家庭用非常用電源装置設置のすすめ 2011.3.18 2011.7.18蓄電装置を追加 |
3月11日に起きた東日本巨大地震では福島原発の事故などから、首都圏でも計画停電が実施されています。未だ余震が続く中、停電が起きると情報源であるテレビをみることが出来ません。また、夜間の停電の場合照明がなくなります。このような場合、家庭に非常用電源を備えていれば非常用の照明利用は勿論、液晶テレビであれば数時間は見ることが出来ます。
我が家で設置している非常用電源装置を紹介します。
(1)装置の概要
ローカルな小規模のソーラー発電で鉛バッテリーに充電しています。バッテリーにはインバータを接続し、交流55Hz100Vが得られるようにします。システム構成を図-1に示します。また実物を写真-1に示します。
なお、この装置は普段は池の浄化ポンプ(約50W)に既に3年以上利用(タイマーで昼間のみ作動)しています
図-1家庭用非常用電源のシステム構成 |
ソーラーパネル |
バッテリーおよび充電装置とインバータ |
写真-1
(2)システムを構成する主な部品(我が家の場合)
主な部品 |
メーカー、型名、価格など |
機能 |
摘要 |
ソーラーパネル |
シャープ製NE-132AN 1枚 最大出力:132W、無負荷開放電圧:33.17VDC、電流:5.4A |
太陽光を受けて発電する。 (NE-132Aは24Vバッテリー充電にはやや電圧が低い) |
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バッテリー |
DC12V鉛バッテリー160Ah×2個直列接続してDC24Vで使用 (このバッテリは中古品である) |
発電した電力を貯めておく。容量は大きい方が長時間利用できる。 |
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充放電制御ユニット |
電菱製 SUNSAVER-10 入力24VDC 充電電流:10A |
バッテリーに充電する電流を最適に調整する。 |
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電圧計1 |
フルスケールDC50V |
バッテリーに充電している電力の電圧を監視する。 |
省略している |
電圧計2 |
フルスケールDC30~50V |
バッテリーの電圧を監視する。 |
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電流計1 |
フルスケールDC10A |
バッテリーに充電している電流を監視する。 |
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電流計2 |
フルスケールDC10~20A |
バッテリーから放電される電流を監視する。 |
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インバータ |
セルスター工業㈱製 HG-500/24V 入力DC24V max500W |
バッテリーのDC電圧をAC100Vに変換する。 正弦波インバータが望ましいが、このインバータは矩形波 |
電圧波形は下図参照 |
照明器具 |
AC100V用のLED照明器具 消費連力:8W×4基 |
非常時の照明用。LED式が省電力で望ましい。 |
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配線類、スイッチ類 |
操作用ボックスを製作 |
動作の確認、充放電ユニット、インバータを収容 |
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バッテリー補充液 |
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定期的にバッテリー液をチェックし、不足の場合補充。 |
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◇ インバータHG-500/24Vの出力波形について
HG-500/24Vの出力波形は下図のとおり正弦波でなく矩形波です。負荷によっては接続できないものがあります。
インバータHG-500/24Vの電圧波形(矩形波) |
商用電源の電圧波形(正弦波) |
(3)システム構成上の考慮事項
(3-1)ソーラーパネルについて
たまたま他のテストで使用したソーラーパネルがあったので、これを使用しましたが、DC24Vバッテリーを充電するには、無負荷解放電圧が少し足りない感じです。36~40VDC程度のパネルが良いと思います。
(3-2)バッテリーについて
最近リチウムイオン電池が出始めましたが、まだ主流は鉛バッテリーです。容量は出来るだけ大きい方がよいと思いますが、大型のものはかなりの重量となり、一人で移動できません。12V50~60Ah程度のものが良いと思います。使用電圧は24V(12Vバッテリーを2個直列接続して使用)がよいでしょう。24Vであれば充放電制御回路が標準品として市販されています。
(3-3)インバータについて
正弦波出力のインバータが好ましいのですが、価格が高くなります。上記図のような矩形波出力のインバータが市販されています。負荷に制限がありますので注意する必要があります。詳細はインバータ取説をご覧ください。
(3-4)電流計と電圧計について
電流計、電圧計があると、動作状態をこれで監視することが出来ます。設置することをお勧めします。電圧計はフルレンジ50VDC程度、電流計はフルレンジ10ADC程度のもので良いと思います。
(4)メンテナンス
非常用電源は日常のメンテナンスが重要です。システムを作ったまま放置していると万一の場合、動かないことが多々あります。従って、このシステムを作ったら、毎日作動させる必要があります。我が家の場合、庭の池の浄化ポンプに毎日利用しております。24時間稼動するのではなく、タイマーで昼間だけ稼動するようにして、バッテリー蓄電容量の過剰消費を抑えています。このポンプが動いていれば、先ずはシステムが正常であると判断できます。玄関照明や門灯に利用することでも、動作確認が出来ます。
また、バッテリーの液の確認が重要です。液は徐々に減って行きます。液が減って、電極が露出すると、バッテリーは急速に劣化します。定期的(半年に1回程度)にチェックする必要があります。
(5)実際に稼動させた場合の状況を紹介します。
32インチLCDテレビの作動 32インチテレビを稼動した場合のバッテリー放電電流:26.34VDC 2A |
LCDライトの点灯状態 LCDライト4基を点灯した場合:26.34VDC 1A |
3月18日13:30現在:天候晴れ
ソーラーによる充電電圧:27.5VDC
充電電流:3.3A
バッテリーからの放電電流:2.3ADC・・・・・32インチ液晶テレビ、LEDライト(8W×4)4基点灯状態
バッテリー端子電圧:26.34VDC
インバータ出力電圧:93.0VAC(56Hz 矩形波)
充電電流が放電電流より大きい。この大きい分だけがバッテリーに充電される。
バッテリーに充分充電できていれば、テレビと照明を共に稼動させて5時間は利用できるでしょう。
この非常用電源装置は別に報告のバイオマスを燃料とする小型温風発生装置の電源にも利用しています。
家庭用蓄電装置の開発 2011.7.18 |
正弦波インバータを用いた家庭用蓄電装置を開発しましたので紹介します。この蓄電装置は商用AC100Vでもソーラーからでも充電できます。
バッテリ容量:DC12V100Ah鉛バッテリ×2個(直列接続 DC24V仕様):2.4KWh
インバータ:DC24V入力、1kw 正弦波
充電器:AC100V入力、DC24V系出力 充電電流:max20A
ソーラーパネル入力:DC24V系 充電回路は外付け
正面 |
背面 |
回路構成 |
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