最近植物工場が注目されています。畑で野菜を栽培する場合、病気や虫による食害などを避けるため農薬を使わざるをえません。また生育が天候に左右されます。外部と遮断された場所で人工的な光源(太陽光との併用もある)を用いて植物育成を行なえば、このような障害を避けることができます。これが植物工場といわれるものです。 光源として効率のよいLED照明が比較的安く入手できるようになりましたので、室内でLED光源だけで野菜が育つかどうかの実験を始めました。 今回栽培テストに用いた野菜はルッコラとロログリーンの2種類です。培養土には市販の野菜用培養土を用いました。 また、LEDにはAC100Vで使用できる消費電力4W (白色4000K) のものを2個使用しております。明るさは60W白熱電球と同程度です。4W×2個=8Wであれば連続点灯させてもあまり電気料金を気にすることもありませんね。
太陽光がなくても成長が続くのでしょうか
ルッコラ、ロログリーンにクレソンを追加しました。クレソンは最初屋外に置きましたが、成長する葉を殆ど青虫に食べられ、見るも無残な姿になっていました。土の表面近くにいる青虫(灰色)を除去し、室内に入れました。 12月に入り、夜間は室内でも暖房を入れなければ10℃以下になります。そこで、熱帯魚用水槽に入れました。かなり効果が出てきております。クレソンは見違える程元気に成長を始めました。 右手前のロログリーンはかなりの量を間引きして食べ(人間が)ました。ほぼ生産終了です。
これまでの葉野菜栽培のまとめ (1)LED照明だけで室内での葉野菜(下記)の育成ができることが分かりました。 ロログリーン ルッコラ クレソン これから更に栽培品種を増やして行く予定です。 (2)冬季は熱帯魚水槽が利用でき、ある程度の保温効果のあることが分かりました。 (3)屋外栽培に比べて、全く虫による害が発生しないことが分かりました。 (4)病気の発生もありませんでした。 (5)LEDは24時間連続点灯です。時々霧吹きで水を与えるだけで手間がかかりません。 (6)小規模であり収穫量はわずかですが、無農薬の新鮮野菜がとれます。サンドイッチ用には最高です。 (7)室内で熱帯魚を飼うような感じで育成できます。 (8)生育の早さや収穫量などの屋外栽培(太陽光)との比較はこれからの課題です。
2011年1月に入り、最も寒い時期になりました。熱帯魚水槽で本当に種から育てられるかの実験を開始しました。種まきは1月9日、前回と同様ルッコラとロログリーンにしました。 1月15日
真冬であってもこのように発芽し成長を開始しました。 1月25日
そろそろ間引き収穫開始です。
室内の水槽での野菜の栽培実験はそろそろ終りとし、今度は規模を少し大きくし、屋外に1坪温室(1.8m×1.8m×1.8m=1ユニット)を作りここでの野菜栽培テストに着手しました。 冬場は温室内を暖める必要があります。これには暖房エネルギーが必要となります。先ず冬季の間、1坪温室を10~15℃に保つためにどの程度のエネルギーを要するかのテストを開始しました。制御及び計測のし易さから電力を用いています。ヒーターはセラミックヒーターで温度コントロールはサーモスタットを用い、15℃にセットしました。
温室は木製で、熱の放散を極力少なくするため、農業用フィルムを2重張りし、床面には発泡スチロールを敷きました。 断熱効果が充分かどうかはこれからの検討となります。
消費電力は積算電力計を用い、室内および外気温度はT型熱電対を用いてパソコンで連続記録しています(継続中)。下のチャートはその記録の一部です。
ヒーターは600Wです。この容量があれば、この温室は外気が0℃でも室内は10~15℃に保つことができそうです。勿論600Wをフルに作動させてはいません。サーモスタットで制御しています。重要なのは消費電力です。計測スタートの1月14日から2月18日(35日間)までの消費電力は221.9kwとなりました。金額にして4,755円/月となります。かなりの金額です。電気を熱エネルギーとして使うのはもったいない。目標はエコを目的としたバイオマス燃料の利用です。木質ペレットは別に報告のコージェネシステムで使用していますが、ここでは先ず木炭(または竹炭)を使用する方法を検討します。木炭であれば、邪魔な煙が出ません。下の写真は炭用のテスト用バーナー(製作中)です。これは昔家庭で使った七輪です。違うところは下部から小型ファンで送風し、側面の燃料投入口から炭を自動供給することです。点火は1kwコージェネシステムで採用したグロープラグを用いる予定です。燃料を炭とすることで発熱量の制御は風量(ファンの回転数制御)で行なうことが可能と考えています。(薪やペレットでは送風量を減らすと不完全燃焼します)
炭の燃焼による熱エネルギーは直接ファンで温室に導くか、一旦水を加熱して貯湯槽に貯め、この温水を温室に導く方法があります。今回は室温がコントロールし易い貯湯方式とします。 (1)これまでに得られたデーター 1日に要するエネルギー:6.34kwh(電力):158.5円/日・・・・・・温室の断熱効率改善が必要と思われる。 1ヶ月(30日)の電気代:4,755円 (2)今後の予定 熱交換器(温水化)の取り付けと貯湯槽(断熱構造)の設置(200L程度)
発生熱量(温水としての)の計測・・・・・熱効率の算出 温室の断熱性能の改良 燃料の自動フィードの設計、製作 (3)採算性の検討 木炭の発熱量:yyyKcal 木炭の消費量:zzzkg/日 木炭単価:qqq円/kg 1ヶ月の木炭消費量:rrrkg 1ヶ月の木炭代: 炭は木炭または竹炭を考える。 電気との比較(先ずはランニングコストの比較から): 以下続く・・・・・・
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