電動自転車の変遷・・・・・2003.11.15

ヤマハ、ホンダからアシスト式電動自転車が市場に出て10年が経過しました。この間、電動自転車も大きく進歩してきました。私が当時考えていた機能そのものを搭載した電動自転車が出現しました。このようなことから、最早従来の発想での試作トライは無意味になったと考えています。電動自転車に応用できる新しい技術が続々と開発されています。一つはバッテリの進歩であり、従来からある鉛バッテリとは比較にならない軽量化と大容量化(例えばニッケルー水素電池)が実現しています。また一方、新エネルギーとして水素を燃料とした燃料電池の開発も進んでいます。小型の水素ボンベと燃料電池を搭載して、常時発電しながら走行する電動自転車が見えてきました。また、水素ボンベの代わりにアルコールをタンクに積み、小型改質装置で水素ガスを発生させながら走行する電動自転車も実用レベルに近いと思います。電動自転車は充電式電池から、燃料と燃料電池を積むものに変わって行くものと予想されます。

これで、課題の走行距離も大幅に拡大できると思います。

機会があれば、この先端技術を用いた電動自転車の試作にチャレンジしたいと思っております。

 

 

2000.1.10

概要 1981年(昭和56年)、車の電装関連の開発に着手した。開発主体はエンジンの電子制御、アンチロックブレーキシステム、エアバッグシステムなどであった。しかしどうも将来は排ガスを出さない電気自動車が普及するのではないかと思った。そこで車体をを50ccバイクとし、エンジンを取り外し、これにバッテリとモーター、制御装置を搭載した電動バイクを開発しようと調査にかかった。ところが幸か不幸か上述の制御システムの開発と量産が急速に進み、とても電動バイクの開発に工数を投入することができず、お蔵入りとなってしまった。1993年ころヤマハ、ホンダから相次いでパワーアシスト型電動自転車が市販された。1台購入していろいろ調べてみたが、どうも私が思うイメージとは違っていた。そこで1994年ころから自宅で自分なりのイメージの電動自転車の試作に着手した。

 

どんな電動自転車を作りたいか

(1)      小型軽快なこと。

(2)      折りたたみ式で車のトランクに積めること・・・・車に積んで高原でドライブしたい。

(3)      バッテリだけで走行できること。バッテリがなくなったらペダルを踏めばよい。

(4)      最高速度は50ccバイクと同じ30km/hはほしい。

(5)      (3)、(4)の仕様により免許、形式認可等が必要でもやむをえない。

(6)      1回充電での航続距離は出来れば(将来は)100km。

 

試作品の紹介

希望とおりの機能など今はとても出せないことがいやと云うほど分かった。とりあえず少しは走るものを作ったので紹介する。

 

外観

 

カバーを外した様子

各部の構成

 

主な仕様

既存の部品材料を使はざるを得ず、かなり苦労した。

モーター(12v、60w)はプラネタリギヤ(減速比101)を内蔵したDCモーターを使用。ペダルの踏力とモーターの駆動を切り離すため、2個のワンウエークラッチを用いた。

踏力でモーターを駆動させるために、踏み込み時のチエンの張りを検出するセンサーを開発した。

制御系は単純に過負荷時の過電流制限回路を付けるのみとした。

 

走行実験

モーターパワーが小さいため、平坦な舗装道路のみ自力走行が可能。のぼり坂でのパワーアシスト効果はかなりありそうだ。モーターパワーアップ(200400w程度)で走行性能は改善できるめどが見えた。

 

今後のターゲット

バッテリの性能アップは目を見張るものがある。モーターについてもより高性能なものが開発されている。さらに期待できるものとして燃料電池がある。小型高性能の燃料電池を用いれば、先に掲げた希望スペックはもはや夢ではない。スタンドでバイク用小型水素吸蔵パックを装着してクリーンな電動自転車ドライブができる日がもう間近にきている。できればわが手で実現できないかとあがいているのが実態だ。

 

ホームページへ