大辞典Vol.1 第1話、第2話について収録
大辞典Vol.1です。誤字脱字はないと思います。が、表記中おかしな言い回しがあるのは原文の通りに入力したためです。(あらかじめ)

早引き、システム言葉別くん
あ行か行さ行た行な行は行ま行や行ら行/ わ行

ア行

RX計画 宇宙怪獣に対抗する新型機動兵器RXシリーズ(マシーン兵器)の開発と、そのパイロット養成、さらにバスターマシーン開発を目的とした計画。

RX-7 トップ部隊が搭乗する格闘用機動兵器。重力下、無重力空間を問わず作戦行動が可能な巨大兵士。ノリコ専用機は頭頂高8.8m。武装はプラズマランサー・プラズマビアンキ・専用銃等。内装武器は下腕部に収納されたトライアングル・クロー。超小型縮退炉が主機関、超伝導モーターにより駆動する。敵(小型)宇宙怪獣に対しての近接格闘戦や、他天体の調査など、多目的使用を考慮したものである。巨大戦艦や兵器の修理・作業にも使用される。電撃兵器が多いのは、敵宇宙怪獣の生体組織に有効な攻撃手段と判断されたため。2008年の日米戦争で日本軍(空間自衛隊)が使用したロボット兵器「RX-1」がその母体。設定上では、ニッサンとフォルクスワーゲンが共同開発した、という事になっている。コーチの機体は軍用でサイズがやや大きい。言うまでもなく「トップ」で、最も細かく設定されているのが、RX-7である。この設定考証は庵野監督のものではないが、実在のブランドを見せることによるリアル感へのコダワリは95年度作品「新世紀エヴァンゲリオン」でも見られる。アニメでは、「マクロス」の新中州重工、「パトレイバー」のシャフト、「攻殻機動隊」のセプロ等、架空ブランドを設定することが多い。(「トップ」でもGMWという大手自動車メーカーの合併が行われたという設定がある。)アニメでリアルなブランドを表現するのにこだわった最初の作品は、同じくビクター音産のOVAヒット作「メガゾーン23」だろう。ネーミングは勿論、サバンナRX-7から。だが、これはニッサンでなく、マツダ製。

RX-7のデザイン 「トップ」の企画案に「リックドムの様に不格好なロボットを美少女が操縦する」というコンセプトがあり(イメージボード参照)、RX-7は鉄人28号やガメラなど、種々のソースを初期のコンセプトに合わせてまとめあげたといえる。樋口案→庵野案→大畑設定→前田クリンUPというラインで完成された。頭部ヘルメットのデザインイメージは「快傑ズバット」。ガメラ風甲羅は「背面を描くのが楽だから」という理由から。カラーリングは、ジャージとバイク(8耐等レーサー用)のイメージ。これはスタッフにバイク好きが多かったため。「TECH-21」も出典はココ。ノリコ機には当初肩に日の丸が、カズミ機にはパーソナルエンブレムがマーキングされる予定だった。ゼネプロ製ガレージキット発売の際に案野ラフによる銃の設定が追加された。

RX-7の塗装(1〜4話) 同じRX-7とは言っても、頭部はパイロットの好みで変えることが許されており、カラーリングも自由にしてよいようだ。ノリコのマシーン兵器にはヒップの部分に日の丸が、カズミの機体にはイニシャルのKの文字が書かれている。ボディに自分の出身国の国旗などを描く場合が多いようだが、変わったところでは3話に登場した「YZF SHISEIDO TECH21」と描かれたものや、白黒ダンダラ模様に「誠」と描かれた(新撰組?)ものなどがある。また、コスモアタッカーVも同様にパイロットが塗装しているようで、尾翼に「GO!」と描かれたものや、かわいいウサギさんが描かれたものがあった。

RX-7のニックネーム 本編には登場していないが、RX-7の各機体にはそれぞれニックネームがつけられている。ノリコ機はナウシカ、カズミ機はジゼル、ユング機はミーシャ、スミス機はイーグルサム、コーチ機はザトペック。

アイス・セカンド 2003年に結晶化に成功した、人類が最初に手にした常温で重力縮退している氷の同位体結晶。アイス・セカンドが崩壊する際に放出されるエネルギーは莫大なもので、これが縮退炉の燃料となる。

アナログ表示 「トップ」世界では、メカの各種表示は数字で表示するデジタル方式ではなく、古風なアナログ方式が基本になっている(一部に例外アリ)。宇宙空間の戦闘シーンではマシーン兵器RX-7の暗いコクピット内部にアナログメーターが綺麗に光り輝き、なかなかよいアジをだしている。

アマノカズミ 本編の副主人公。またの名を「バラの女王様」。学園生活では下級生はおろか同級生からも「お姉様」と呼ばれ、敬愛されていた。2004年11月15日生まれ血液型B型。身長168cm。B83・W60・H85。理知的で優雅、しかし、相当に思い込みが激しい人でもある。彼女の家族構成や家柄等については本編では描かれていないが、自分専用のマシーン兵器を特注しているくらいだから、かなり裕福な家庭に生まれ育ったのだろう。「エースをねらえ!」のお蝶夫人をイメージして作られたキャラであるが、それだけでは終わらず、ドラマ展開の中でかなりキャラクターが膨らんでいる。彼女のネーミングは原作・企画の岡田斗司夫氏の奥様の名前(旧姓・天野和美)から。岡田和美は「トップ」には制作事務の役職で参加している。

アンドロメダ焼き 「トップ」世界において女子高生の定番となっている屋台モノ。ウズマキ状の模様がついた回転焼きのようなお菓子。1話から3話のエンディングで、ノリコとキミコが買い食いをしているのが印象的。ヱクセリヲン内にもアンドロメダ焼きの屋台が出ている。命名したのは山智博之。

庵野秀明 本作品の監督。菜食主義(?)者。「トップ」が商業作品における監督デビュー作であった。アマチュア時代の作品「DAICON 3 OPアニメ」「DAICON 4 OPアニメ」で注目を浴びる。リアルなメカ描写を得意とするアニメーターとして一世を風靡した。その代表作は「王立宇宙軍オネアミスの翼」「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」「風の谷のナウシカ」等。「トップ」以降、テレビアニメ「ふしぎの海のナディア」(総監督)、「新世紀エヴァンゲリオン」でも監督をつとめる。彼は生粋の(超濃い)特撮ファンにして、アニメファンであり、それが「トップ!」全編に色濃く反映している。

イナズマキック マシーン兵器の高等技術。沖ジョの伝統技なのか、それともカズミの技をコーチが教えたのかは不明。バリエーションとして、宇宙空間で使うイナズマ反転キック、ガンバスターで使うスーパーイナズマキックがある。空中で3回転リピートのスタイルは「快傑ズバット」の「ズバットアタック」から。技のネーミングは西島克彦氏(「プロジェクトA子」「炎の転校生」監督)5話でのスーパーイナズマキックの原画は大張正巳氏による。

宇宙怪獣 その行動原理の本当の意味は全く不明だが、人類の宇宙進出を阻止するべく攻撃を開始した天敵(「NeXT GENERATION」では、大宇宙の意思グレートアトラクターの指示によるものとなっている)。その行動も知能によるものか、本能であるのかも不明。しかし人類の抵抗に対し急速に進化(?)し攻撃的に形質を発達させてきている。企画初期からこの「人類と全くコミュニケーションできない敵」という部分は決定していた。節足動物や腔腸動物を兵隊や戦艦にデザインするアイディアは前田真宏氏の案で、初期のイメージボードからそのデザインにほとんど変化がない(前田氏は海洋生物マニア)。これは小澤さとる氏風の潜水艦もの(海洋もの)が味方メカなので「潜水艦の敵→海棲生物」の発想からでたものである。太陽(恒星)に産卵し、増殖するという設定は、恒星系規模で人類の存在を脅かすという発想(太陽を食いつくす!)から考えられたものである。これは超深海に棲息する生物が、光エネルギーを必要とせず、地熱エネルギーで生態系を構成しているという記事からヒントを得たもの。ストーリー後半では、合体して人型に擬態した宇宙怪獣とガンバスターが格闘戦を展開するというアイディアもあった。登場する怪獣は大雑把な分類でも、母艦、重巡洋艦、巡洋艦、砲台、皿虫、上陸艇、ジャックナイフ、タンク、兵隊などの種類がある。CDドラマ「大暴れ!宇宙怪獣ギドドンガス」で使われたゲゲラギドン、ボルゲラン、バボラーなどの名称は宇宙怪獣の正式学名でもあり、たとえば巡洋艦がギドドンガスといったようにそれぞれの種類に対応する。4話冒頭に出てきた宇宙怪獣の解剖図には(画面では端が隠れて見えないが)、Gidodongasと書かれている。

宇宙港の立て看板 飛び立つスペースシャトルのむこうに、ガイナックスと書かれた立て看板が見える。5話の緊急対策会議のドアの前に立つ警備員の腕章にもGAINAXと書かれていた。アニメとしてはオーソドックスなお遊びである。

エーテル宇宙論 「トップ」の宇宙観の根底を支えるSF設定。宇宙が真空ではなく、エーテルと呼ばれる物質で満たされているという理論。SFというより、特殊相対性理論が発表される以前にあった19世紀の科学理論の一つ。「トップ」の世界設定では、1995年にタンホイザー博士が発表した理論で構築された。タンホイザーは現代物理学のアインシュタイン博士の様に、この世界での物理学を構築した天才という設定。「ガンダム」世界のミノフスキー博士と同じ立場である。この宇宙論のお陰で、宇宙で宇宙船が揺れるようなワンダーな現象がおきる。スーパーイナズマキックの時、ガンバスターの足が光っているのはスピードのためエーテルがプラズマ化しているため。

ヱクセリヲン 帝国宇宙軍一等軍艦。対宇宙怪獣撃滅用として建造された第4世代型巨大宇宙戦艦。本編設定上でも3200m級から7200mへの設計変更をしたとされている。全長7205m・最大幅2295m・最大高1680m。搭載機はマシーン兵器x 1220機・コスモアタッカーVx 880機。主兵装は(なぜかヱクセリヲンの兵装は正式な数の設定が無い)、光子魚雷、大口径レーザー砲、中口径レーザー砲、その他小口径レーザー等対空火器。紡錘型の独特なデザインは、エーテル流体力学を応用したリフティング効果を検討したもの。ワープ航法用超大型バニシングモーターと、通常航行用大型縮退エンジンが主機関。第1艦橋(主艦橋区)だけで200mの長さがあり、その天窓が主電探室(艦首の白い部分)の後ろに見える。特徴的なマシーン兵器用大型カタパルトは上甲板に4基。艦底部にはコスモアタッカーV他の宇宙艦用が2基配備され、それぞれが第1〜第6格納庫と繋がっている。一般兵士には機密扱いとなっている第7格納庫でガンバスターが建造されていた。リーフ64会戦、火星沖会戦に旗艦として参加。廃艦となったのち太陽系絶対防衛戦で試作ブラックホール爆弾として使われる。第1艦橋のデザインは証券取引所のイメージ。電光掲示板で最新情報が流れる所や鈴なりになっているモニター、舞散る書類等がポイント。

ヱクセリヲン船体デザイン 船体を上下逆に見ると、NASAのリフティングボディ実験機X-24Rソックリになる。また船体に走る赤いパーティングラインはワープ時に閉じてしまうという設定案もあった。(船体が縮む?)

エンディング 前田真宏の手による4コマ漫画風イラストで、ノリコの愉快な学園生活を描いている。アニメ版「サザエさん」風がコンセプト。

オオタコウイチロウ 推定年齢32歳。階級は中佐(技術士官)。RX計画の総責任者でトップ部隊の隊長。努力と根性をモットーとする。趣味は囲碁。アブない人であるが、先天的にああいう人だったのか、自分のせいでタカヤ提督を死なせてしまったという後天的な理由からかは不明。ネーミングは漫画家の眠田直の本名である太田宏一朗からとられている。また彼が使っている杖は、言わずと知れた「ウルトラマンレオ」でモロボシダンが使っていたのと同じデザイン。

沖ジョ ノリコ達が通っていた学校。正式名称は「地球帝国宇宙軍付属沖縄女子宇宙高等学校」。所在地は沖縄県嘉手納市金柱一丁目。設定では、1978年に「沖縄家政婦専門学校」として創立されたのが紆余曲折の末、2012年に現在のかたちに落ち着いたということになっている。1話の生徒のセリフから男子部もある事が推測できるが、本編では明らかになっていない。校長の名前はイノウエ博明。当時ガイナックスのプロデューサーだった井上博明からとられている。アヴァンタイトルではノリコが中学の時の進路希望アンケートで書いた沖ジョを希望する理由に「どうしても行きたいから!」という愉快なものだったことがわかる。

オハラナツコとムラカミフジオ 前者はノリコ達が乗ったスペースシャトルのスチュワーデス、後者はパイロット。ネーミングは岡田和美の友人の名から。

カ行
科学講座 究極のリミテッドアニメ。もりやまゆうじ氏の手による作画は味があって極めてグーである。背景の表示画面はMacintoshぽいのは、制作当時に岡田斗司夫がMacintoshを買ったばかりだったため、その気分が反映されている。「新・科学講座」では鶴巻和哉氏により、さらに練られた考証・演出・作画でそれがバージョンUPされている。

カシハラレイコ 1話では「エースをねらえ!」でいうところの音羽さんの役回り。沖ジョを卒業した後も宇宙パイロットにはならず、沖ジョの教師として多くの生徒を育て宇宙へ送り出した。厳しい教師であり、あまり生徒には好かれていなかったのか、5話冒頭の夏休み中の教室の黒板には、生徒の文字で「カシハラのオールドミス!」と書かれていた。6話では沖ジョの校長となっていた。ネーミングの由来は、当時のゼネプロ社員の神田善美氏(宣伝担当)の奥さんの名前と、同じゼネプロ社員の柏原康雄氏の名前を合成したもの。キャラ表では決定稿ギリギリまで「音羽さん(仮)」のままであった。

カズミの髪の色 カズミは宇宙にでると髪の色が変わってしまう。元々、宇宙での色を先に決めていたのだが、それでは1話の沖縄の抜けるような青空に色が溶けてしまう。そのため、1話で髪の色を変更することになった。5話では本編中で髪の色が変わる。

きれいな富士山 ノリコがスペースシャトルから見下ろした富士山。この時代は噴火している状態が普通のようだ。5話のバスターマシン発進のシーンでも、バスターマシンの背後でちゃんと噴火している。

グランド50周 「エースをねらえ!」に関しては、どちらかというと原作よりもアニメ版を意識した部分が多いようだ。コーチが赴任してきた途端、過酷なランニングを命じてヒンシュクをかうのは劇場版より。

サ行
ジャコビニ流星アタック ユングの必殺技。ネーミングは「プロジェクトA子」のB子の……ではなく、超人野球マンガ「アストロ球団」のジャコビニ流星打法が原典。ジャコビニ流星打法は、打者がボールを打った際にバットが砕け散り、ボールと一緒に破片が飛んでいくというムチャクチャな技だ。

尻ふりノリコ オープニングの後半のカットでかわゆく尻を振るノリコが大変に恥ずかしい。このカットは絵コンテではクルッとターンするだけの指示だったが、原画マンのアレンジでこうなったようだ。その原画担当は、「エヴァンゲリオン」副監督の一人、摩砂雪氏である。氏はトリッキーな作画で人気のアニメーターとしても有名。

シルバースター 東宝特撮や昔のSFマンガに出てくる、いかにもなデザインの宇宙ステーション。NASAが建造した人類初の大型宇宙ステーション・アトランタを、日米戦争に勝利した日本が接収し、シルバースターと改名したという設定。大展望ホールが日本式大浴場となり、壁の月面着陸を記念した絵画が風呂屋のペンキ画風になっているのはその名残りだとか(笑)。シルバースターというネーミングは東映の特撮テレビ「キャプテンウルトラ」の宇宙ステーションと同じ。このステーションに所属する練習艦シュピーゲル号のネーミングも「キャプテンウルトラ」からとられている。

新聞記事 るくしおん沈没を伝える新聞記事には、以下のように本作のスタッフが似顔絵入りで登場している。キクチマサノリ(菊地正典・美術監督)、ニシモトセイジ(西本成司・原画)、ササキヒロシ(佐々木洋・美術監督)、アンノヒデアキ(庵野秀明・監督)、サダモトヨシユキ(貞本義行・原画/作画監督)、ヒロノヒロシ(広野寛・背景)、パンキームチダ(村浜章司・製作担当)、ピエールマツバラ(松原秀典・原画)、等。

出席番号の謎 本編では「3年4組、2番。タカヤノリコ!」と言っているが、絵コンテや台本では「3年4組、42番」となっている。実際に「た行」で始まる人なら12(42)が正しいと思われるだろうが、台詞の語感からか、省略されてしまった。

スピーカー男 エンディングの役名に、このヘンな名前がある。要するにスピーカーから流れる声を出している人のこと。これ以外にも、オペレーター男や車内アナウンス女(3話)や女子高生α、女子高生β、女子高生γ、クラスメイトΣ(1話)などヘンな役名は多い。

スペースシャトル 1話のラストで、ノリコ達がシルバースターに行くために乗ったスペースシャトルは「サンダーバード」に登場したファイヤーフラッシュ号のJAL仕様のようだ。かなり大きなものだが、この時はノリコ達の貸し切りだったようだ。これに乗ったノリコ達は、まるでオリンピック選手のような服を着ているぞ。コーチの赤いジャケットは、あまりにも似合ってなくて、ちょっと恥ずかしい。

タ行
タカヤノリコ 本編の主人公。2016年9月12日生まれ。血液型O型。身長158cm。B80・W58・H83。大阪出身で、大阪市三陵中学を経て沖ジョに入学。体育会系のオタク少女で、運動神経と体力はバッチリ、コーチが彼女を認めたのも、自分の足でグランド50周を走りきった彼女に努力と根性を見いだしたためなのだろう。ガンバスターの操縦に関しても、状況を判断したり作戦を立てたりする頭脳労働はカズミにまかせて、ノリコは体を動かすことに専念するというかたちになっている。趣味はプラモデル。初期設定案ではもっとフツーの女の子らしい趣味や特技が検討されていたが、科学講座4話のシナリオを作成しているあたりからオカシク(?)なってきたようだ(アニメ誌やコンプティーク誌等で当初発表された設定にもオタク少女という記述はない)。1話の縄跳びシーンでは妙に胸が大きく描かれている(原画担当は貞本)が、設定的には2話のサイズが正しい。彼女の場合もネーミングはスタッフからとられており、メカなどのハーモニーを担当している美術スタッフの高屋法子さんから。高屋さんは設定・絵コンテ担当の樋口真嗣氏の奥さん。樋口氏の奥さんと岡田氏の奥さんから名前をいただいたという事。

タカヤユウゾウ タカヤノリコの父でありるくしおん艦隊提督。享年45歳(推定)、この年齢設定は製作当時のファン層に合わせたものであり、視聴者が大人になった時を想定した年齢(年代)設定となっている。この手法は「ウルトラマン(初代)」でも使われている。

タシロ艦長 「なんてこった!」が口グセのタシロ艦長は「ナディア」や「まんが日本昔ばなし」で有名なアニメ会社グループ・タックの社長で「王立宇宙軍」等の音響監督でもある田代敦巳氏がモデル。名前だけでなくルックスもとてもよく似ている。この人は食事シーンが多く、4話では寿司、6話ではスイカ、CDドラマ「戦え!!銀河の果てまでも!」では天丼と鰻丼を食べている。大艦隊の提督であるところから見て、かなりのキャリアを持つ軍人であると考えられるが、4話の「かまわん、撃ちまくれ!」発言で(多分)大半の艦隊を撃沈させてしまったであろう事から推測すると、ただの無鉄砲オヤジでは?との見方もある。

地球帝国 「トップ」の世界では、全ての国家が地球帝国の名のもとに統一されている。2012年に日本がアメリカ戦争と呼ばれる日米戦争に勝利。その翌年に帝国憲法が公布され、人類初の統一国家として地球帝国が誕生してという設定。この帝国は経済的にも軍事的にも他の国を圧倒していた日本がイニシアチブを取ったものであり、軍のトップクラスのほとんどを日本人で占められることになった。そのためにこの世界では日本語が第一共通語になっている。ユングやスミスも、ノリコ達と同じ日本語を喋っているのだ。宇宙船内などの各種表示も日本語によって行われる場合が多く、それもなぜか古い表現方法が好まれている。沖ジョの体育館の壱、弐、参の文字等が代表。このセンスは「新世紀エヴァンゲリオン」にも受け継がれている。

乳ユラシ 文字どおり、女性のバストが揺れることである。今でこそ、様々なビデオアニメで乳ユラシを見ることができるが、これはガイナックスが発明し、発展させたアニメSFXである。その歴史の始まりは古く、ガイナックスの前身であるDAICONFILMが製作した「DAICON 4 OPアニメ」にまで遡る。ダイナロボをひっくり返したバニーガールがガッツポーズをとるというカットで、原画で胸の動きが描かれていないにもかかわらず、動画を担当した貞本が中割で揺らしたのが、日本でアニメで女性の胸が揺れた最初であるとされている。このカットが新鮮な感動を多くのアニメファンに与えたことは言うまでもない。そして「王立宇宙軍」のシロツグによるリイクニ強姦未遂シーンのリアルタッチの乳ユラシ(第1原画が漫画家の江口達也氏、第2原画が井上俊之氏、作画監督と動画!を貞本が担当するという超豪華なカットであった)を経て、「トップ」に至る。「トップ」でも1話の縄跳びシーン、6話の服を引き裂くシーン等、乳ユラシのカットは多く、タカヤノリコの若々しさや存在感を表現し、見るものに深い感動を与えた(笑)。この技術は「トップ」以降も「ナディア」「おたくのビデオ」などに受け継がれ、現在も発展し続けている。

通告の張り紙 パイロット候補生任官の張り紙が映し出されてノリコの名前にカメラが寄っていくところの凝ったカメラワークは「怪奇大作戦」の「京都買います」で、ゴーゴー喫茶で契約書がアップになっていくカメラワークからの引用。

帝国宇宙軍のマーク タシロ艦長の帽子、醤油入れや湯飲みに等、あちこちに、しつこく表記されている。ガンバスターの額にも巨大な同じマークがついているぞ。これは偶然だが「機動戦士ガンダム」の地球連邦軍のマークによく似ている。

トップ部隊 大型宇宙戦艦と船団による人類の外宇宙移住計画を推進するためには、人類の天敵「宇宙怪獣」との交戦が避けられない事態となり、大型宇宙戦艦と船団による艦隊の援護及び怪獣迎撃を専門とするマシーン兵器部隊が設立された。そのエリートパイロット達を「トップ」と呼ぶ。ヱクセリヲン艦隊にて実戦配備されたが、主たる成果を上げられぬまま、11年後に解散された。だがその後の銀河中心殴り込み艦隊における大型マシーン兵器部隊運用に際しての母体となった。設定年表では2489年に再結成されている。

「トップをねらえ!」 「トップガン」と「エースをねらえ!」をミックスした、SFアクション根性ものというのが、本作品の企画時のコンセプトにあった。ただし、本編は「トップガン」の要素はあまり見られない。庵野監督が「トップガン」を見たことがないというのが大きな理由のひとつ。

ナ行
日常的な小道具 「トップ」に登場する小道具はあえて未来的なデザインをせず、現代使われているものをトレースしている。また、一般のアニメでは商品名、企業名が登場する場合に「SEIKO」を「SAIKO」と書くなどと一部表記を変えることが多いのだが、「トップ」では大胆にも商品名、企業名などはそのまま書いており、それが不思議なアジを出している。以下はその主な例。
・パナソニック製のコーチのメガホン
・「サッポロポテトバーベQあじ」「特製サクマドロップ」などロッカールームに置かれた菓子類(以上1話)
・「フケ、カユミにカロヤン」と底に印刷された浴室のオケ
・タグホイヤー製のカズミの腕時計(以上2話)
・「コカコーラ」「伊太利屋のピザ」などの自動販売機
・「SHISEIDO TECH21」のマーキング(以上3話)
・ノリコの部屋の洗濯物に「宇部興産」のタオル(5話)
・軌道ロープウェイないの「ケロリン」の広告(6話)等々。

入浴シーン ヱクセリヲン内の浴室は何故か日本の銭湯風。ペンキ絵は富士山ではなく、アポロの月面着陸シーンが描かれている。ココで注目したいのは三人のバストのかたちである。庵野監督は「2話は、女性キャラのバストの形に個性を持たせることに賭けた!」と当時の記述にある。実際、ユングの豊かなバストはそれまでのアニメではきちんと表現されなかった「リアルな巨乳」に描かれているし、ノリコは小さなバストにズンドウという、70年代のアイドル体形になっている。アニメでは、女の子のバストはみんな同じかたちに描かれることが多く、このこだわりは見事。しかし残念なのはカズミで、このシーンではずっと湯船に浸かっており、ほとんど肩から上しか見えないのだ。

ノリコづくし 主題歌を歌っているのが酒井法子さん、主人公がタカヤノリコ、それを演じているのが日高のり子さん。「トップ」はノリコづくしで、ノリのいいアニメをめざした(笑)らしい。製作の初期には、酒井法子がタカヤノリコを演じるという案が真剣に検討されていた。

ノリコの部屋・その壱 沖ジョの宿舎である。机の上には教科書と共にカート・ヴォネガット・ジュニア氏の非SF小説「ローズウォーターさんあなたにお恵みを」や、すがやみつる氏の学習マンガ「マンガ版エーテル宇宙論」(こんな本はない。念のため)などが置いてある。1話の科学講座でノリコが妙にエーテル宇宙について詳しいと思ったら、すがや先生の学習マンガを呼んでいたのだ。壁に張ってあるポスターは、リリース当時にビデオアニメ専門誌「アニメV」誌上で行われた「カットインキャラをさがせ」という企画のために描かれた「恵奈」という美樹本氏描きおろしのキャラクター。本編のどこかに隠されているこのキャラの絵を探すというクイズだったのである。

ハ行
鉢巻き 作品の中でも効果的に使用されているノリコの鉢巻きにはルーツがある。企画当初にキャラのラフを描いていた貞本のアイデアに「長く垂らした鉢巻きをしめた女の子」のイメージがあった。これは貞本が通っていた学校の女子バレー部で流行っていたという。これに樋口氏の「体操服にブルマ」のコスチュームが加わり、デザインラインが固まった。

バニシングモーター バニシングエンジンともいわれる。設定ではウェスチングハウス社が2007年に開発・実験したワープ装置が1号機となる。この1号機の初実験の際、予定空間に出現せず「消滅(バニシング)したエンジン」と呼ばれたのが名前の由来。後に2011年に火星軌道上に出現した1号機を元に超光速宇宙船に搭載される「バニシングモーター」が開発されることになる。

パンチテープ 昔の電子計算機から出てくる穴の開いたテープ。暗号や2進法で記入されているため、普通人間の読めるものではないが、シルバースター総合指令室のオペレーターは平気で読んでいた。昔の特撮ものでも、これを読んでいるシーンがよくあったが、それをわざわざやって見るディープなお遊びである。このシーンはタシロ艦長の背後にクラッシックなコンピュータがあるが、テープのリールの回り方がなんともリアル。

ヒグチキミコ メガネがかわいい、ノリコの親友。趣味は星占い。楽天的なノリコにシビアなツッコミを入れる、ちょっとリアリストな性格。沖ジョを卒業した後、ごく普通に結婚し、母になりごく普通の人生を送ったようだ。オープニングのラストカットでのみトップ部隊の戦闘服を着ている(設定にもある)。もう少し沖ジョ編が長ければ、活躍の場も多かっただろうに、なんとも残念(その分5・6話での大人のキミコが印象強いが)。ネーミングは、漫画家のひぐちきみこさんから。キミコは結婚して5話からアカイキミコになっているが、アカイとは結婚後の彼女の姓なのだ。ご主人はゲーム「プリンセスメーカー」やダイコンフィルムでおなじみの赤井孝美氏。つまり5・6話で登場するキミコの娘のタカミの名前は赤井氏から取られている。

ヘアー 5話では幻となってしまったノリコのヘアヌードだが、2話ではユングのそれがブラシ処理で表現されている。多分アニメで最初に表現されたヘアーかもしれない。設定資料でもはっきり注釈がある。多くのテクや表現が後のOVAに影響を与えた「トップ」だが、意外とマネされていない点の一つ。

マ行
マスク マシーン兵器搭乗時に、戦闘服の襟を伸ばしてマスク状にする。「機動戦士ガンダム」のキシリア・ザビ少将も同じようなマスクをしていた。アニメの実作業において、口元を隠して口パクを減らすためのデザインであった。酸素マスクになっているという設定もあったようだが…?

モニター内の不思議 1話のカシハラとノリコの決闘シーンで、ノリコのマシーン兵器内のコクピットのモニター内にコーチの映像が割り込んできた時に、同じくモニター内のカシハラがコーチの方をちらりと見るという、よく考えると、笑えるシチュエーションがあった。これは一度きりのギャグではない。4話のガンバスターのモニター内、さらに6話のヱルトリウムのモニター内でも、「モニター内の人物が、思わず他の映像の人物の方を見てしまう」シチュエーションがある。

ヤ行
夕日をバックにした、ノリコとコーチのシルエット ノリコとコーチの心が通い合った感動的なこのシーンは、「ウルトラマンレオ」の1話で、おおとりゲンとモロボシダンが力をあわせて戦うことを誓いあった場面の夕日を背景にしたカット(「レオ」のオープニングのラストカット)がモチーフだ。

ユング・フロイト 2004年9月12日生まれ。血液型AB型。身長170cm。B95・W64・H93。月育ちで「宇宙戦闘の天才」と呼ばれている。いかにもAB型らしく、感情の起伏が激しく、その感情の変わり様は二重人格者かと見紛う程である。名前はユングとフロイトという二人の高名な心理学者から。「トップ」のネーミングで、スタッフから名がとられていない二人の内の一人である。銀河中心殴り込み艦隊ではカズミがブラックホール爆弾で合流するまで彼女がノリコとペアを組んでいた。したがって、ガンバスターはノリコとカズミのペアより、実際はノリコと彼女のペアが乗っている時期の方が長い。ネクストジェネレーションの世界設定では、ユングは2245年に銀河連邦初代大統領に就任している。「月刊コンプティーク」連載版の「ネクスト」漫画版では、主人公を鍛える「覆面コーチX」として登場している(笑)。

ユングのRX-7 RX-7は、トップ部隊設立時より各国でライセンス生産される事となり、各国代表は自国製のRX-7に搭乗する。ユングの機体はソ連製(「トップ」の世界ではソ連は健在である。と、いうよりも制作中は、まだソ連は崩壊していなかった)で頭部センサーの精度が悪く、大型の部品がむき出しになっているという案からのデザイン。このプラネタリウムのように無骨なラインは、庵野監督のお気に入り。

予告(3話) ノリコのナレーション「宇宙の海は俺の海〜」は「宇宙海賊 キャプテンハーロック」の主題歌の歌詞から。スミスは、この予告で初めて登場したのだが、この直後に収録された4話の予告で早くも、彼が死んでしまうことが暗示されてしまっている。

ラ行
リンダ ユングの相棒で、フルネームはリンダ・ヤマモト。この名前はもちろん70年代の人気歌手、山本リンダから。アニメマニアには「ジャックと豆の木」主題歌でお馴染み(?)。本編ではリンダとしか呼ばれていないが、エンディングにはちゃんとフルネームで出ている。スタッフから名前を取られなかった2人の1人。名前は2話から出ているにも関わらずまともに顔が見えるのは、3話の更衣室のシーンで1カット、4話の日光(灯)浴のシーンの2カット、乗るマシンが無くて困っているシーン、死ぬ時のアップと全部で計5カットのみという、可愛そうなキャラだ。

るくしおん 帝国宇宙軍一等軍艦。ノリコの父とコーチ(オオタ中佐)が乗っていた人類初の超光速戦艦である。三菱造船/石川島播磨重工による「日本重化学工業共同体」が2006年に計画した恒星間航行用移民宇宙船建造計画により、建造がはじめられた。日米戦争により一時中断されていたが、2013年の地球帝国建国に伴い再スタートされ、同年に進宙した。設定資料の中で、魚雷発射管に「光子魚雷」と書いてあるが、光子魚雷が完成したのはるくしおん遭難の2年後、2017年となっている。設定装備は「宇宙魚雷15門・レーザー砲塔26機」が正しい。全長320m、幅52m。乗員390名。デザインは「青の6号」「サブマリン707」などの海洋マンガで知られる小澤さとる氏の描くメカに、よく似たラインのものとなっており、そのレトロフューチャーなセンスと相まって、オールドファンには人気が高い。

るくしおん艦隊 人類の宇宙進出と開拓、恒星間航行の実験と調査が主目的の調査隊として出航した。もちろん当時の科学技術の結晶であったが、戦術戦法が全く異なる宇宙怪獣には歯が立たなかった。重巡洋艦マックスウェル級は18隻、全長206m(魚雷10・レーザー砲塔18)軽巡洋艦スパランツァー級が9隻、全長180m(レーザー砲塔10)これに旗艦るくしおんを加えた28隻の大艦隊であった。

練習船の乗員名簿 ノリコ達が乗っていた練習船シュピーゲル号の乗員名簿が、シルバースターの総合指令室のモニターの端に小さく表示される。ここにもスタッフや関係者がいっぱいだ。ムラハマ・ショウ(村浜章司・製作担当)、サクマ・美穂子(佐久間美穂子・製作事務)、バカオウ・摩砂雪(摩砂雪・OP原画)、タマタニ・純(玉谷純・メインタイトル撮影)、ササキヒロシ(佐々木洋・美術監督)、タケイ・ヨシアキ(武井芳明・原画)、アミヤ・マサカズ(阿宮正和・演出助手)、モリヤマ・ユウジ(森山雄治・作画監督)等。