“2000 The New Millennium”
The 3rd JBAN convention
第3回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション

99.7.13〜15 東京・大田区産業プラザPIO/新高輪プリンスホテル
主催:Japan Balloon Artists Network



3回目のJBAN conventionがやってきた。今年のテーマは「2000 The New Millennium」。来る2000年をテーマにしたSF的な雰囲気での展開だ。2000年と言えば、ちょうどこの時期、世間は2000年問題対策で頭を悩ませていた頃だ (我が「ふう天」も、"99年" の次は "100年" だと表示されてしまい、見事に引っ掛かったのは記憶に新しい)。
さて今年は会場が2カ所に分かれ、昨年の会場だった羽田空港近くの大田区産業プラザに加え、品川駅近くの新高輪プリンスホテルも会場となり、ファイナルパーティーは同ホテルのホールで行われる。以下順を追って行きたい。

1日目 (7.13)
この日は仕事。梅雨がまだ明けてない東京は今日も朝から生憎の雨で蒸し暑い。会社に断って少しだけ時間をもらい、朝一で大田区産業プラザへ。受け付けを済ませ、パーティーの座席を予約する。座席指定券と4色のプラスチックコインを受け取る。この日はこれだけで現地を去り、本業に戻る。

2日目 (7.14)
2日目と3日目は休暇を取ったため時間の制約はない。今日は大田区産業プラザでコンテスト作品の見学・投票とセミナー、ワークショップだ。
2階の受け付け脇にコンテストのアレンジメント部門の作品が展示されている。12組の参加だ。奥の小ホールにはウエディングメインテーブル、ノンフレームオブジェ、フレームオブジェ部門の作品がずらり勢揃いしている。
ウエディングメインテーブル部門は6チームの参加だ。昨年はスペースの関係から写真のみの展示だったが、今回は実際の作品が飾られている。
ノンフレームオブジェ部門は、針金やアルミ棒などのフレームを使わずに作るオブジェのこと。これも6チームの参加だ。オーストラリア製のリンコルーンを使うチームもあった。
フレームオブジェ部門 (写真) は、アルミフレームを使った重厚なオブジェを競う、コンテストの中核となる部門だ。今年は釣り下げ型だ。8チームの参加。
作品に見惚れずに投票もしよう。会場には投票箱が用意されており、ここで昨日もらったプラスチックコインを使う。作品はいずれも力作揃いで、どれに投票するか迷うばかりだ。

午後からはアメリカのバルーンアーチスト、クリスタル・ナラモアさん (CBA) によるセミナーバルーン装飾の基本に参加した。バルーン周辺機材で有名な米Conwin Carbonic社の日本総代理店である名古屋の風船ショップ・アゲインの鋤柄店長が通訳を勤める。スポンサーが周辺用品メーカーということもあり、インフレータなどの周辺用品の使い方に重点が置かれている。16インチの風船を割れるまでふくらました時は狭い室内ということもあり物凄い音がした。

夕方からは盛岡の風船ショップ・バルーンスケッチの牛ア祥子さん (CBA) によるワークショップ2つに参加した。ワークショップとは実際に作品を作りながら知識を身に付ける実践的なクラスだ。
最初はクラシックガーランドから。ガーランドとはスパイラルアーチのこと (厳密には異なるらしいが)。ここで作るのは単なるアーチとは一味違い、星型のマイラーや、中に小さな風船がインサイドされたポリ風船も結び付けたものだ。カラーは宇宙と銀河をイメージしているらしく黒と銀で統一されている。牛アさんから説明の後、各自分担して作品に取り掛かる。私は星型マイラーを担当した。

続いて未来フレームオブジェだ。未来と言うから何を作るのかと思ったら、何とUFOに乗った宇宙人だ。UFOと宇宙人は別々のオブジェとして作り、完成したUFOに宇宙人君を乗せ、最後に電飾を仕掛ける。ユーモラスで楽しいオブジェ作りだった。

3日目 (7.15)
この日は朝から新高輪プリンスホテルだ。昨日に続き牛アさんのワークショップ2つに参加した。
まずバルーンシャンデリアだ。文字通り天井から吊すオブジェを作るコーナー。主に260Qを使っており、高度な技術である260Qをカールさせる方法を使う。棒状の物に260Qを軽く巻き付け、ゆっくりとふくらます。一つ間違えれば大爆発だ。260Qの爆音は本当に凄じく、ホール全体に爆音が響き渡る。ゴムが固いシルバーだったこともあり爆発する確率も高く、見ていて冷や汗ものだった。にも係わらず、腕の良い方が揃っているらしく完成が早く、予定より1時間近く早く完成した。余った時間を利用して、簡単なノンフレームオブジェを作ることにした。作るものはもちろん宇宙人君だ。数名ごとに分かれて各チーム個性ある宇宙人を作った。これはファイナルパーティーで会場のところどころに飾るとのこと。

午後からはキャノピースタイルヘリウムアーチだ。キャノピーと言えば風防のこと。つまりこのクラスでは、巨大な宇宙船のオブジェの風防部分を作るのに違いない、と思っていたが、そうではなかった。テグスに1つずつ風船を結んだ、いわゆるシングルアーチの下に水平に2個玉クラスタを結び、三角形に見えるアーチのことをキャノピースタイルと呼んでいるらしい。
ここでも色は黒とシルバーだ。20m程度のアーチを10本近く作り、それを繋ぎ合わせて1本の長いアーチに仕上げる。これはホール全体に懸け橋のような形で設置される。

これでセミナー・ワークショップは終わった。残すはファイナルパーティーバルーンバッシュ Future Fantastic 2000だ。JBAN名物のコスチュームコンテストももちろんあり、今年のテーマは未来派コスチュームだ。各自異星人やら怪物やらに変身して受け付けに集合する。
受け付けは18:30から。一旦表へ出て、会場となる大宴会場の入口へと向かう。受け付けが開き、いよいよ会場へ踏み込む。ワクワクする瞬間だ。
場内はまさに神秘的。夜空に広がる銀河と言った感じだ。薄暗い中できらきら輝くマイラーが実に良い味を出している。通路を進んでいくと、ところどころで宇宙人君がお出迎え。先程ワークショップの余り時間を利用して作ったものだ。
長いワープトンネル?を抜けて会場に辿り着き、各自席に着く。まずはカクテルタイムだ。飲めない私は例によってウーロン茶に徹する。
ステージがオープンした。司会を勤めるエイリアンが2人登場した。実はその片方はエミリー先生だった。トークの後、コンテスト結果の発表だ。作品は既にないので、スライドによる発表だが、このスクリーンが巨大風船を使っており面白かった。
続いてダンスの練習と銘打って数名の方が選ばれてステージで踊ってもらうのだが、次の瞬間バルーンドロップがあり一気にダンスタイムへと突入した。突然だったのでカメラを構える間もなく、バルーンドロップの瞬間を逃してしまった。これには一発やられたなぁと言った感じだった。さらに巨大風船の投げ合いも始まり、会場は一気に盛り上がった。時の過ぎ去るのを忘れてしまうような楽しいひとときだ。
終了のアナウンスが耳に入り、はっと我に帰る。もう23:00だ。みな速やかに引き上げてゆく。雨も上がり、からっと晴れた夏空には星が輝いていた。