非常用人力発電装置の開発                                                                 2019.4.142019.6.19

                                                                        2019.11.19 発電機とバッテリパックを分離

 

 

2019.11.19 発電機とバッテリ部を分離

発電機の自転車への装着を容易にするため、発電機とバッテリ部を分離しました。バッテリ部は人力発電機、ソーラー、商用電源(AC100V)の3通りの充電ができるようにしました。これでバッテリ部は家庭用の小型非常用電源としても利用できるようになりました。

 

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1.はじめに  災害発生などで夜間停電すると大変困ります。人力では大きな電力の発電は無理ですが、照明や携帯電話の充電などには十分な電力1020Wを発生させることができま

 

す。これまでコアレス発電機の開発を進めてきましたが、このコアレス発電機が人力発電に適していることが分かったので、これを用いた非常用人力発電装置を開発しました。駆動は一般

 

家庭にある自転車を利用します。

 

非常用装置で重要なのは、万が一の場合、確実に作動してくれるかにあります。自動車の安全系システム(ABSやエアバッグなど)では、エンジンを掛けるたびにシステムが正常であるか

 

自動診断しています。この非常用人力発電装置は自転車のペダルを踏む度にバッテリの状態が把握できます。普段体力維持のため軽くペダルを踏む習慣をつければ、健康が維持出来る

 

だけでなく、装置の状態が把握でき、且つバッテリ(DC12V 38Ah程度)に充電も出来るので、万一の時確実に充電した電力を照明などに利用できます。

 

2.装置の概要 

 

装置の概要をFig.1に示します。

 

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人力発電装置

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発電ユニット

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表示部

 

Fig.1

 

3.仕様および使い方

 

この非常用人力発電装置は発電ユニット(表示部を含む)と自転車スタンドから成ります。発電装置として完成させるためには、27インチの自転車が必要で、自転車をスタンドに固定し発電

 

ユニットのローラーとタイヤが接触するようにセットします。セットにはユニットに付いているセット金具にスタンドの横バーをはめ込みます。タイヤとローラーの接触圧が低いと発電時にタイ

 

ヤが空回りするので、接触調整部で適宜調整します。始動に当たってはユニット側面の2個のSWを上に上げます。これでディスプレイにバッテリ電圧が表示されます。あとはペダルを漕ぐ

 

だけで発電が開始します。表示部はハンドルに引っ掛けて使用します。表示部には発電電圧(発電していない場合はバッテリ電圧)、電流、電力、積算電力が表示されます。

 

この非常用人力発電装置は例えればマラソンです。1020W程度の発電を長い時間をかけて続けるシステムです。ペダルを高速で回転させると故障の原因となります。目安は発電電力

 

表示で40W以下です。

 

Fig.2にタイヤ接触部及びユニットの内部を示します。

 

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Fig.2

 

ユニット部にはローラー付き小型コアレス発電機、鉛バッテリ、全波整流器、コンバータ、DC12VAC100Vインバータ(250W)が内蔵されています。発電機にはフライホイールを付けて、

 

ペダル踏みがスムーズになるよう配慮しています。

 

4. 発電特性

Fig.3に発電特性を示します。

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Fig.3

 

Fig.3は横軸が発電機の回転数(rpm)、縦軸が発電電力とバッテリへの充電電流です。コイルを両側から挟む仕様が双方磁石方式で、片側磁石、片側鉄板は片側の磁石を鉄板に替えた

 

仕様です。双方磁石仕様の方が低い回転数でバッテリに充電を開始します。片側磁石仕様は、高価なネオジウム磁石の使用数を半分にしたものです。

 

人力で長時間発電する場合、10W〜20Wが適当と思われます。片側磁石方式は回転数がやや高くなりますが、10W〜20Wは十分発電出来ますし、高価な磁石が半減できるのでコストを

 

安くすることが出来ます。