タイトル | 笑う標的 |
内容(参照) | 「週刊少年サンデー 1983年立春増刊号(2月号)」より |
初出掲載誌 | 週刊少年サンデー 1983年立春増刊号(2月号) |
発行元 | 小学館 |
単行本 | るーみっくわーるど 1 高橋留美子傑作短編集 2 |
<解説>
シリアス作品第2弾だが、るーみっく作品の中では現在のところホラー度が最も高い作品と言えよう。基本的には「闇をかけるまなざし」の瞳と同様に、愛する者への想い、執着が邪魔者を排除するという方向に向かい、「魔」を呼ぶ結果となっいてる。そこに「笑う標的」では女の情念というものを絡めてきている。
しかし、この「笑う標的」は単行本「るーみっくわーるど 1」収録時にほぼ全面的にリメイクされた。これだけ大きくリメイクされた作品も珍しい。いちいち挙げていてはきりがないので、主なもののみするが、特に目立つ描き下ろしは、子供の頃、近所の悪ガキに襲われて、逆に石で殴り殺してしまったという梓の回想シーン。これは、梓が餓鬼を招くようになってしまった経緯を示すものとして重要と言えよう。
また、突然窓ガラスが割れて里美がけがをするところから、里美の飼い犬のジュンが殺されるところまでの流れも単行本収録時の描き下ろしである。
逆に、最初の更衣室での一件の翌日、屋上で梓が里美の制服をかまいたちのような力で切り刻み、あとから訪れた譲に問い詰められる参照コマのシーンを含む3ページが単行本ではまるまる削除されている。
この辺の詳細な比較は、FCサークル「高橋留美子親衛隊」の隊誌「CHANNEL
RUMIKO Vol.12」に掲載されている。