JBAN Convention 20th
第20回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション

“Dream for the Future”
みんなで夢をつかもう!

2016.8.1〜4 東京・ホテルイースト21
主催:Japan Balloon Artists Network
※公式サイトはこちら


夏の一大イベント・JBANコンベンション。今回は20周年を迎えた記念大会でもある。過去のレポートを見てもらえればわかると思うが、当方は初回からずっと参加している数少ない1人でもある。20年なんて本当に早いものだ。テーマは「Dream for the Future - みんなで夢をつかもう!」。未来へ向けて皆さんはどのような夢を抱くのだろうか。それでは夢の扉を開いてみよう。

1日目 (8.1)
初日は例年通りコンテスト制作のみ。
ラージスカルプチャー部門は、テーマフリー、制作時間11時間、メンバー10人まで、サイズ3,000(W)×3,000(D)×5,000(H)mm以内、置き型でヘリウムガス使用不可。昨年は10時間だったのが今年は1時間増えている。7組の参加。
テーブルデコレーション部門は、テーマ「アニバーサリー」、制作時間3時間、人数2名、サイズ1,800(W)×900(D)×2,500(H)mm(テーブル含む)、ヘリウムガス使用不可、生花不可、造花や布などのアクセント資材は利用可能となっている。こちらも7組の参加。

2日目 (8.2)
昼過ぎに会場入り。午前中からゲリラ豪雨が都内を襲っている。東京アメッシュ®を見るとイースト21のある江東区付近は猛烈な雷雨だ。大丈夫かな……? だが現地へ着いてみると既に雷雲は過ぎ去り、雨もぽつぽつと傘がいらない程度に落ち着いていた。

まずは受付。ようやくと言うか、今年からネット上の応募も可能になった。受付番号は8。エントリパックを受け取る。中身はエントリーパスとコンテスト投票券のみだが、例によってパス内にノベルティ引換券が入っており、オリジナルタオルやトートバッグなどと交換できるようになっている。

ロビーにはコンテストフィギュア部門の作品が展示されている。テーマフリー、人数1名、制作時間1時間、サイズ1,000(W)×1,000(D)×1,000(H)mm以内、シール、ペンなどは使用可能、ライセンス物不可となっている。9名の参加。

今回もエスカレーターや吹き抜けにはバルーンデコレーションが施されている。20周年オリジナルロゴ入りの風船がよく目立つ。

今回最初のクラスは、カナダのコリン・スチュワートさんの大きなスケールの企業向けバルーンデコレーションだ。企業のロゴやショッピングモールなどでの大規模なオブジェの制作についてのノウハウの説明に続いて、実際に全員でオブジェを作ってみる。
今回は巨大なスイセンのオブジェを作る。6チームに分かれて作業開始。各チームで花びらを1枚づつ作る。風船はクイックリンクを用い、19cmと14cmの2種類をそれぞれ数個つないで紐状にしたものを縦横に組み合わせて網のように組み上げていく。同じ物をもう1つ作り2段に重ねる。
花の中心部分はあらかじめ作ってあるので、ここに各チームで作った花びらを結び付けていく。直径3mはあろうと思われるかなり巨大なオブジェだ。
最後に茎の部分を作る。緑の4つ玉クラスターでコラムを作り、花に結ぶ。完成したらバトンに吊るしてみる。立ち上がると場内から拍手が起こった。

次のクラスは山下ふみこさんのペーパーアイテムを使用したバルーンスタンド。風船の他に紙で作られた小物を加え、開店祝いなどに使うスタンドを作成する。今回も数チームに分かれての作業。
まずスタンドの底に付くバケツ部の加工。不織布で覆い、オアシスという土台を押し込む。
次にアルミ棒をコの字型に折り曲げる。テーパー状のマイラーバルーンを貼り合わせる。3本用意し、角度を変えてオアシスに刺す。
星型マイラーにカッティングシートで文字を貼る。「Congrats」と「Happy」と書かれたものを2種類用意し、スティックをつけてオアシスに刺す。他にドット模様の風船を3個、スティックに付けたものを同じように飾る。
不織布の花を飾る。折りたたんである不織布の中央を260Qなどで縛り、少しずつ広げながら花のような形を作る。
紙で旗を作り、OPENの文字を入れる。両面テープで上部のマイラーバルーンに貼る。
リボンを飾る。リボンの結び方が難しく、質問する人多数。
足の部分は風船と不織布で隠す。見栄えが良くなるように適当に埋めていく。他を見回してみると、チーム間で個性が現れていて面白い。

今日最後のクラスはブラジルのルイーズ・カルロスさんのキッズパーティ装飾のシナリオ。ここではサーカス会場入口の装飾を作る。レジュメには各部の必要な風船の色と個数が詳細に書かれている。9インチと11インチの4つ玉クラスターを交互に組み合わせてコラムを作り、それを17本組み合わせて壁を作る。色を間違えないように注意。
17チームに分かれて作業開始。各チーム完成したら組み合わせていく。クリップの付いた輪ゴム状のバンドで結びつける。合体したら各コラムにポールを入れて、立ち上げる。普段この手のコラムはポールを先に立ててからクラスターを巻き付けていくことが多いが、後から入れる方法もあるのね。
カルロスさん自身が微修正を行い、あらかじめ作っておいたCircusの文字を取り付けて完成。

今年はウェルカムパーティーは行われないので、本日はこれで終了。

3日目 (8.3)
最初はファイナルパーティーの座席指定。受付オープンの1時間前、午前8時には現地に着くようにしているが、いつも2番目になる。毎年先頭に並んでおられる方は、何と6時から並んでいるというから驚く。

席を予約したら、すぐさま隣のプロダクトショーケースに入る。こちらも福袋や格安の在庫処分品を求めていつも長い列ができる。しかし自分の目的はファイナルパーティーで着るTシャツの入手。これも早いうちに売り切れてしまうことが多いのだ。

本日は午前中はセミナーが行われず、代わりに20周年記念イベントなるものが設けられている。初回から参加した者としては外すわけにはいかない。

入口で夢抽選券なるものを記入。名前と将来の夢を書いて箱に入れる。
場内はずらり椅子が並び、パーティーというより会議といった雰囲気。まず各地の会員からのビデオメッセージが流れる。次いでエミリーズバルーン吉田支配人のご挨拶。そして今回久しぶりにJBAN会場を訪れた創業者エミリー杉浦さんへ記念品の贈呈が行われた。

続いてスポンサー代表米パイオニアバルーンカンパニーのテッド・J・ブラミス副社長のご挨拶。急に場内が騒がしくなった。後ろを見てみると見慣れない着ぐるみが入ってきた。ミスターQというパイオニア社のキャラクターだそうだ。ゆるキャラって日本独自の文化かと思ったが、米国でも流行ってるのね。

その後はJBAN向上委員会の各地域マネージャーのご挨拶。そしてスペシャルゲスト・吉本興業所属の蓮華さんによるパフォーマンスショーが行われた。

最後に大抽選会。入口で書いた夢抽選券から抽選で3種類の商品が当たる。1名のみのA賞はかなり豪華な賞品とのこと。この夢抽選券はタイムカプセルとして10年後の第30回コンベンションまで保存され、夢がかなった方には記念品の贈呈が行われるそうだ。

会場後方にはこれまでのコンベンションの様子をまとめたパネルが展示されている。ぜーんぶ知ってる。20年って短いようで長いんだね。思えば第1回の頃はバルーンアートは余り知られておらず、風船は「子供のおもちゃ」「タダでもらうもの」という意識がまだ浸透していた時代。当時はネット黎明期。ブロードバンドも存在せず、電話線にアナログモデムをつなぎダイヤルアップで電話代を気にしながらネットしていたのが懐かしい。ブログやSNSなども存在せず、かろうじて個人ウェブサイトがあった程度 (当時は「ホームページ」と呼ばれたものだ)。スマホはもちろんなく、ケータイもそれほど普及していない時代。デジカメもまだまだ少なく、背面の液晶を見ながら撮影していたら珍しがられて注目を浴び、「それはビデオですか?」と聞かれたりもした。20年も経つと生活もあれこれ変わるものだ。

さて、1Fホールで行われているコンテスト作品の展示を見てみよう。
ディスプレイ部門は、テーマ「アニバーサリー」、人数4名、制作時間3時間、サイズ2,000(W)×800(D)×3,000(H)mm、ヘリウムガス使用不可となっている。7組の参加。
ヘリウムブーケ部門は、バースデー部とウエディング部に分かれており、両者とも人数1名、制作時間1時間、サイズは全体800(W)×800(D)×1,800(H)mm以内、ベース部分200(W)×200(D)×200(H)mm以内で、ベース部分は完成品を持ち込みとなっている。バースデー部7名、ウエディング部8名の参加。

入口の投票箱の隣には今回もトラベルジャーナル学園ホスピタリティツーリズム専門学校テーマパーク科と小野学園女子中学・高等学校の皆さんによるラージスカルプチャー作品が展示されている。その両者の作品の間の扉をくぐるとジャムルームになっており、誰でも自由に作品が作れる。外からは中の様子が伺えないので、ちょっと分かりにくかったように思う。

気分転換に外へ出てみた。綿菓子のようなふわふわの雲が夏らしくていい感じだね。


午後からのクラスは、エミリーズバルーン創業者・エミリー杉浦さんの未来への夢。実現できるか? それはあなた次第です!。久しぶりにエミリーさんにお会いした。風船との出会い、そしてエミリーズバルーンとして創業するまでの数々のストーリーが語られた。

このクラスの直後にコンテストツイスターライブ部門があるので急いでステージへ向かうが、既に始まっており残り3分という状態だった。テーマ、サイズともにフリー、制限時間5分、挑戦者は7名。おなじみの方々に加え海外からの挑戦も。ステージは数字のマイラーバルーンがいくつも吊られている。「5+3+7+5」とか「8+2+9+1」とか。いずれも数字を足すと20になるように作られてるのね。

一般来場者向けのイベントとして、今年もフォトコーナーが設けられている。昨年が海だったのに対し、今年は空がテーマだ。青空をバックに飛行機のオブジェに乗って撮影できるようになっている。またスタンプラリーも行われている。イースト21各所に設けられた5つのスタンプを集めるとマイラーバルーンをプレゼント。

次のクラスはコリン・スチュワートさんのパーフェクトバルーンドロップを成功させよう!。ご自身で開発されたドロップ用ネット「RELI-A-DROP」という製品を使う。リリース、ドロップどちらにも使える。まずリリースから。ネットの開口部を上にして、ヘリウムで膨らました風船を詰める。紐を引っ張るとネットの口が開いて風船が浮かび上がる寸法。
次はドロップ。今度は大型のネットを使う。3フィートが楽々入ってしまう大きなもので、何でもいいからとにかく目いっぱい詰め込む。バトンに吊るして天井まで持ち上げてドロップ実演。みんな後ろへ下がって撮影しようとするが、今回はネットの真下で構えさせてもらった。下からバルーンドロップを見るなんて余り体験できないだけに貴重だね。

1Fホールでは子供向けのバルーン教室が行われている。講師は今年も松村靖子さん。大好評で毎回すぐに満員になるらしい。今回は飛行機を作る。あらかじめ膨らました風船が配られる。うまくできない子はスタッフがサポートする。この子たちは未来のバルーンアーティストなのかも知れない。

3日目最後のクラスは大瀧はるみさんのファイナルパーティ テーブルセンターピース Eagle Claw。明日のパーティーで使うセンターピースの作成。
完成見本が置かれている。今回はマイラーバルーン主体で260を捻るような箇所は1つもない。これなら楽勝? さて如何に。
ミリオンスターという主に星型を作るための尖ったマイラーバルーンを使うが、さらに鋭い感を出すためにヒートシーラーで圧着して不要な部分を切り取る。この不要な部分は当初捨てられる予定だったが、何かに活用できないかということで、空気を入れてみたところ、爪のような鋭い形になった。今回はそこに着目。夢をつかみ取るための「鷹の爪」を表現してみようということに。
各自1つずつ作成。テーブルには既にアルミ棒とオアシスがセットアップされた土台が置かれている。ヒートシールは時間が掛かるのであらかじめ加工済みのミリオンスターが配られる。まず8本膨らます。吹き込み口は折り曲げて本体にセロテープで貼って隠す。2本ずつ結んだものを4つ、つまり8本を組み合わせて星型にする。同じものを2組作る。
爪の部分は膨らまし済みのものが配られるが、練習用に1つだけ空気の入っていないものが入っている。周囲が完全にシールされているので、まず空気の入口になる部分だけ切って穴を空ける。小さなポンプで膨らまし、ヒートシーラーで仮圧着する。挟んだままスライドさせ、空気が張った状態でもう1度圧着する。シーラーにとっては過酷な使い方ではある。
爪を5本束ねてテグスで縛り、先に作った星と合体させる。5インチのゴム風船をポンプ1押しで小さく膨らまして、4個玉クラスターにする。これを星の結び目を隠すように付ける。同じものを2組作る。
土台のアルミ棒の先端に星を1つ、中ほどにもう1つを結び付ける。土台には両面テープでクレセントバルーンを貼る。
針金の先端を折り曲げ、260を被せる。緩やかなカーブを付けて造花と一緒にオアシスに刺す。鳥の巣状の飾りでオアシスを隠す。最後にアクアバルーンを隙間に合わせた大きさに膨らまして、星の間に入れてテグスで結べば完成。
今回は捻りとかがないので比較的楽に作れた。時間は少し過ぎてしまったが。さて本日はこれで撤収。席を離れようとしたら、同じテーブルの女性から「持って帰らないんですか?」と声を掛けられた。え、持ち帰っちゃ駄目でしょ。明日のパーティー本番で使うんだから(笑)。


4日目 (8.4)
最終日。プロダクトショーケースで入手したTシャツを着て会場へ向かう。ちょうど朝ラッシュなのでサラリーマン諸氏にはいい宣伝になってますな(笑)。

本日最初のクラスは、pOpOさんのパフォーマンスを始める第一歩☆。部屋へ入ると机はなく椅子のみが円状に配置されており、他のクラスとは明らかに雰囲気が異なる。レジュメを見ると音楽に合わせてパフォーマンスショーの要領で発表会とある。もしや1人ずつ舞台で? おいおい、何だか参加するクラスを間違えたようだぞ、大丈夫か……(笑)。
まずはpOpOさんのステージから。実際のステージをパフォーマーの視点から見ることで多くのことを学び取ってもらう。大切なのはお客さんとコミュニケーション。自分だけのパフォーマンスでは成り立たない。そこで今回は最初にコミュニケーション術を身に着けるために「シアターゲーム」と呼ばれるものを行う。
まず立ち上がって全員で場内をランダムに歩く。pOpOさんの止まれの合図でピタッと止まる。
次に同じように歩き回り、pOpOさんの言った人数に合わせたグループを素早く作る。意外と難しく仲間外れが出たりする。
続いてありがとうコール。2人ずつ組んで向かい合い、1歩ずつ後退しながら「ありがとう」を言う。離れるにしたがって伝え方が変わってくる。
今度は「人間知恵の輪」。数名でグループを作り、目をつぶる。スタッフが手と手を繋いでいく。目を開けるとグループの腕が複雑に繋がっている。うまく解くことができるかな。5〜6人なら簡単なのだが、10人以上になるともう大変。
最後に「ピンポンパンゲーム」。5〜6人のグループを作る。まずリーダーが手を頭上で合わせて「ピン!」と叫んで飛ぶ。続いて左隣の人が「ポン!」と言い腹を叩く。今度はその左隣の人が「パン!」と叫んで任意の人を指す。これの繰り返し。単純だけど間違えやすい。ミスした人は脱落。誰が最後まで残るかな。
これらシアターゲームは、実際に企業の新入社員研修などでもよく行なわれているとのこと。零細企業一筋の自分には初めてなだけにとても新鮮な印象であった。
今度はみんなでバルーンパフォーマンスを行ってみる。1人ずつステージでではなく、その場で作る。ああ、よかった(笑)。pOpOさんが実際にステージで使っている曲に合わせて各自作る。花の上に載った犬、うさぎ、ゾウさん。実は犬を作るのは初めてだったりする(笑……でも本当)。曲の間にいくつ作れるか。早ければいいというものではない。やはりここでも大切なのはお客さんとのコミュニケーションをうまく取りながら作るということ。「これ欲しい人?」「よし、じゃぁ君にあげよう」などとシミュレートしながら取り組んでみる。
最初は不安ではあったが、終わってみると最高の満足感。技術系とはひと味違う抜群に楽しいクラスであった。

次のクラスはエミリー杉浦さんの空間デザイン。大きなスペースを短時間で!効率化がキー!!。説明主体のクラス。コンテストの作品は高い完成度が要求されるため丁寧に作るが、実務では限られた予算や時間で完成させるために切り捨てなければならない部分もある。例えばコラム。通常は風船を押して丸く形を整えてから作るが、水滴型のままの状態で作っても先方には見分けられない。こういう余り目につかない細かな部分を切り詰め効率を上げることが大切、などなど。終わりに代表者3名に簡単なブーケを作ってもらい、コストを計算してみる。

1Fホールでは、バルーン☆パフォーマ→ ともちゃんさんのショーが始まった。席は既に子供たちで既にびっしり。
コンテスト投票まだの人、14時までなので忘れずに投票してね。

午後からのクラスは、松村信顕さんの改めて演出の基本。みんな大好きな特殊効果のクラス。まずドロップ用ネットの準備から。一口にネットと言っても、昨日のクラスで使った「RELI-A-DROP」の他にも「丸ネット」「アーチネット」「ボスネット」などいろんな種類がある。
次はエアロバルーンについて。設置方法、入り方、割るための仕組みなど。繰り返し何度も使えるが、音が出ないからどうしてもゴム気球に入りたいという人もおられるらしい。
その次にスパークバルーンについて。コラムに乗ったスパークバルーンが既に準備されている。これにインプレッションという無線式の風船割り機を仕掛ける。
もう1つ、ヘリウムで膨らました観測気球も用意されており、こちらは引き割りという方法を使う。風船に紐を糊付けし、ふわりと浮き上がったところで下から引いて割るという寸法。この方法は生地が薄くて柔らかい観測気球ならではのやり方。
最後に披露宴を想定して実演。新郎新婦を演じる人、エアロバルーンを割る人、インプレッションを操作する人、ドロップする人、引き割りする人、それぞれ分担を決めて取りかかる。 まずエアロバルーンから新郎新婦が登場。続いてコラム上のスパークバルーンがバン! さらに頭上からバルーンドロップ。行進が終わったところで気球が浮かんでボン! 素晴らしい、大成功だ。

以上でセミナーはすべて終了。1Fホールでは昨日に引き続きバルーン教室が行なわれている。その次は最後のステージとなる愉快なピエロのBAN BAN & オチャラケMOMOCOさんのショーだ。巨大風船の中に入ったまま脚立に飛び乗ったりと、大技小技の連続で子供たちから歓声が飛ぶ。
さてファイナルパーティーへ向かおう。入口の左右には花瓶のオブジェが並ぶ。扉が開いた。今回も1番乗りで入った。マイラーバルーンのトンネルを抜けると会場だ。

会場装飾は、まずシンプルだなというのが第一印象。20周年ということで原点復帰なのかも知れない。ステージにはマイラーバルーンの仕掛け、背後には20th JBANの文字。この文字は小さな風船のクラスターを各種組み合わせで作られており、歪まずにきちんと文字の形を出すのは大変だったのではないだろうか。天井にはスパークバルーンやミラクルウイング、それに昨年も使った3フィートのアクアバルーンが釣られている。これはふわりと降りてくるのかな。各テーブルには昨日のクラスで作ったセンターピースが乗っている。

ステージが始まる。毎年のことながら映像が素晴らしい。ステージ背景の20th JBANの文字がくるりと回って絵が出てきた。海原を行く帆船の絵だ。スクリーンは「私たちは果てしない宇宙の中を進む宇宙船のように」なのだが、ま、いいか。いつものような遊び心は少なく、シリアスな大人のパーティーといった感じを受ける。

まずはエミリーズバルーン深尾マリ子社長のご挨拶。今回は史上最高の500名にも及ぶ参加者での開催だそうだ。「『ポケモンGO』をやっている場合ではございません」とユーモアを交えつつも、驚くべきお言葉があった。何と来年からはJBANコンベンションは地方巡業となり、次回第21回は東北での開催になるという。これまでずっと東京か横浜と都内近辺で開催されており、全く予想してなかっただけに驚いたものだ。

続いてスポンサー代表米パイオニアバルーンカンパニーのテッド・J・ブラミス副社長のご挨拶。ミスターQも駆けつけた。そして乾杯。

ディナーの合間に講師紹介、スポンサー紹介が行われる。またB-pro検定試験合格者の発表、記念品の贈呈も。

コンテスト結果発表がやってきた。まずゲストとして毎回素敵な作品を提供してくださっている小野学園女子中学・高等学校とトラベルジャーナル学園ホスピタリティツーリズム専門学校テーマパーク科の皆さんにインタビュー。続いて結果発表に入る。
ヘリウムブーケ・バースデー部門の優勝は猪股杏加里さんの「Happy Birthday」。
ヘリウムブーケ・ウエディング部門の優勝は橋香菜子さんの「和 wedding」。
ツイスターライブ部門の優勝はバルーンアーティストtomoさんの「YOKOZUNA」。
フィギュア部門の優勝はひねり屋ジャッキィさんの「たぬき」。
テーブルデコレーション部門の優勝はBalloon Studio MARCO (feat.Hananekoan) チームの「Sanctuary of Angels」。
ディスプレイ部門の優勝はBalloon Studio MARCO (feat.Hananekoan) チームの「Femme Fatale」。2冠である。
さぁ、メインとなるラージスカルプチャー部門の発表だ。各チームの代表者に登壇してもらう。準優勝は野村昌子さん率いるFuwaFuwaチームの「夢飛行」。飛行機に乗ったタヌキさん (アライグマ?)。
そして優勝はmerry balloonチームの「colorful dream」(タイトル写真) に決定。幸福を呼ぶ青い鳥。高さ制限いっぱいに作られた白いアーチも目を引いた。初出場で優勝。メンバー全員に登壇してもらう。もう涙が止まらない。受賞者の皆さん本当におめでとうございます。

第2部はコスチュームコンテストに変わって新企画パフォーマンス90secバトル!。東西陣営に分かれて90秒間のバルーンパフォーマンスを繰り広げてもらう。判定はMC担当USKさんの独断で。スクリーンの演出も凝っておりなかなか楽しい。4組対戦が終わったところで結着が付かず、決勝戦を行うことに。セミナー講師の援軍を呼ぶ。東軍は家泉あづささん、西軍はイタリアからやってきたフェデリコ・オニーダさん。決勝は全員で競う。数多く作った方が勝ち。作るものはマジックバルーンの基本中の基本「犬」だ。さぁスタート。両陣営、ビデオを早回ししたような手さばきで次々と犬が作られてゆく。完成品は籠に入れる。90秒経過で終了。参加者も一緒に1つずつカウントする。まるで運動会の玉入れだ。結局22対22で勝敗は付かず引き分けとなった。

続いてお待ちかねのダンスタイムだ。天井のスパークバルーンが一斉に割れて紙吹雪が舞い、盛り上がりは絶頂を迎える。ステージには数字のマイラーバルーンが大量に放り込まれた。さぁみんな気合が入る。

楽しいひとときはあっという間に過ぎ去り、司会者が登壇すると間もなく終了だ。今回は会場装飾の担当者のインタビューなどは行われずに映像が流れる。エンディングテーマはAKB48の「365日の紙飛行機」。今年のフォトスペースのテーマが空だったり、バルーン教室は飛行機だったりしたので、この曲が来ると予想していたのだが、まさにその通り。他の参加者も予想通りで思わずニヤリとした人が多かったんじゃないかな。

後で聞いた話だが、今回の装飾担当はエミリーズバルーンの伊藤将能さんとのこと。JBANを初期からずっと支えてきた立役者でもある。

「それではまた来年お会いしましょう!」
……これで今年も1つの夏が終わった。


20回目を迎えたJBANコンベンション。バルーンアーティストにとっては1年間の成果を思う存分披露できる、まさに夢の舞台。新たなスタートラインに立つということで、次回から東京を離れ地方での開催となり、どのような方向へと進化していくのだろうか。
未来へ向けて、JBANはこれからも躍進する。みんなでもっと大きな夢をつかむために。

(16.8.17掲載) もどる