小規模分散型籾殻発電システムの開発

 

 

 

 

 

2014.6.3

 

 

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1.   はじめに

籾殻は米生産地では多量に発生するが、無機質を多く含むため燃えにくく燃料にはあまり利用されていない。また自然での分解が遅いため肥料としても利用されていない。今回且糟ケ開発ネイチャーとエスアール.カンノ鰍フ協力を得て、籾殻を特殊なバーナー構造で燃焼させ、1kwFPSE(フリーピストンスターリングエンジン)を用いて約600Wを連続発電し、かつ温水を生成できる籾殻発電システムのプロトタイプを完成させた。なお、このシステムでは、籾殻燃焼残渣は良好な薫炭として取り出せる機能も有している。fig.1にこのシステムのテスト状況を示す。

 

 

fig.1 籾殻発電システムの稼動テスト状況

 

 

2.テスト稼動の要約

1)約2時間連続で約600Wの発電ができた。fig.1 600W発電中の状態である。

2)エンジンヘッド温度(対向2箇所)は349℃、350℃と殆どばらつきがない。2本煙突排気の効果が出ていると推察される。

3)薫炭収容部には良質の薫炭が回収できた。

4)籾殻供給量、温水、発電量については改めて詳細のデーターを取得予定

5)煙突から少量ではあるが、薫炭が排出される。次回テストまでに回収装置を完成させる。

6)燃焼方法の改善で更に発電量を増やすことが可能と思われる。これについては別途計画する。

 

3.関連資料

fig. 2に籾殻の燃焼状態を示す。

fig. 3に約600Wの発電状態を示す。白熱ランプは100100Wで6.5個点灯している。

 

 

fig. 2 籾殻の燃焼状態

燃焼状態動画

 

fig. 3 600Wの発電状態

 

 

 

4.むすび

籾殻を燃料とする大規模な発電システムは既に存在しているが、1kw未満の小規模分散型発電システムはまだ存在していないようだ。

今回のテストで、小規模でも発電が可能なことが実証できた。米作農家が自宅で籾殻を燃料としたコージェネシステムが実現できると考えている。発電、温水のほか、良質の薫炭が得られるので農耕地の土地改良に利用でき、一石三鳥の効果が期待できると思う。今後更にブラシアップし実用化に向けて鋭意推進して行きたい。                                                                 

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