銀座の2000年カウントダウン

99.12.31〜00.1.1 東京・銀座
主催:銀座年こしカウントダウン実行委員会
協賛:日本バルーン協会



2000年問題との直接対決が間近に迫った99年12月31日、日本バルーン協会協賛の「銀座の2000年カウントダウン」を見学した。
JBAの協賛内容は2000年と同時に2,000個の風船を飛ばそうという計画だ。三越の裏でネット入りの風船を準備する。1つに1,000個入ったネットが2組。使用される風船も今回は各社出し合っているらしいが見分けは付かない。夜空に放つためか、色は白で統一されている。
今回は日本赤十字社と提携しており、風船には赤十字社のキャンペーン絵柄がプリントされている。Adobe(R) Illustrator(R) 8.0で制作したデータだそうで、今では風船の絵柄までDTP化されていると聞いて驚いたものだ。
ネットに詰まった風船の他に、配布用も500個ほどふくらました。これは赤十字の募金に寄付してくれた人に配られる。もちろんこれも2000年と同時に飛ばしてもらう。路上で募金が始まる。「2000年と同時に風船を飛ばしましょう」という声を聞いて次々と人が集まった。
午後11:30、2000年まであと30分だ。風船を詰めたネットが会場へと移動する。メインステージはもちろん銀座4丁目交差点だ。既にステージ前は多くの人でびっしりだ。
刻々と時が迫る。あと10分、5分、1分……。
10秒前。いよいよ秒読みが始まる。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0
会場に仕掛けられたキャノン砲が一気に火を吹き、無数の紙吹雪とテープが舞う。JBAチームもここぞと風船をリリースする。夜空に2,000個の風船が舞い上がった。感動の瞬間だ。このイベントのために手直しされた服部時計店の時計台を傍らに、大量の風船が大空へと飛び立つ。これは風船業界にとっては歴史に残る出来事であった。銀座は風船飛ばしが問題視される以前より風船飛ばしを禁止していたが、「飛ばされた風船は酸化・分解して土に戻る」と長年アピールしてきた努力が実り、ついに銀座での風船飛ばしが許可されたのだ (写真)。

終夜運転で帰路に付く。気掛かりだった2000年問題も、大きな混乱もなく無事に乗り越えることができたようで一安心だ。我が「ふう天」は見事に引っ掛かってしまったが……。