMWという大手自動車メーカーの合併が行われたという設定がある。)アニメでリアルなブランドを表現するのにこだわった最初の作品は、同じくビクター音産のOVAヒット作「メガゾーン23」だろう。ネーミングは勿論、サバンナRX-7から。だが、これはニッサンでなく、マツダ製。
RX-7のデザイン 「トップ」の企画案に「リックドムの様に不格好なロボットを美少女が操縦する」というコンセプトがあり(イメージボード参照)、RX-7は鉄人28号やガメラなど、種々のソースを初期のコンセプトに合わせてまとめあげたといえる。樋口案→庵野案→大畑設定→前田クリンUPというラインで完成された。頭部ヘルメットのデザインイメージは「快傑ズバット」。ガメラ風甲羅は「背面を描くのが楽だから」という理由から。カラーリングは、ジャージとバイク(8耐等レーサー用)のイメージ。これはスタッフにバイク好きが多かったため。「TECH-21」も出典はココ。ノリコ機には当初肩に日の丸が、カズミ機にはパーソナルエンブレムがマーキングされる予定だった。ゼネプロ製ガレージキット発売の際に案野ラフによる銃の設定が追加された。
RX-7の塗装(1〜4話) 同じRX-7とは言っても、頭部はパイロットの好みで変えることが許されており、カラーリングも自由にしてよいようだ。ノリコのマシーン兵器にはヒップの部分に日の丸が、カズミの機体にはイニシャルのKの文字が書かれている。ボディに自分の出身国の国旗などを描く場合が多いようだが、変わったところでは3話に登場した「YZF SHISEIDO TECH21」と描かれたものや、白黒ダンダラ模様に「誠」と描かれた(新撰組?)ものなどがある。また、コスモアタッカーVも同様にパイロットが塗装しているようで、尾翼に「GO!」と描かれたものや、かわいいウサギさんが描かれたものがあった。
RX-7のニックネーム 本編には登場していないが、RX-7の各機体にはそれぞれニックネームがつけられている。ノリコ機はナウシカ、カズミ機はジゼル、ユング機はミーシャ、スミス機はイーグルサム、コーチ機はザトペック。
アイス・セカンド 2003年に結晶化に成功した、人類が最初に手にした常温で重力縮退している氷の同位体結晶。アイス・セカンドが崩壊する際に放出されるエネルギーは莫大なもので、これが縮退炉の燃料となる。
アナログ表示 「トップ」世界では、メカの各種表示は数字で表示するデジタル方式ではなく、古風なアナログ方式が基本になっている(一部に例外アリ)。宇宙空間の戦闘シーンではマシーン兵器RX-7の暗いコクピット内部にアナログメーターが綺麗に光り輝き、なかなかよいアジをだしている。
アマノカズミ 本編の副主人公。またの名を「バラの女王様」。学園生活では下級生はおろか同級生からも「お姉様」と呼ばれ、敬愛されていた。2004年11月15日生まれ血液型B型。身長168cm。B83・W60・H85。理知的で優雅、しかし、相当に思い込みが激しい人でもある。彼女の家族構成や家柄等については本編では描かれていないが、自分専用のマシーン兵器を特注しているくらいだから、かなり裕福な家庭に生まれ育ったのだろう。「エースをねらえ!」のお蝶夫人をイメージして作られたキャラであるが、それだけでは終わらず、ドラマ展開の中でかなりキャラクターが膨らんでいる。彼女のネーミングは原作・企画の岡田斗司夫氏の奥様の名前(旧姓・天野和美)から。岡田和美は「トップ」には制作事務の役職で参加している。
アンドロメダ焼き 「トップ」世界において女子高生の定番となっている屋台モノ。ウズマキ状の模様がついた回転焼きのようなお菓子。1話から3話のエンディングで、ノリコとキミコが買い食いをしているのが印象的。ヱクセリヲン内にもアンドロメダ焼きの屋台が出ている。命名したのは山智博之。
庵野秀明 本作品の監督。菜食主義(?)者。「トップ」が商業作品における監督デビュー作であった。アマチュア時代の作品「DAICON 3 OPアニメ」「DAICON 4 OPアニメ」で注目を浴びる。リアルなメカ描写を得意とするアニメーターとして一世を風靡した。その代表作は「王立宇宙軍オネアミスの翼」「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」「風の谷のナウシカ」等。「トップ」以降、テレビアニメ「ふしぎの海のナディア」(総監督)、「新世紀エヴァンゲリオン」でも監督をつとめる。彼は生粋の(超濃い)特撮ファンにして、アニメファンであり、それが「トップ!」全編に色濃く反映している。
イナーシャルキャンセラー 慣性中和装置の事。急加速時や減速時のGを緩和するための装備。古典SFでは「バーゲンホルム機関」に代表される、SF考証を構築する小道具の一つ。
うずまき目 スミスに驚かされしりもちをついたノリコの目が、渦巻き状に回転する。昔のギャグマンガの表現をアニメにとりいれたものだが、最近のアニメ作品としては斬新な手法であった。以後、いくつかのアニメ作品がこの手法をとりいれている。
宇宙怪獣 その行動原理の本当の意味は全く不明だが、人類の宇宙進出を阻止するべく攻撃を開始した天敵(「NeXT GENERATION」では、大宇宙の意思グレートアトラクターの指示によるものとなっている)。その行動も知能によるものか、本能であるのかも不明。しかし人類の抵抗に対し急速に進化(?)し攻撃的に形質を発達させてきている。企画初期からこの「人類と全くコミュニケーションできない敵」という部分は決定していた。節足動物や腔腸動物を兵隊や戦艦にデザインするアイディアは前田真宏氏の案で、初期のイメージボードからそのデザインにほとんど変化がない(前田氏は海洋生物マニア)。これは小澤さとる氏風の潜水艦もの(海洋もの)が味方メカなので「潜水艦の敵→海棲生物」の発想からでたものである。太陽(恒星)に産卵し、増殖するという設定は、恒星系規模で人類の存在を脅かすという発想(太陽を食いつくす!)から考えられたものである。これは超深海に棲息する生物が、光エネルギーを必要とせず、地熱エネルギーで生態系を構成しているという記事からヒントを得たもの。ストーリー後半では、合体して人型に擬態した宇宙怪獣とガンバスターが格闘戦を展開するというアイディアもあった。登場する怪獣は大雑把な分類でも、母艦、重巡洋艦、巡洋艦、砲台、皿虫、上陸艇、ジャックナイフ、タンク、兵隊などの種類がある。CDドラマ「大暴れ!宇宙怪獣ギドドンガス」で使われたゲゲラギドン、ボルゲラン、バボラーなどの名称は宇宙怪獣の正式学名でもあり、たとえば巡洋艦がギドドンガスといったようにそれぞれの種類に対応する。4話冒頭に出てきた宇宙怪獣の解剖図には(画面では端が隠れて見えないが)、Gidodongasと書かれている。
「宇宙船とアニメージュは創刊号から揃えています」 科学講座の4話より、爆笑モノのノリコの台詞。これは実は、フィルムが完成した段階では「創刊から廃刊まで揃えています」というものだった。しかし、廃刊というのはさすがにマズイだろうという配慮で、ビデオ編集の段階で台詞から「廃刊」の部分がカットされた。テアトル池袋やイベントなどでの上映では、フィルムが使用されているため「廃刊まで」という台詞を聞くことができた。
ヱクセリヲン 帝国宇宙軍一等軍艦。対宇宙怪獣撃滅用として建造された第4世代型巨大宇宙戦艦。本編設定上でも3200m級から7200mへの設計変更をしたとされている。全長7205m・最大幅2295m・最大高1680m。搭載機はマシーン兵器x 1220機・コスモアタッカーVx 880機。主兵装は(なぜかヱクセリヲンの兵装は正式な数の設定が無い)、光子魚雷、大口径レーザー砲、中口径レーザー砲、その他小口径レーザー等対空火器。紡錘型の独特なデザインは、エーテル流体力学を応用したリフティング効果を検討したもの。ワープ航法用超大型バニシングモーターと、通常航行用大型縮退エンジンが主機関。第1艦橋(主艦橋区)だけで200mの長さがあり、その天窓が主電探室(艦首の白い部分)の後ろに見える。特徴的なマシーン兵器用大型カタパルトは上甲板に4基。艦底部にはコスモアタッカーV他の宇宙艦用が2基配備され、それぞれが第1〜第6格納庫と繋がっている。一般兵士には機密扱いとなっている第7格納庫でガンバスターが建造されていた。リーフ64会戦、火星沖会戦に旗艦として参加。廃艦となったのち太陽系絶対防衛戦で試作ブラックホール爆弾として使われる。第1艦橋のデザインは証券取引所のイメージ。電光掲示板で最新情報が流れる所や鈴なりになっているモニター、舞散る書類等がポイント。
ヱクセリヲン内施設 その宇宙戦艦ヤマトもビックリの施設の充実ぶりは、2〜4話の見所のひとつになっている。これだけの大きさがあると艦内を移動するのに歩行以外の手段が必要であり、ヱクセリヲン艦内には列車が走っている。3話に登場した「ヱクセリヲン鉄道路線図」を見ると艦内には右舷線、中央線、左舷線、上甲板線と4つの路線が走っており、さらに工事中の路線もひとつあることがわかる。また、中央公園という大公園と、和食の大食堂、洋食の大食堂、さらに裁判所等の施設まであるようだ。さらに各種自動販売機(懐かしい噴水つきジュースの自動販売機もある)があちこちに設置されており、アンドロメダ焼き屋等の飲食店もある。
ヱクセリヲンのコンピュータ ランプがチカチカ光っているクラッシックなコンピュータ。ITCの特撮テレビ「謎の円盤UFO」のSHADO月面基地、ムーンベースのコンピュータによく似ている。
ヱクセリヲンのバニシングモーターのT字型スイッチ カシャン、カシャンと回転するスイッチは「キングコング対ゴジラ」や「モスラ対ゴジラ」でゴジラを電流で倒そうとしたシーンで登場した送電所のスイッチによく似ている。また、このカットは「ふしぎの海のナディア」にも流用されている。
オオタコウイチロウ 推定年齢32歳。階級は中佐(技術士官)。RX計画の総責任者でトップ部隊の隊長。努力と根性をモットーとする。趣味は囲碁。アブない人であるが、先天的にああいう人だったのか、自分のせいでタカヤ提督を死なせてしまったという後天的な理由からかは不明。ネーミングは漫画家の眠田直の本名である太田宏一朗からとられている。また彼が使っている杖は、言わずと知れた「ウルトラマンレオ」でモロボシダンが使っていたのと同じデザイン。6話冒頭の彼の墓を見ると、没日は2033年12月19日。ノリコとカズミが太陽系絶対防衛戦の戦いから帰ってきたのが、2033年の2月頃。それからすぐに結婚したとしても、彼とカズミが夫婦でいられた時期は1年足らずだったことになる。
お寿司 寿司の描きこみが素晴らしく、タシロ艦長も実に旨そうにに食べる。ネタに高そうなものがないのは、作画資料用に使ったのが、お持ち帰り寿司チェーン用のチラシだったため。
オタク タカヤノリコはオタクである。今でこそ、なんてことのない設定であるが、当時としては大変なインパクトを持っていた。時代がノリコに追いついたのだ。
「男と女のラブゲーム」 3話のプロローグは、「よいこのみなさんへ これまでのあらすじ」といいつつ、画面には黒字に本編と全く関係ない科学論文がテロップで流れ、音声は、ヱクセリヲン進宙記念隠し芸大会でコーチとカズミが歌った「男と女のラブゲーム」が流れるというものだった。もちろん、全くあらすじにも何にもなっていないのは言うまでもない。本作の姿勢が端的に現れていると言えよう。この「男と女のラブゲーム」は、特に挿入歌として用意されていたものではなく、3・4話の本編のアフレコ時に、カラオケテープにあわせて若林紀夫さんと佐久間レイさんが歌うというかたちで収録された。しかし、若林さんはそれまでこの曲を歌ったことがなく、佐久間さんや他のメンバーにその場でレッスンしてもらいながらの収録だったそうだ。元々は司会がコーチでタシロ艦長とカズミのデュエットの予定だった。司会(タシロ艦長)の台詞に「不倫の香りを漂わせ…」というのはその名残り。二人が歌っている周りで囃立てているのは日高のり子さん、川村万梨阿さん、矢尾一樹さん、西村知道さんといったキャストの面々である。「やけちゃう〜!」「かわいい!」が日高さん、「キャー、お熱いわ!」と「そぉれ」のあいの手が川村さん、歌ってる最中の「フゥウー、フゥ」が矢尾さん、「いよ!、ご両人!」「やったァ!」が西村さんの台詞である。
科学講座の順番の謎
4話の前についている「科学講座」の第4回で、まだヱクセリヲン艦隊が健在であるにも関わらず「るくしおん艦隊に続き、ヱクセリヲン艦隊まで全滅させた」と、ノリコがいきなりスゴイことを言っている。実は、この科学講座は4話の後につくものとして作られたものなのだが、構成上の都合でビデオでは4話の前につけられたため、このような混乱が生じたのだ。さらに後にLDをまとめて再発売した「オカエリナサイBOX」では、2話の後のつくはずの科学講座の第2回がなぜか1話の後についてしまったため、「今回の話で、7年前にパパの〜」と、セリフの意味がよくわからなくなっている。全くややこしい話である。
カズミの髪の色
カズミは宇宙にでると髪の色が変わってしまう。元々、宇宙での色を先に決めていたのだが、それでは1話の沖縄の抜けるような青空に色が溶けてしまう。そのため、1話で髪の色を変更することになった。5話では本編中で髪の色が変わる。
ガンバスター
RX計画の最終段階として敵宇宙怪獣迎撃用に極秘裏に開発された変形合体可能な大型マシーン兵器。単体でのワープ航法が可能。第4世代の科学技術の粋と、オオタコーチの心が結晶した姿。大型縮退炉を2機装備している。努力と根性が一番のエネルギーだ。全高200m 自重9800t。バスター合金&スペースチタニウム製の堅牢な装甲を誇る。最大速度 光速の99.9%(ワープ時には光速を超える)。全身に必殺武器を多数内装している。またその巨体を生かした肉弾技もこなす。
ガンバスターのコクピット
4話で登場した操作アームの付いた操縦席は、荒牧伸志氏によるデザイン。貞元のイメージボードにも同様の設定が見られる。宮武一貴氏の初期ラフ設定にも「パイロット養成歩行器(ギブス)」があり、体力でマシーンを操るというアイディアは初期の段階から検討されていたようだ。5・6話では、さらに完成した状態になったガンバスターは操縦席も改良され(デザインは前田氏)支持フレーム等が取り外された。これは腕組みや、服を破る際にジャマになるという演出効果から、変更されたのが本当。
ガンバスター発進
両手を不自然にあげて発進するポーズを見て、「ジャイアントロボ」みたいだと思った人はオタク修行が足りない。これは「マッハバロン」の発進シーンがモチーフである。ガンバスターの手がパーではなく、グーであるところに注目しよう(笑)。その前に格納されたガンバスターは、庵野監督が大好きな「バトルフィーバーJ」のバトルフィーバーロボの建造シーンによく似ている。この格納庫の天井の「GB」というマークは、「マッハバロン」のMBや、「レッドバロン」のRBのマークを意識したデザイン。
キクチ摩砂典
ヱクセリヲンの艦橋にいる一人。副長ですら名前が付いていないのに、この人はフルネームでエンディングに名前が出ている。ネーミングは美術監督の菊地正典とオープニング原画の摩砂雪から、ルックスは「王立宇宙軍」の監督で知られるガイナックス現代表取締役・山賀博之がモデルになっている。山賀は「科学講座」第3回で「ワープってなんですか?」という質問を送ったりもしている。
キモダメシ
キモダメシのルートになっていたヱクセリヲンの廊下にはそれらしく柳の木が植えてある。また、ヱクセリヲンの第一艦橋には観葉植物の植木が置かれている。
クラウチングスタート
カタパルトをロボットが滑って発進するパターンは「機動戦士ガンダム」風。「ガンダム」ではモビルスーツがしゃがんだ姿で発進していたが、「トップ」ではマシーン兵器が陸上の短距離走のようなクラウチングスタートで発進する。スポ根ネタがメインの企画であることや、学生時代に陸上部だったスタッフのアイディアが活かされて「ガンダム風発進シーン」をこういうスタイルで表現したのだ。このシーンでかかるBGMも「ガンダム」風。
光子魚雷
人類初の縮退兵器であり、マイクロブラックホール(MBH)を目標にぶつける、一撃必殺の破壊兵器。発射管から射出後、母艦から一定距離まで到達すると光子力チューブが点火され、亜高速まで加速される。目標至近距離で縮退物質を反応させ、タンホイザーゲート(TG)を持つMBHを形成。命中寸前でTGを消滅させるとむき出しのMBHが光子エネルギーを放出しながら出現し、目標にダメージを与えるという戦法。誘導弾ではなく、発射後の目標変更ができないので「魚雷」と呼称される。
コーチの茶室
いろりの部分に松本零士メーター。
更衣室の女の子
ブラを外しながら「ねぇ、聞いた?サエコ、昨日、彼氏とCまでいったんだって」と言っている女の子。「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイによく似ている。これは演出の指示ではなく、このカットを担当した原画マンの作業時のアドリブだそうだ。色指定のスタッフが気をきかせたのか偶然か、髪の色までミンメイに似たものになっている。
コスモアタッカーV
全く活躍する場面がなかったヱクセリヲンの宇宙戦闘機。企画当初では主役級のメカになる予定で宮武氏のよりデザインされた。「マイティジャック」に登場する戦闘機エキゾスカウトの胴体に、同じく「マイティジャック」の戦闘機ピプリダーの前部と翼をつけたようなクラッシックなデザインをしている。発進するたびに、わざわざ翼をとりつけるあたりもピプリダーと同じ。
こぼれた水問答
「こぼれた水はまた汲めばいい」とは、コーチの人生観の感じられる名(迷?)台詞だが、「ナディア」の15話でもフェイトが「こぼれた水はもとにもどらないけど、また汲めばすむことだよ」と同じようなことを言っている。こういう強引なことを言う人は早死にするようだ。さて、このシーンではカズミは「こぼれた水」そのものをノリコの「命」として言っているのに対し、何を勘違い(?)したのかコーチは「水」をこぼしたのなら、また汲めばいいじゃないかという事象そのものについて語っている様に見える。「ノリコの代わりはいくらでもいる」と取れるこの発言は、カズミを怒らせてしまうよねぇ。単に囲碁に夢中になっていて、ちゃんとカズミの話を聞いていなかっただけではないのだろうか??
捨て身の宇宙怪獣の倒し方
ロボットの胴体にわざと敵の攻撃を受けて、相手の動きをとめるガンバスターの戦法は、石川賢氏の描く漫画版「ゲッターロボG」における巨雷鬼の倒し方と同じ。巨雷鬼も、凄く飛ぶのが速い敵だった。
スピーカー男
エンディングの役名に、このヘンな名前がある。要するにスピーカーから流れる声を出している人のこと。これ以外にも、オペレーター男や車内アナウンス女(3話)や女子高生α、女子高生β、女子高生γ、クラスメイトΣ(1話)などヘンな役名は多い。
スミス・トーレン
ノリコの初恋の人(?)でもある宇宙パイロット。といっても宇宙学校を優秀な成績で卒業して…というわけではなく、水兵として宇宙船に乗り込み、うまく立ち回ってパイロットになった苦労人だ。小説版では、アメリカのテキサス出身で、るくしおん艦隊のタカヤ提督に憧れて宇宙パイロットになったことになっている。ネーミングはアメリカの日本アニメ研究家トーレン・スミス氏から取られている。スミス氏は、日本に来た時にガイナックスの寮に下宿していたという縁があるのだ。
「第3艦橋大破!」
宇宙怪獣と戦闘中のヱクセリヲンのクルーの台詞。「宇宙船艦ヤマト」で、頻繁に第3艦橋が破壊されて(しかもすぐに再生していた)という故事にもとづいたもので、ある程度年齢のいったアニメファンにだけギャグとして通用する台詞である。しかし、ヱクセリヲンのどこに第3艦橋があるのだろう?
タカヤノリコ
本編の主人公。2016年9月12日生まれ。血液型O型。身長158cm。B80・W58・H83。大阪出身で、大阪市三陵中学を経て沖ジョに入学。体育会系のオタク少女で、運動神経と体力はバッチリ、コーチが彼女を認めたのも、自分の足でグランド50周を走りきった彼女に努力と根性を見いだしたためなのだろう。ガンバスターの操縦に関しても、状況を判断したり作戦を立てたりする頭脳労働はカズミにまかせて、ノリコは体を動かすことに専念するというかたちになっている。趣味はプラモデル。初期設定案ではもっとフツーの女の子らしい趣味や特技が検討されていたが、科学講座4話のシナリオを作成しているあたりからオカシク(?)なってきたようだ(アニメ誌やコンプティーク誌等で当初発表された設定にもオタク少女という記述はない)。1話の縄跳びシーンでは妙に胸が大きく描かれている(原画担当は貞本)が、設定的には2話のサイズが正しい。彼女の場合もネーミングはスタッフからとられており、メカなどのハーモニーを担当している美術スタッフの高屋法子さんから。高屋さんは設定・絵コンテ担当の樋口真嗣氏の奥さん。樋口氏の奥さんと岡田氏の奥さんから名前をいただいたという事。
タカヤユウゾウ
タカヤノリコの父でありるくしおん艦隊提督。享年45歳(推定)、この年齢設定は製作当時のファン層に合わせたものであり、視聴者が大人になった時を想定した年齢(年代)設定となっている。この手法は「ウルトラマン(初代)」でも使われている。
タシロ艦長
「なんてこった!」が口グセのタシロ艦長は「ナディア」や「まんが日本昔ばなし」で有名なアニメ会社グループ・タックの社長で「王立宇宙軍」等の音響監督でもある田代敦巳氏がモデル。名前だけでなくルックスもとてもよく似ている。この人は食事シーンが多く、4話では寿司、6話ではスイカ、CDドラマ「戦え!!銀河の果てまでも!」では天丼と鰻丼を食べている。大艦隊の提督であるところから見て、かなりのキャリアを持つ軍人であると考えられるが、4話の「かまわん、撃ちまくれ!」発言で(多分)大半の艦隊を撃沈させてしまったであろう事から推測すると、ただの無鉄砲オヤジでは?との見方もある。
「多分、溶けて蒸発してしまったのでは…」
宇宙怪獣の爆発に包まれたガンバスターについての副長の台詞。突き放した言い方が妙にカッコイイ。これは、松本零士氏の漫画版「宇宙戦艦ヤマト」で、超大型ミサイルの爆発にヤマトが包まれたシーンでの地球司令部オペレーターの台詞からの引用。同様の台詞は「ナディア」でも聞くことができる。
タンホイザーゲート
複数の回転するマイクロブラックホール(MBH)の中心にできる亜空間の穴。これは「高次元時空の泡」と呼ばれる。この「泡」の直径を拡大させることで船体を包み、通常空間から転移し、高次元空間を使って長距離移動するのがワープ航法である。通常はバニシングモーター内のMBHを制御することによって、タンホイザーゲートを凍結状態にしている。
地球帝国
「トップ」の世界では、全ての国家が地球帝国の名のもとに統一されている。2012年に日本がアメリカ戦争と呼ばれる日米戦争に勝利。その翌年に帝国憲法が公布され、人類初の統一国家として地球帝国が誕生してという設定。この帝国は経済的にも軍事的にも他の国を圧倒していた日本がイニシアチブを取ったものであり、軍のトップクラスのほとんどを日本人で占められることになった。そのためにこの世界では日本語が第一共通語になっている。ユングやスミスも、ノリコ達と同じ日本語を喋っているのだ。宇宙船内などの各種表示も日本語によって行われる場合が多く、それもなぜか古い表現方法が好まれている。沖ジョの体育館の壱、弐、参の文字等が代表。このセンスは「新世紀エヴァンゲリオン」にも受け継がれている。
乳ユラシ
文字どおり、女性のバストが揺れることである。今でこそ、様々なビデオアニメで乳ユラシを見ることができるが、これはガイナックスが発明し、発展させたアニメSFXである。その歴史の始まりは古く、ガイナックスの前身であるDAICONFILMが製作した「DAICON 4 OPアニメ」にまで遡る。ダイナロボをひっくり返したバニーガールがガッツポーズをとるというカットで、原画で胸の動きが描かれていないにもかかわらず、動画を担当した貞本が中割で揺らしたのが、日本でアニメで女性の胸が揺れた最初であるとされている。このカットが新鮮な感動を多くのアニメファンに与えたことは言うまでもない。そして「王立宇宙軍」のシロツグによるリイクニ強姦未遂シーンのリアルタッチの乳ユラシ(第1原画が漫画家の江口達也氏、第2原画が井上俊之氏、作画監督と動画!を貞本が担当するという超豪華なカットであった)を経て、「トップ」に至る。「トップ」でも1話の縄跳びシーン、6話の服を引き裂くシーン等、乳ユラシのカットは多く、タカヤノリコの若々しさや存在感を表現し、見るものに深い感動を与えた(笑)。この技術は「トップ」以降も「ナディア」「おたくのビデオ」などに受け継がれ、現在も発展し続けている。
帝国宇宙軍のマーク
タシロ艦長の帽子、醤油入れや湯飲みに等、あちこちに、しつこく表記されている。ガンバスターの額にも巨大な同じマークがついているぞ。これは偶然だが「機動戦士ガンダム」の地球連邦軍のマークによく似ている。
トップ部隊
大型宇宙戦艦と船団による人類の外宇宙移住計画を推進するためには、人類の天敵「宇宙怪獣」との交戦が避けられない事態となり、大型宇宙戦艦と船団による艦隊の援護及び怪獣迎撃を専門とするマシーン兵器部隊が設立された。そのエリートパイロット達を「トップ」と呼ぶ。ヱクセリヲン艦隊にて実戦配備されたが、主たる成果を上げられぬまま、11年後に解散された。だがその後の銀河中心殴り込み艦隊における大型マシーン兵器部隊運用に際しての母体となった。設定年表では2489年に再結成されている。
「トップをねらえ!」
「トップガン」と「エースをねらえ!」をミックスした、SFアクション根性ものというのが、本作品の企画時のコンセプトにあった。ただし、本編は「トップガン」の要素はあまり見られない。庵野監督が「トップガン」を見たことがないというのが大きな理由のひとつ。
日常的な小道具
「トップ」に登場する小道具はあえて未来的なデザインをせず、現代使われているものをトレースしている。また、一般のアニメでは商品名、企業名が登場する場合に「SEIKO」を「SAIKO」と書くなどと一部表記を変えることが多いのだが、「トップ」では大胆にも商品名、企業名などはそのまま書いており、それが不思議なアジを出している。以下はその主な例。
「人間失格」
太宰治氏の小説。とても暗くて、落ち込んでいる時に読むと、ますます落ち込めてよい。ベッドで横になったカズミが、これの単行本版を読んでいる。
ノリコづくし
主題歌を歌っているのが酒井法子さん、主人公がタカヤノリコ、それを演じているのが日高のり子さん。「トップ」はノリコづくしで、ノリのいいアニメをめざした(笑)らしい。製作の初期には、酒井法子がタカヤノリコを演じるという案が真剣に検討されていた。
鉢巻き
作品の中でも効果的に使用されているノリコの鉢巻きにはルーツがある。企画当初にキャラのラフを描いていた貞本のアイデアに「長く垂らした鉢巻きをしめた女の子」のイメージがあった。これは貞本が通っていた学校の女子バレー部で流行っていたという。これに樋口氏の「体操服にブルマ」のコスチュームが加わり、デザインラインが固まった。
バニシングモーター
バニシングエンジンともいわれる。設定ではウェスチングハウス社が2007年に開発・実験したワープ装置が1号機となる。この1号機の初実験の際、予定空間に出現せず「消滅(バニシング)したエンジン」と呼ばれたのが名前の由来。後に2011年に火星軌道上に出現した1号機を元に超光速宇宙船に搭載される「バニシングモーター」が開発されることになる。
ヒグチキミコ
メガネがかわいい、ノリコの親友。趣味は星占い。楽天的なノリコにシビアなツッコミを入れる、ちょっとリアリストな性格。沖ジョを卒業した後、ごく普通に結婚し、母になりごく普通の人生を送ったようだ。オープニングのラストカットでのみトップ部隊の戦闘服を着ている(設定にもある)。もう少し沖ジョ編が長ければ、活躍の場も多かっただろうに、なんとも残念(その分5・6話での大人のキミコが印象強いが)。ネーミングは、漫画家のひぐちきみこさんから。キミコは結婚して5話からアカイキミコになっているが、アカイとは結婚後の彼女の姓なのだ。ご主人はゲーム「プリンセスメーカー」やダイコンフィルムでおなじみの赤井孝美氏。つまり5・6話で登場するキミコの娘のタカミの名前は赤井氏から取られている。
副長
完全な理科系人間であり、その理知的なムードを含めて佐藤慶がモデルになっている。姓名もつけられていないが、西村知道の好演もあり、大変にアジのあるキャラクターとなっている。タシロ艦長と共に、「トップ」のCDには、なくてはならない人物である。
プロローグ
OPなしで、宇宙を航行する宇宙戦艦のカットにメインタイトルがかぶさるというパターンは、「宇宙船艦ヤマト」の22話「決戦!!七色星団の攻防戦!!」や、26話「地球よ!!ヤマトは還ってきた!!」と同じ。ヤマトの理由は不明だが、この場合、OPの時間もドラマに使いたかったからである。ちなみにこのプロローグ部分は何故かビスタサイズの画面になっている。
ペナント
よく観光地などでおみやげ用に売っている三角旗。愉快なことに21世紀には各惑星(?)のみやげもの屋などで売っているらしくて、4話の待機室のユングのベッドに「タイタン」、6話のノリコの部屋には「火星」のペナントが張ってある。ビデオ(VHD)1巻のジャケットのセルイラストにもノリコの背後に同様のものが貼られている。また、6話のノリコの部屋に関しては、みやげものの定番である東京タワーの置物(日付カレンダー付き)が置いてあるのも見のがせない。
ホーミングレーザー
本来なら直進していくはずのレーザー光線が、文字通り敵を追って弧を描いて伸びていき途中で分岐するという超SFな兵器だ。歌舞伎の「蜘蛛の糸」がモチーフになっている。松本零士氏のSF漫画で「曲射レーザー」という兵器がある。
ユングのRX-7
RX-7は、トップ部隊設立時より各国でライセンス生産される事となり、各国代表は自国製のRX-7に搭乗する。ユングの機体はソ連製(「トップ」の世界ではソ連は健在である。と、いうよりも制作中は、まだソ連は崩壊していなかった)で頭部センサーの精度が悪く、大型の部品がむき出しになっているという案からのデザイン。このプラネタリウムのように無骨なラインは、庵野監督のお気に入り。
予告(4話)
これもアニメソングからの引用。ノリコのナレーション「人のいのちは尽きるとも、不滅の力、バスターマシン」は「マジンガーZ」の挿入歌「Zのテーマ」より。
予告(5・6話)
2巻(4話)についた予告で「いっきなり、企画がきまってしまって、まだ脚本もあがってないの。ウソみたいな本当の話」とノリコは言っているが、ノリコが喋っている背後には、ちゃんと5話の絵コンテが映っている。これは、「トップ」はもともと全6話のシリーズとして企画されたのだが、まず1〜4話までをリリースし、その販売成績がよければ5&6話もリリースするという方針だった。2巻がリリースされた後、3巻がリリースされるまでに半年も間があいているのは、そのため。正式に5&6話をリリースすることが決まる前から、一応制作は進められており、そのため予告が作られた段階で、5話のコンテや設定の一部ができていた。ただし、この予告を作った時点で6話の脚本は完成していなかったため、「まだ、脚本もあがってない…」とノリコが言うことになった。後に5・6話の内容をキチンと予告するナレーションは、CD「音楽大図鑑」に、新たに録音したものが収録された。
主装備
バスタービーム
(額のビームランプから放つ、マイナス1億度の冷凍光線)
バスターコレダー
(椀部や脚部に内装された槍から100億Vの電撃を放つ。後に10億ギガVにパワーUPした)
バスターシールド
(背部に収納されている、あらゆる敵の攻撃を跳ね返すマント)
・ホーミングレーザー
(手のひらから発射される追尾型レーザー光線)
・バスターミサイル
(指先から発射される光子魚雷)
・スーパーイナズマキック
(亜高速で敵に猛烈キックを浴びせる)
全体のデザインコンセプトは「ゲッターロボ+伝説巨神イデオン」腕を組んでいるのが基本スタイルであるらしく、5話のラストでは誰も操縦していないのにいつの間にか腕を組んで立っていた。4話でのカラーリングは、鋼鉄の地肌にオレンジで注意ラインが引いてあるという設定だが、実はるくしおんと同じカラーリングになっている。意味深な配色である。デザインは庵野監督のラフを大畑晃一氏がクリンナップで完成。細部設定は前田真宏氏や山下育人氏による部分もある。
碁盤の側面にも松本メーター。
宇宙で風鈴がなるのも松本的。
そもそも、宇宙船の中に茶室を作るというセンスも松本的であると言えよう。
・パナソニック製のコーチのメガホン
・「サッポロポテトバーベQあじ」「特製サクマドロップ」などロッカールームに置かれた菓子類(以上1話)
・「フケ、カユミにカロヤン」と底に印刷された浴室のオケ
・タグホイヤー製のカズミの腕時計(以上2話)
・「コカコーラ」「伊太利屋のピザ」などの自動販売機
・「SHISEIDO TECH21」のマーキング(以上3話)
・ノリコの部屋の洗濯物に「宇部興産」のタオル(5話)
・軌道ロープウェイないの「ケロリン」の広告(6話)等々。