小規模分散型籾殻発電システムの開発 その2 :発電量のアップ、排ガスのクリーン化           2014.9.5

 

 

 

2014.6.3の初回開発報告のあと、課題であった、排ガスのクリーン化、発電量のアップを実現したので紹介する。

 

(1)  排ガスのクリーン化

 

煙突から排出される薫炭をサイクロン構造による回収装置を開発し、エンジン上部に取り付けた。これにより煙突からの薫炭の排出は殆どなくなった。

 

 

サイクロン集塵器外観

 

 

 

 

 

 

 

サイクロン集塵器の集塵効果(5時間連続稼動後)

 

 

エンジンヘッドの均一加熱の実現のため、排気用煙突を2本設けているが、この2本の煙突をサイクロン集塵器に対向させて接続し、内部で排煙を同方向旋回させた後、中央から1本の煙突で排気する方式を開発した。

 

(2)          発電量のアップ

63日のテストでは始動直後排煙にかなりの水蒸気の混入が観察された。そこで今回は燃焼皿の設計見直しを行う前に、燃料の籾殻の乾燥による効果をテストした。籾殻を乾燥させることで、燃焼状態が改善され予想以上の800900Wの連続発電が実現できた。テスト装置の外観と薫炭生成状態を示す。

 

 

サイクロン集塵装置付籾殻発電システム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薫炭の生成

 

(3)          籾殻消費量の計測

 

3-1)籾殻発電システムにおける籾殻供給方式

籾殻ホッパー内の籾殻をスクリューで燃焼皿上に供給する。スクリューの回転数は駆動モーターの回転数で調整する。回転数はインバータの周波数を可変して行う。

3-2測定方法と実測データ

各周波数に対し、1min間に供給される籾殻の重量を測定する。測定は1周波数につき3回とし、その平均を算出する。

容器重量:109.6

測定回数

周波数

総重量g

籾殻重量g

1

16

235.8

126.2

2

16

221.9

112.3

3

16

237.5

127.9

平均

 

 

122.1

 

 

 

 

1

20

243.8

134.2

2

20

250.7

141.1

3

20

245.9

136.3

平均

 

 

137.2

 

 

 

 

1

24

284.7

175.1

2

24

287.5

177.9

3

24

281.5

171.9

平均

 

 

174.9

 

 

 

 

 

 

 

今回の発電テストは周波数20で行った。20137.2/minで約800Wが発電できる。

ペレットと比較すると、燃料の供給量が多いが、これは籾殻が完全燃焼しておらず、薫炭の形で可燃成分が残っているためと推察できる。薫炭の有効利用を考えた場合、この程度の発電でやむをえないと考える。

周波数20で運用すれば、籾殻の消費量は8kg/h程度である。