庭に深山のせせらぎを!         1997.8.30

ソーラー発電を利用した清流の実験

  深山幽谷のせせらぎは心を和ませてくれる。これを庭先に作ってみようとチャレンジした。水の循環にはソーラー発電の電力を利用するエコロジーなシステムである。

1.実験システムの概要

ソーラーパネルを太陽に向けて配置し、そこからの電力を直流モーター式のポンプに供給する。せせらぎの落差は1メートル程度とし、今は使っていない庭の池を利用する。流れの末端に容器を置き、これに水を充たし、この中にバスポンプ(風呂の残り湯を洗濯機に汲み上げるもの)を入れる。このポンプの吐水をホースでせせらぎの最上部に導き、そこで放水する。本来ならば、放水した水を容器で受け、循環させるべきであるが、今回の実験では行っていない。

実験の概要を次に示す。

   

この容器に水を入れ、ポンプを浸す

   

    手作りのソーラーパネル        ソーラーパネルに鉛バッテリを接続

電圧、電流計:ポンプへの電力供給、ソーラーパネルの発電量などをチェック 

    

    

せせらぎの様子

ホースの先からはこの程度の水が出る

インバーターを接続し、100VACでポンプを駆動することが出来る

2.実験システムの詳細

(1)ソーラーパネル:開放電圧 16V、出力電流 2Amax

10センチ角の多結晶太陽電池32枚を直列に接続し、3ミリのガラスでサンドイッチ状にしたもの

(2)ポンプ:バスポンプ NP−201C(株式会社 仲佐製の風呂の残り湯  汲み上げ用)

連続運転不可のため、実験として短時間使用

ポンプ仕様:DC12V 1.3A

        吐水量 揚程1mの時……・・13リットル/分

                    1.5mの時… 12リットル/分

            最高揚程…………………・・3.5m

            ポンプ寿命…・・約400時間(15分間隔で運転、休止を繰り返した場合のモーターの寿命)

            適合ホース…………………・内径15mm

(3)鉛バッテリ:自動車用DC12V 32AH…バッファーとして使用

(4)DC−ACインバーター:DC12V→AC100V 55HZ 240Wmax

3.実験結果…・・結論:実験成功

(1)晴天であれば、このソーラーパネルだけ(バッテリは使用しない)で十分動作する。

(2)バッファーにバッテリを接続したが、この方が実用的

(3)バッテリをバッファーとして、これにDC−ACインバーターを接続。 上記ポンプのACトランスをつなぎ、これでポンプを駆動したが、全く問題なく作動。

4.課題

(1)連続作動出来るポンプがないか…・・AC100V用のポンプを使うべきか

(2)水位、電圧チェック用センサーが必要。水位が下がったら、また、電圧が規定値より下がったらモーターを止める制御が必要

(3)夜間はソーラー発電が出来ないので、止める必要がある。タイマーを取り付けるなどの検討要

  (4)水の浄化方法

などの検討課題がある。続けて検討を予定しているので、別途報告する