JBAN CONVENTION 22nd in TOKYO
第22回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション東京大会

“CIRCUS”
夢のような世界の幕開け

2018.8.6〜9 東京・ホテルイースト21
主催:22nd JBAN CONVENTION in TOKYO実行委員会
※公式サイトはこちら


バルーンアートの夏を彩るJBANコンベンション。今年のテーマは「サーカス」。風船と相性の良さそうなテーマだ。昨年は初めて首都圏を離れて盛岡での開催だったが、東京へ戻ってきたJBANはどう変わったのだろうか。それでは出発〜

1日目 (8.6)
初日はコンテスト2部門の制作のみ。ラージスカルプチャー部門は、テーマ「サーカス」、サイズ3,000(W)×3,000(D)×5,000(H)mm、制作時間10時間、制作人数10人まで、180°デザイン、置き型(グリッド不可)、ヘリウム不可。
ヘリウムブーケ部門は、テーマ「サーカス」、サイズ800(W)×800(D)×1,800(H)mm、制作人数1人、制作時間1時間、ベース部分は完成品の持ち込みとなっている。ラージ以外の制作が初日に行われたのは初めてかな。

2日目 (8.7)
2年振りに訪れたJBANコンベンション。昨年は盛岡での開催のため参加できなかった。趣味でやっている者にとって距離は最大の障壁。20年連続して参加していた記録(外部からの参加者では自分1人だけかも知れない…)もとうとう途切れてしまった。
午前中は仕事、昼過ぎから通い慣れたホテルイースト21へと向かう。

まず3Fの受付へ。廊下と吹き抜けにはバルーンデコレーションが飾られている。今年はネット上で完全に手続きを済ませることができるようになり、申し込み時に代理店からメールで送られてきた登録確認書をプリントして持って行くだけでいい。パス引換券の発送なども不要となり事務局の負担もかなり楽になったと思われる。エントリーパスを受け取る。ノベルティ引換券も入っていたが、これはその場で引き換えてもらった。トートバッグ。今までの不織布の安っぽいもの(失礼!)と異なり、今回はしっかりした布製のもので、終わった後もいろんな用途に使えそうだ。

この日はセミナーのみで、1Fの主会場はまだ開いていない。最初のクラスは小田島沙織さんのThe☆Sketch Style!!。昨年のコンベンションのファイナルパーティーの装飾を指揮した方だ。まずスライドを使った会場装飾についてのノウハウの説明の後、数チームに分かれてLEDライトを仕込んだ簡単なスタンドをみんなで作る。
まずあらかじめ用意してあるスタンドにテープ状のLEDを取り付ける。続いて風船を巻き付けていく。大きさは適当で不規則なものでOK。さらにマイラーバルーンを仕込んでいく。音符の形や天使の羽やミリオンスターの星型もある。最後に頭にTバルーンを取り付ける。
LEDを電源に接続する。部屋を暗くしておき、各チーム揃って一斉に点灯する。リモコンでいろんな光り方に操作できるようになっている。完成した作品はセミナー会場入口に飾られていた。

次のクラスは、下野恵吾さんの皆でバルーントレインを作ろうだ。マイラーバルーンを使って汽車のオブジェを作る。初心者向けのクラスだが、ここでの作品は何とファイナルパーティーの会場で使われるそうだ。このことはパンフには記されておらず、参加者から「おー、すごーい」と驚きの声が上がる。
今回はS.A.G. Balloons社の「ウォールバルーン アドバンス」という主に壁を作るためのマイラーバルーンを使う。四隅に両面テープが付いており簡単に貼り合わせるようになっている。
まずゴンドラの部分から。展開図に従って黒いウォールバルーンを貼り合わせる。床の部分と壁の部分を分担して作成。貼り終わったら床と壁を組み合わせてヘリウムで膨らませる。コーナーになる部分は折り曲げやすいように小さめに膨らませておき、後で補充するようにする。壁の部分を立てて展開図の状態から立体の形状にする。浮かないように重りを結びつける。
次は屋根の部分。屋根は赤いウォールバルーン。同じように展開図の通りに貼りあわせて膨らます。ゴンドラと屋根はチューブバルーンという細長いマイラーバルーンを支柱にしてつなぎ合せる。これで乗り物らしくなった。
車体が完成したら車輪の部分。赤い通常のマイラーバルーンをテープで貼るのだが、色の部分にはテープが付きにくいので色を落とす。
スプレー式のパーツクリーナー(自動車用品。私事だが自転車の手入れによく使う)をティッシュに吹いて、マイラーバルーンの中心辺りを擦る。あーら不思議、簡単に色が取れる。
色が取れたらフック付きのテープを貼り、膨らまして260Qなどの細い風船で本体に結びつける。これで客車は完成。あとは乗客だ。いくつも用意されている動物のマイラーバルーンから好きなものを4匹乗せる。うちのクラスはキリン、猿、トラ、ゾウの4匹になった。
最後に各チームの客車を連結し、あらかじめ作ってあった機関車とつなげて完成。パーティー会場にどんな感じで飾られるのか楽しみだ。

2日目最後のクラスは宮崎靖浩さんのざ・すぱーくばるーん、お気に入りの特殊効果のクラスだ。毎回ファイナルパーティーの仕掛けで大活躍する「インプレッション」という装置を使う。今回はウェーブタイプと呼ばれる時間差で1個ずつ順番に割っていく仕掛けを作る。
中に5インチ風船を詰めた3フィートを20個を用意する。各チームに分かれて作業開始。まず5インチ風船。ハンドポンプで2往復膨らませ大きさを揃えたものを30個。色は3フィート風船と合わせる。用意できたらラッピングマシンで3フィートに詰め込む。3フィートの口を広げてラッピングマシンにセットする。蓋をきちんと閉めてスイッチを入れると中の空気が吸い出され、真空の原理で3フィートが膨らむ。この状態で口を広げて中に小さな風船を30個詰め込む。
次いで3フィートをヘリウムで膨らます。大きさを75cmに揃えたいのでデュアルサイザーという装置を使って膨らます。ペダルを踏むと一定量のガスが出て自動的に止まる。3フィートのような大容量には対応していないので3回繰り返し踏む。2回膨らました時点でかなりの大きさなので、3回目を踏んだ時は少し怖い。他の参加者もちょっと怖がっている。
膨らましたら口を縛って結束バンドで重りに結び、点火装置を取り付ける。火薬を使った点火玉で、早い話が花火だ。炎の噴き出る方向がちゃんと風船に向くように注意する。
点火装置には他にも種類があり、電撃タイプのもののデモも行われた。20,000Vもの高圧が流れるそうだ。ちなみに電柱の最上段に3本並んだ太い電線が6,600Vだから実にその3倍にもなる。
設置が終わったら次は配線。インプレッション本体から番号の通りに接続する。1台の装置には16本までしか接続できないので、それ以上の風船を割りたいときは複数の装置をつないで動作させる。今回は10本×2台で操作する。1番から順次割れていく。セット間隔は0.07秒。このくらいの間隔が最も美しく見えるそうだ。接続が終わったらテストする。テストモードにして電源を入れるとOKならランプが点灯する。配線よし、準備完了。
さぁ、実演だ。セミナーでは動画撮影は禁止されているが今回は特別に動画もOK。各自背後に並んでカメラやスマホを構える。みんなでカウントダウン。スイッチが押された。ダダダダダダダーン! 目にも止まらぬ速さで次々と規則正しく風船が割れていく。これは大迫力だ。花火でいえば連発花火(「スターマイン」という)。後で動画をスロー再生してみたところ、点火玉から1m以上の大きな炎が吹き出しており、改めてその威力に驚いた。火気の禁止されている場所では使えないから、そんなときは先ほどの電気点火タイプの出番なんだろうね。

3日目 (8.8)
台風接近。朝からしとしとと雨が降っている。ピークは夕方から夜に掛けてだそうだが、帰りに電車止まったりしたらどうしよう……。
さて、今日はファイナルパーティーの座席指定から。少し早めに着いて受付に並ぶ。最初に並んだ方は6時頃から並んでいたそうだ。

受付隣りではプロダクトショーケースが行われている。福袋や新製品の展示など。一際目を引くのはQualatexのクロームバルーンだ。従来のゴム風船のメタリック色はあくまでゴム製って感じだったが、これは本当に金属的な色をしておりマイラーバルーンと見間違えそうなほど。今後各種デコレーションに広く応用されるだろう。ファイナルパーティー用のTシャツを手に入れる。

3日目最初のクラスは下野恵吾さんの長期も屋外も怖くない!!から。S.A.G. Balloons社の「エア・ビルダー」という材料を用い、屋外で長期間十分耐えられるオブジェを作る。エア・ビルダーはビーチボール状の材質で四隅に穴が空いており、専用のコネクターを使って接続できるようになっている。先日のウォールバルーンが屋内向けだったのに対してこちらは屋外でも使える重装備版って感じだ。
今回はテーマがサーカスなので、玉乗りのゾウさんのオブジェを作る。最初は玉の部分から。展開図に従って組み立てる。注入口の向きを揃えたり、重ね順に注意したりとパズルのようだ。接続したらシワが4cmほど残る状態に膨らます。栓には逆止弁が付いているが栓をするときに漏れやすいので注意。内側へ折り込まれる部分は最初は膨らませず、玉の形を整えてから補充するようにする。この球型をマスターすれば他の応用に利くのでよく覚えるようにとのこと。
次は体の部分。玉の部分より枚数が多く複雑だがやり方は同じ。
顔の部分は、顔と耳と鼻をそれぞれ作って組み合わせる。コネクター穴が足りない場合は結束バンドを使ってもよい。
各パーツが完成したら、ポールを立てた土台に玉、足、体、顔の順に取り付けていけば完成。仕上がった作品は雨の降り続けるホテル入口に置かれ、早速本領を発揮していた。

1Fホールではコンテスト作品の展示が始まった。ホール入口にはウエディングウェルカムスペース部門が展示されている。テーマ「ウェルカム」、サイズ1,500(W)×1,200(D)×2,200(H)mm以内、制作人数2人まで、制作時間2時間、180°デザインで生花不可となっている。8組の参加。

ロビーにはBalloon JAMコーナーが設けられ、誰でも自由に作品が作れるようになっている。またホール入口にはフォトスポットが用意されている。今年はお月さんのオブジェだ。

ホールへ入ってみてびっくり。今回はファイナルパーティーのステージが一般来場者に開放されているのだ。サーカス小屋に巨大ピエロとCIRCUSの文字。これまでパーティー参加者の特権でもあった会場装飾を先に見てしまい、得したような損したような……(笑)。

ステージ後方では各種コンテスト作品が並んでいる。ラージスカルプチャー部門は5組の参加。ヘリウムブーケ部門は14名の参加。フォトスポット部門はテーマ「サーカス」、サイズ2,000(W)×1,500(D)×2,000(H)mm以内、制作人数4人まで、制作時間4時間、180°デザインでヘリウム不可。6組の参加。フォトスペースなので来場者が作品内に入って撮影できるようになっている。また今年も小野学園女子中学・高校バルーンアートクラブによるゲスト作品の展示されている他、マイラーバルーンの即売も行われている。

次のクラスは今田千春さんのバルーンスタンドを作ろう!。彼女も昨年のファイナルパーティーの装飾を担当なされた方だ。フォトスポットとしても使える両面デザインのスタンドを作る。材料はスタンド、鉢、オアシス、不織布、市販の園芸棒、各種風船、マイラーバルーンなど。
まずスタンドの足がむき出しでは味気ないのでマジックバルーンをスパイラル状に巻いていく。赤い160Qを少しだけ膨らまし、空気の入った部分を手で押さえながら巻き付けていく。足りなくなったら継ぎ足す。4本とも同じように巻く。市販の園芸棒も同じようにマジックバルーンを巻き付けておく。その間に他の人はマイラーバルーンを膨らませてスティックを取り付けたりなどの作業を進めていく。
鉢にオアシスを入れ、スタンドに置き、不織布で隠す。オアシスに園芸棒を挿し、トップに大きな星形のマイラーを付ける。その他のマイラーバルーンもバランス良く挿していく。
スタンドの足に2箇所、土台としてチェーンバルーンを設置する。お散歩バルーンのゾウさんを取り付ける。他のマイラーバルーンと組み合わせて玉乗りしてるような感じにする。足の間には他の風船を詰めるなどして隙間を目立たないようにする。
トップの星型マイラーにHAPPY CIRCUSと書かれた札を貼る。離れたところから見てみて隙間があるようなら小さな星形のマイラーバルーンなどで適当に埋める。
最後にバランスのチェック。ふら付いている部分があったらテープで補強して完成。

ステージでは、一般来場者向けの目玉イベントとなっているファッションドレス部門・コスチューム部門のショーが始まる。ドレス部門はテーマ「ウエディング」、サイズ1,600(W)×1,600(D)×2,000(H)mm以内、制作人数1人、モデル1人(兼任可)、360°デザイン、ヘリウム不可。7組の参加。コスチューム部門はテーマ「サーカス」で、その他の条件はドレス部門と同じだ。こちらも7組の参加。
悪天候にも関わらずステージは既に来場者で満員だ。ショーが始まる。ドレス部門の美しさとコスチューム部門の楽しさに歓声が上がる。ショーの後は来場者席を通って退場する。多数集まった一般来場者たちも「これ本当に風船でできてるの?」と驚くばかりの表情だ。

ファッションショーの後は、講師を務めるマット・ファルーンさんのパフォーマンスショーだ。面白おかしな演技に会場の子供たちも大喜び。続いてお子様向けバルーン教室もあるのだが、次のクラスの時間が迫っているので会場を後にする。

今度のクラスは野村昌子さんのイッツ ア スモール サーカス!、ファイナルパーティーで使うセンターピースを作るクラスだ。サーカスと言うからには派手なものを想像していたのだが、完成図はモノトーンであっさりしている。「大人サーカス」なんだそうだ。
まず花を作る。黒いハート形マイラーをヒートシーラーで加工したものをそれぞれ3個と2個に結び、組み合わせて花の形にし、カップに被せてアルミ棒を挿す。アルミ部分にはマジックバルーンを被せて隠す。同じものを大小各2本作る。そのうち各1本のアルミ棒の先端を曲げ、あらかじめ用意してある土台に結束バンドで結ぶ。
次に黒の5インチで4つ玉クラスターを2組作り、土台の足元に重ねる。あらかじめ用意してある大小のシルバーの葉っぱ型マイラーをその下に結ぶ。
マジカルブレスレットという束状になったマイラーバルーンを用意する。ゾウさんの絵とJBAN circusの文字がプリントされたオリジナル品だ。円柱状にして土台の上に被せる。空いたスペースに黒とシルバーの4個玉クラスターで埋める。さらにその上に小さな星形マイラーを付ける。この部分はサーカス小屋になる。
先に結んでおいた花の付いたアルミ棒を優しく曲げてお花っぽくする。小屋の少し上から黒とシルバーのリボンを四方八方へと垂らす。これはサーカス小屋のテントをイメージしている。
次に長さの異なるアルミ棒を4本用意し、11インチのポルカブラック、シルバー、ブラック、ポルカホワイトをそれぞれ結ぶ。土台に結束バンドで縛り、程よく散開するようにアルミ棒を曲げる。2本残してあった花も結び、花をイメージするように柔らかく曲げる。ところどころに葉っぱのマイラーを結ぶ。
結束バンドがむき出しなので、上からマジックバルーンを巻きつける。先ほどのバルーンスタンドと同じ要領で、少し膨らました350Qを押しつけるようにして巻き付けていく。
最後にリボンの上端にJBAN circusとプリントされた葉っぱ型と星形のマイラーを結び、ゴム風船の口元にカーリングリボンを付ける。全体を見渡してバランスを調整する。
時間は少々オーバーしたが、今回はマジックバルーンの複雑な編み込みがなかったので比較的スムーズに作れた。明日のパーティーが楽しみだ。

ステージではLIVEアレンジメント部門が始まっている。テーマフリー、サイズ700(W)×700(D)×1000(H)mm以内、制作時間40分、180°デザイン、置き型、生花、ヘリウム不可となっている。6名の参加。会場は満席だ。どんな方法で組み立てるのか、どんな作品ができあがるのか、果たして40分で完成するのか。多くの来場者の注目を集めていた。

その後もう1回マット・ファルーンさんのパフォーマンスショー。1回目とは内容が多少異なっている。さらに大人向けとしてPinterestコラボワークショップという無料セミナーが行われていた。

終日雨天ではあったが想像を超える多くの来場者で賑わった。平日でこれだけ来るなら、土日開催だったら大盛況に違いない。さて台風が近づいてきたが外の様子はどうだろうか。風は徐々に強くなってきたが雨脚はまだ弱い。房総地区では既に電車が止まったりしているところもあるようだが、都内では今のところ大きな混乱は起きてないようだ。明日朝には収まっていることを願う。

4日目 (8.9)
台風は幸い海上へと進んだようだ。明け方には雨も上がった。

本日最初のクラスは、ラリー・モスさんのシーズンのお祝い:怖いものから楽しいものまで。説明主体のクラス。ハロウィンやクリスマス向けのオブジェについてのノウハウ。簡単ではあるがハンズオンもあった。ハロウィン向けのカボチャやガイコツを作ってみる。またそれらを取り付けるための紙コップに針金を使っての吊り下げ用パーツを作ったりもした。

今日はステージでの一般向けイベントは行われないが、場内には巨大ピエロが登場した。高さ4mはあろうかと思われ、来場者たちもびっくり。ちょうど近くの幼稚園から子供たちが訪れており、ピエロが大きくお辞儀して覆いかぶさったりすると子供たちはもう大はしゃぎ。見ていると心が和む。子供らと戯れるバルーンパフォーマーの気持ちがよくわかる。

そうそう、コンテスト作品の投票を忘れちゃいけない。従来通り最も印象に残った作品の番号を記入して投票する。自分はいつも一般来場者と同じ観点で見た目の良さで投票している。この手のオブジェは技術的な面よりも第一印象のインパクトが凄く大切だと思う。なお採点の比率は講師10:参加者5:一般来場者1の割合だ。

ファイナルパーティーの準備があるため会場は11時で閉め切り。これからパーティーの準備を始めてリハーサルもして本番に間に合うのかなと気になったりもした。ついさっきまで会場で子供たちと遊んでいた巨大ピエロは早くも解体されている。儚さは風船の宿命ではある。

次のクラスは橋本真実子さんのみんなが笑顔になるホームパーティーを開こうだ。お誕生会など主に子供向けのパーティーについて。風船以外にもケーキやお菓子に飾ったりする小物も展示されている(ケーキやお菓子は模型だそうだ)。 説明主体のクラスだが、簡単なハンズオンも行う。最初に紙を折りたたんで作るペーパーファン。包装紙を蛇腹状に折り、中心を紐で縛って、扇状に広げてクリップで止める。吊るし用のパンチ穴を空けて紐で吊るす。折りたためばコンパクトに収まるので持ち運びも楽。パソコンの冷却ファンにいいかもね(笑)。
次にケーキに挿すピック。爪楊枝に紙テープを貼って旗状にする。テープは数種類の模様が用意されている。数枚重ねたり切れ込みを入れてみたりしてオリジナリティを出す。
……作業をしてうちに、おや? カップケーキが出てきたぞ。これも展示用の模型なんでしょ、と思ったら本物だって。スプレー式のホイップクリームを乗せて(こんなの初めて見たぞ)、飾りの金平糖をまぶす。さっき作ったピックを挿してみる。「どうぞお召し上がりになってください」とのことなのでありがたく頂戴した。おいしかったです。

外へ出てみる。風はまだ多少残っているものの、雲の切れ目から太陽が覗いており、暑い夏の日が戻ってきた。

最後のクラスは家泉あづささん・柴田あかねさん姉妹のキラッと目立つ! コンパクトディスプレイ。店先などに飾る小規模で移動しやすいディスプレイ用オブジェの作成。センターの大きなアレンジ1つ、コラム2本、両サイドの小さなアレンジを2つずつ作って組み合わせる。
6人ごとのグループに分かれて制作に取りかかる。うちのグループは5人+猫1匹であった(笑)。資材は季節に合わせて4種類用意あるので、どれを作ってもOK。セットに限りがあるので早い者勝ち。話し合いで春向けのピンクのが作りたいとの意見に。猫ちゃんが早速資材を取りに走る。しかしくわえてきたのは青主体の夏向けの海のオブジェの資材であった。魚のマイラーが入ってるからかな(笑)。
まずコラムの支柱の部分を作る。ここだけは各グループ共通なので見本通りしっかり作って欲しいとのこと。クイックリンクという先端に突起の付いた風船を使って組み立てる。4個つなぎ合せたものを3段重ねる。自立型のコラムなので大きさを揃えるのが大切。今回はサイザーがないので椅子を2つ並べて大きさを計る。継ぎ目は5インチの2個玉クラスターで隠す。内部の隙間に花型のクラスターの付いた風船を詰める。先端に大きな熱帯魚のマイラーを乗せ、周囲にも星形のマイラーなどで飾りを付ける。
センターと両サイドのアレンジには特に決まりはないので各チーム自由に作って欲しいとのこと。大きめのマイラーバルーンをいくつも膨らます必要があるのだが、ハンドポンプのみだとこれが結構しんどい。なかなか膨らまないのでちょっとした運動だ。
各パーツが完成したら形よく並べる。他のチームを見てみると同じ種類でもチームごとに個性があって楽しい。終わりにメンバー揃って記念撮影。

セミナーが終了したら次はいよいよファイナルパーティーへだ。
パーティー受付は17時から。1Fロビーでしばらく待つ。今回は会場入口周辺にウエディングのコンテスト作品が置かれている関係で入口の装飾はない。17時30分、会場の入口が開いた。1番乗りで会場へ。通路では大勢のピエロが歓迎してくれる。

今回は入場時のワクワク感が余りない。もちろん先にステージを見てしまったからに他ならないわけだが、一般来場者にもステージの素晴らしい装飾を見てもらえたので、ここはよしとしよう。

ステージは先日書いたように巨大ピエロ、天井にはスパークバルーンが吊るされ、各テーブルには昨日のクラスで作ったセンターピースが置かれているが、中央前列の席は上部のバルーンブーケが外されている。恐らくステージが見えにくくなるのを防ぐためだろう。

指定された席に向かう。今回も例によって後ろ向きの席だが最前列真正面に陣取った。ファイナルパーティーは味わうためのではなく楽しむためのものと考えるからだ。そうそう、今回は横向きの会場レイアウトなので会場の幅が広い。真ん中の席だと両サイドのスクリーンがかえって見にくくなってしまうのがちょっと残念。
しばらくしてオープニングが始まる。映像が流れた後、会場の奥から赤い風船を持った女の子が入ってきた。どうやらサーカスの会場を求めて彷徨っているらしい。

ステージにたどり着いたが、サーカスらしきものは見当たらない。おかしい……。彼女が寂しそうに落ち込んでいると、どこからともなく陽気な音楽が聞こえてきた。サーカス団がやってきたのだ。

彼らもステージへとやってくる。だが彼女は怯えているようだ。サーカス団は頭を抱えてしまう。さてどうしよう。何かいい案がひらめいたようだ。彼女の持っていた風船を取り上げると、魔法の呪文を唱える。そしてみんなでカウントダウンして空へと放つ。

その瞬間、「ばん!」天井に仕掛けてあったスパークバルーンが一斉に割れた。おっと、このタイミングでスパークが来るとは計算違い。彼女も笑顔を取り戻して、さぁサーカスの始まり始まり〜。

サーカス団長がやってきた。今大会の実行委員長を務めるMake Spaceの宮坂宏さんだ。まずは開会のご挨拶。

続いてスポンサー代表・米パイオニアバルーンカンパニーCOO ダン・フリン氏のご挨拶があり、同氏のご発声により乾杯となった。

しばらくディナーの後、コンテストLIVEツイスターズ部門が始まった。テーマ、サイズともにフリー、制限時間10分、挑戦者は8名。海外からの挑戦者もいらっしゃる。白熱した戦いが展開される。

その後B-pro検定試験の合格者発表。さらにコンテストの結果発表へと進む。プレゼンターは各セミナーの講師陣で、講師の紹介にもなっている。(今回進行ちょっと早くない? 既にデザートも配り始めているぞ…)

・ヘリウムブーケ部門
準優勝 松山みゆきさんの「Midnight Circus」
優勝 橋香菜子さんの「夜空のサーカス」
・ウエディングウエルカムスペース部門
準優勝 松山みゆきさんの「ラスティックウェディング 光の森」
優勝 Miki☆たけむぅーさんの「☆summer☆」
・LIVEアレンジメント部門
準優勝 岸里稲さんの「お幸せに…」
優勝 大椛淳子さんの「LOVE」
・フォトスポット部門
準優勝 Hui Shan Shanさんチームの「Star Circus」
優勝 BUBBLEチームの「サーカス!」
・ファッションドレス部門
準優勝 橋香菜子さんの「Grace」
優勝 迫川薫子さんの「Heavenly Garden」
・ファッションコスチューム部門
準優勝 野地志保さんの「It's a show time!」
優勝 渡辺由以子さんの「Enjoy!」
・LIVEツイスターズ部門
準優勝は同点でお二方。Leung Chi Fungさんの「Naughtybaby」とballoon noahさんの「ゴシック」
優勝 ひねり屋ジャッキィさんの「ビーバー」。

最後にラージスカルプチャー部門。代表者全員に舞台上へ登壇してもらう。
準優勝 慈道めぐみさん(Balloon Shop Ji'sチーム)の「Have A Fun!」
優勝 橋香菜子さん(merry balloonチーム)の「Show Time!!」(タイトル写真)。とにかく目立ったね大きなトラさん。その割に怖く感じないのは優しく微笑んでるからかな。彼女のチームは3部門で受賞という凄さだ。

続いて会場デザイン担当 BalloonMoMo 樋口百恵さんから今回の装飾について一言。
そしてJBAN旗の次の開催地の実行委員会に引き継ぐためにエミリーズバルーン深尾マリ子社長に返還する。次期開催地が発表される。次回は中部地域での開催になるそうだ。中部地域代表へとJBAN旗が引き継がれる。第20回まではエミリーズバルーンJBAN事務局主催であったが、現在は各地域ブロックが主導するようになったことが分かる。そう言えば今回も主催は22nd JBAN CONVENTION in TOKYO実行委員会と書かれている。以前からJBAN向上委員会などを開催してきたが、その1つの大きな成果と言えよう。

「次回JBANコンベンション、中部地域でお会いしましょう。それでは以上を持ちましてJBANコンベンション 22nd in Tokyo ファイナルパーティーをお開きとさせていただきます」。エンディング映像が流れる。えーっ、これで終わり!? コスチュームコンテストは? ダンスタイムは……? 会場からもそんな感じの声があちこちから上がる。
ご安心を。ちゃんと時間は確保してある。あたかも終わったかのように見せかけておいて、完全に一発やられました(笑)。

今回のコスチュームコンテストはベストドレッサーコンテスト。ノミネートされた方に舞台に上がってもらい、最も素晴らしい衣装の方に贈られる賞だ。美しいもの、かっこいいもの、可愛いもの何でもあり。さぁ誰が栄冠を勝ち取るだろうか。

そしてお待ちかねのダンスタイム。やっぱりこれがなきゃJBANファイナルパーティーじゃない。天井に仕掛けてあった気球がふわりと降りてきた。一気にテンションが上がり、みんな舞台へと上がってくる。会場後方からは「皆でバルーントレインを作ろう」のクラスで作ったバルーントレインが乗り込んできた。みんな後ろにつながって会場を練り歩く。

楽しい時間は本当に短く感じる。壇上に司会者が現れると間もなく終了時刻だ。

「以上を持ちまして、JBANコンベンション ファイナルパーティー すべてのプログラムを終了とさせていただきます。みなさま本日は本当にありがとうございました!」

大歓声が上がり、今年のコンベンションも幕を閉じる。


再び東京へ帰ってきたJBANコンベンション。盛岡での開催を挟んで、あれこれ変わったなというのが個人的な印象であった。今後は各地域で分担してそれぞれの地域で開催。次に東京へ戻ってくるのは何年後だろうか。ともあれJBANの今後のさらなる発展を願っている。

(18.9.5掲載) もどる