“お菓子の国”
JBAN Convention 13th
第13回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション
09.8.3〜6 東京・ホテルイースト21
主催:Japan Balloon Artists Network
※公式サイトは
こちら
13回目を迎えたJBAN Convention。今年は再び東京へ戻り、イースト21での開催。昨年のファイナルパーティーでは「来年も横浜でやります!」と珍しく次回予告があったが、「開国博Y150」などのイベントが多い横浜では会場の手配がうまく行かなかったのだろう。個人的には横浜開港150周年記念事業の一環として、ぜひ横浜でやって欲しかったと思う。
さて、今年のテーマは「お菓子の国」。先月行われた「ツイスターズ2009 in ところざわ」(以下「ツイスターズ」) のテーマが「スイーツ」だったので、偶然なのか良く似たテーマでの開催だ。ここ数年は6月に開催されていたが、やはりJBAN Conventionは暑い夏の開催というイメージがあるので、8月の方が似合ってるように思う。
初日はコンテスト、ラージ・スカラプチャー部門およびノンラウンド・スカラプチャー部門の制作が行われた。
ラージ・スカラプチャー部門は、テーマ「お菓子の国」、床置き型、サイズ4,000(W)×5,000(H)×3,000(D)mm (60立米)、制作時間15時間 (3日10:00〜20:00、4日10:00〜17:00 (各日とも休息1時間を含む))、人数8人まで、メンテナンスなしで8月6日まで展示できるものとなっている。
|
|
ちなみに昨年は4,000(W)×4,000(H)×4,000(D)mm (64立米)、20時間、10名だったので、若干スケールダウンしているようだ。6組の参加。
ノンラウンド・スカラプチャー部門は、テーマなし、床置き型、サイズ2,000(W)×2,000(H)×1,500(D)mm、制作時間6時間、人数4人まで、メンテナンスなしで6日まで展示できるもので、この部門はラウンド風船以外を使用することが絶対条件になっている。こちらも6組の参加。
|
2日目は午後から。午前中は本業のため会社で仕事だった。本来はこの日も休暇を取ったのだが、盆休みを目前にして何かと忙しいので急遽出社になってしまった。昼で何とか抜け出し、2年振りに下町へやってきた。空は曇天。梅雨明けしたのに雲の多い日が続いている。夏大好きな私としては早く真夏の太陽が欲しい。夏はやっぱり暑くなくちゃ。
受け付けを済ませる。今年もフルパックでの参加だ。パス引き換え券と引き換えにエントリーパックを受け取る。中身はいつもとほぼ同じでエントリーパス、レジュメブック、オリジナルトートバッグ、コンテスト投票用紙、ファイナルパーティー座席指定券などに加え、今回は「お菓子の国」ということでオリジナルキャンディーが入っている。遊び心があっていいね。
ホールでは昨日に引き続きラージスカラプチャー部門の制作に加え、この日はヘリウムブーケアレンジメント部門、ブライダル部門、バルーンBOX部門の制作が行われた。
ヘリウムブーケアレンジメント部門は、テーマ「お菓子の国」、サイズ800(W)×800(D)×1800(H)mm、人数1名、制作時間1時間、造花、布などのアクセント資材の使用可となっている。26名の参加。
ブライダル部門は、テーマなし、サイズ3,500(W)×2,500(D)×3,000(H)mm、人数3人、制作時間4時間、バルーンをメインとした装飾、生花、造花、布などのアクセント資材持込可となっている。6組の参加。
今年新登場のバルーンBOX部門は、テーマ「お菓子の国」、サイズ280(W)×280(D)×480(H)mm、人数1名、制作時間1時間となっている。20名の参加。
さて、どんな作品ができ上がるだろうか。展示が楽しみだ。
午後からはセミナーが始まる。昨年はセミナーが4タイム14クラスと少なかったが、今年は8タイム32クラスと非常に充実している。
最初のクラスは第5回ラージスカラプチャー部門優勝作品「ダイナソー」の宮崎靖浩さんによるワークショップ何コレ!? 新しい「感動の演出」を作っちゃお!だ。大好きな特殊効果のクラスだ。ファイナルパーティーが行われるホールAでの開催。どんなものを作るのかは不明。センターピースに仕掛けを組み込んだ程度のものかと思ったのだが、参加者を待っていたのは、巨大風船に紙吹雪を詰め込んでボンッという、これぞ特殊効果の王道ともいえる内容だったのだ。会場には既に仕掛けが済んでおり、JBAN 13thオープニング記念として一発豪快にやるそうだ。光と音楽に合わせて風船がするすると上昇し、頂上に達すると大爆発。中からひらひらと変わった形の紙吹雪が降ってきた。そうそう、コンテストとセミナーが別々の日に始まるJBANには開会セレモニーがなかったんだよね。
今度は参加者が作る番。数チームに分かれて作業を開始する。まずは練習として、3フィートの風船を使って作業を進める。ラッピングマシンを使って紙吹雪を詰める。8の字型をした変わった紙吹雪だ。ゆらゆらと落ちてくるようにあらかじめ広げておくのがコツ。
|
|
紙吹雪を入れ終わったら、今度は割るための仕掛けを作る。ミラクルカッターというテグスが巻かれた土台に火薬球を仕掛ける。点火するとリールをロックしていたテグスが焼き切られ、風船が上昇し始めるという寸法だ。そして風船にも火薬玉を仕掛ける。割るための火薬だ。配線のチェックを忘れずに。
仕掛けが完了したら、各チームの高さを合わせる。美しく見せるためには欠かせない作業だ。すべて完了したら配線をリモートスイッチに接続する。スイッチは2つ。ロックを解除するためのものと風船を割るためのものだ。
音楽が鳴り、照明が輝く。曲に合わせて1つ目のボタンを押してリリース、そして頂上に達したところでもう1つのボタンを押して風船を割る。このタイミングはかなり難しいかも知れない。「ばーん」大きな音を立てて風船が割れ、大量の紙吹雪が舞った。不発のチームなし。成功だ。
次はファイナルパーティーで使う本番の仕掛けを作る。今度は24インチの黒い風船を使う。先ほどと同じ要領でラッピングマシンを使い紙吹雪を詰めてゆく。しかし時間が残り少なかったため、余り個数を作れずに終了時刻になってしまった。
壁の向こうではファイナルパーティーの準備が行われている。本番が楽しみだ。
次のクラスは、牛崎祥子さん (CBA) のお菓子なパーティ!だ。これもファイナルパーティーで使うオブジェを作るワークショップ。今回はお菓子の国ということで、モカビスケット、ココアビスケット、アイスクリーム、雲のオブジェの4種類を作る。数名ずつのグループに分かれて作業を行う。私はココアビスケットの担当になった。大小2種類の4つ玉クラスターを7段、テグスでまとめる。フレームを使わないので歪みやすく、形を整えるのが結構大変。これを3本組み合わせて輪ゴムで縛り、四角いビスケット状のオブジェを作る。最後にマジックバルーンでBISCUITと文字を入れる。自分のイニシャルを入れたりなど、適当な文字にしても構わないとのこと。よし、じゃぁ「ふう天」とでも書こうかと思ったが、残念ながら私にはそれを作る技術はない。他のチームを見回すと、楽しそうに作業が進んでいる。どうやらココアビスケットは最も難易度の高い作品だったようだ。
各チームとも無事完成。これは天井の装飾に使用される。
2日目はこれで終了。急いで帰路に着く。なぜ急いでるかって? これから会社に戻って再び仕事しなければならないからだ。最寄の東陽町駅では浴衣姿のお姉さんをよく見かける。今日は「江東花火大会」だそうだ。何を隠そう、私は花火マニアでもあったりする。特殊効果が好きな人は花火も好きだという人が多いんじゃないかな。1日に行われた地元の「いたばし花火大会・戸田橋花火大会」のフィナーレの写真を挙げておく。壁紙にどうぞ。
Canon EOS40D + EF17-40mm f/4L (1600x1200pix. 325kB)
|
3日目と4日目は休暇を取ったのでのびのびと参加できる。
まずはファイナルパーティーの座席指定。受付開始は9:00から。今回は早いうちからかなり長い列ができていた。いつもの場所を取る。
今日最初のクラスは、おちゃっぴいほりこしさんのH&R ちょっとだけよ! 入門だ。バルーンパフォーマーとしてお馴染みの方だが、JBANで講師を勤めるのは初めて。開始時間までまだ若干余裕があったので、まずは簡単な手品を披露。少しの時間も待たせないで楽しませようとするあたり、さすがはパフォーマーだ。
本題の「H&R」とはハート&ラウンドという意味だが、「早くて楽」という意味でもあるそうだ。まず260Qのバブルを継ぎ合わせたブレスレットを作る。続いて「バルパッチン」という簡単なおもちゃ。マジックバルーンの先端をふくらまして結んだだけの非常に単純なものを引っ張って「パッチン」と飛ばすわけだが、子供たちにはこういう単純なものがよく受けるそうだ。
次は5インチラウンドと646Qを使った「おきあがりこぼし」。5インチの結び目を646Qの頭から押し込んでゆき、結び目でつかんで止める。いわゆるチューリップツイストというテクニックだ。646Qの余った部分を巻いてゆき結び目に詰める。これが重りになるそうだ。
今度はお菓子の国ということで「ペロペロキャンディ」。マジックバルーンを要領よく渦巻状に丸めてゆく。ちょっとしたコツがあり最初は難しいが、見栄えはとてもよい。これを手にした子供が本当になめようとした、なんて話もあったそうだ。
その次は160Q、260Q、ラウンドとハートを組み合わせた「蝶」。やはりボディの部分はチューリップツイストで作り、ラウンドとハートのクラスターで羽の部分を作る。
最後にリンコルーンという先端に突起の付いた風船とマジックバルーンを組み合わせて「蜂」を作る。マジックバルーンで8の字を作り羽根にする。この部分を使って背負うこともできるそうだ。
各クラスとも、でき上がった作品はセミナー会場前の展示台に飾られていた。
コンテスト展示会場がオープンしたので、早速作品を見てみよう。会場手前にヘリウムブーケアレンジメント部門、向かって左手にラージ・スカラプチャー部門、中央にノンランド・スカプチャー部門、右側にはブライダル部門が並んでいる。バルーンBOX部門はロビーに並んでいる。スペースに十分余裕があり、ノンラウンド部門は背面からもじっくり見ることができる。今年も力作揃いでどれに投票するか迷ってしまう。投票は従来通り、各部門ごとに最も良かった作品を選んで投票する。
また特別協賛として、小野学園女子中学・高等学校バルーンアートクラブによる作品も展示されていた。プロの作品と比べても決して見劣りのない素晴らしい完成度であった。
|
|
次のクラスは、前野るり子さん (CBA) によるワクワクおやつタイムだ。初級コースだが、各テーブルにはドーンとフレームが置かれている。今回は6人のチームになり、ファイナルパーティーに飾る巨大なケーキのオブジェを作ってもらおうというものだ。2段重ねのケーキを半分に切った形のオブジェで、フレームはあらかじめ上段、下段に組み立てられており、両者を組み合わせて結束バンドで固定する。そこに風船を巻きつけてゆく。今回は2個玉クラスターを使い、色の組み合わせは自由。横よし縦よし斜めよし、各チームで決めて構わないとのこと。うちのチームでは縦に組み合わせることになった。きれいにラインが出せるであろうか。最後にハート形マイラーなどで飾りを付ける。とても楽しいクラスであった。
受け付け隣りのホールで行われているプロダクトショーケースを見てみよう。各社最新のラインナップが並んでいる。人気があったのがミステリーバッグ (福袋) と在庫処分の2,000円、3,000円均一コーナーで、前者は5日は1時間と経たないうちに売り切れていた。
また昼休みにはスペシャルレッスンとしてミニセミナーも行われた。5日はベルギーから来たルック・バートランドさんによる「シンプル・キュービック」と、イタリアのアルベルト・ファルコンさんによる「ハートで作ろう」だ。参加無料であり、どちらのコーナーも多くの人が集まっていた。
午後からは、おちゃっぴいほりこしさんのおちゃっぴい的バルーンハット!が始まる。また最初に簡単な手品があり、それから本題。魔法のキーワード「おひなくこ」を使って作品を作ってゆく。まず基本となる土台の部分。次にサンタクロースの帽子。そして最後に646Qを使った大きな魚の帽子だ。先日の「ツイスターズ」のパフォーマンスコンテストで、おちゃっぴいさんの「おさかな天国」で使われていたものだね。646Qはふくらますのが大変なので、あらかじめふくらました状態で用意されていた。これを3本束ねて捻るのはかなりの力が必要。みんなうまく作れたかな? ん? 私はだって? ……余り深く聞かないでください (冷や汗)
プロダクトショーケース会場ではお楽しみ抽選会が行われていた。エントリーパスに入っている抽選券を抽選箱に入れる。昨年は全員で行われたため、当っても当選者が出て来ずに時間が掛かったが、今年は考えたね。賞品は再抽選なしに全員にもらわれていった。
今日最後のクラスは、アメリカのドン・コールドウェルさん (CBA) によるオータム&ウインター“おいしい”コレクション!だ。これもハンズオンクラス。サンタクロースのマスクとモンスターのマスクを作る。さすがに上級とあって難しい。私が作ったモンスターのマスクなんて全く形になっておらず、まさに怪物のような状態。後で会場前の作品台にさりげな〜く置いておいたが、それを見た人は「これは何なのかしら……?」 アチャーッ(笑)。
|
最終日。最初のクラスは、細貝里枝さんのバルーン+小物で魅力的なセンターピースから。ファイナルパーティーで使うセンターピースを作るクラスだ。中〜上級コース。テーブルには資材がびっしり。花屋さん出身の方とあって、造花を主体に飾り付けを行う。
まず土台を不識布で包む。次に土台に置くスポンジにマジックバルーンを十字型に巻きつけ、包装紙で覆い、土台に置いて不識布に穴を開けて裏側で結ぶ。
次に5インチ風船6個でクラスターを作り、土台の先端に取り付ける。
リボンを結んで160Qで縛る。5インチ風船3個でクラスターを作り、そこに飾り、土台に置く。
続いて5インチ風船3個をネックの部分で切り取り、U字型に曲げた針金を通す。針金を丁寧に曲げながら、葉っぱの形を作る。
今度はバラの花を作る。長めの針金に350Qを被せる。途中で破れたりしてかなり難しい。これを螺旋状に丸めながら、バラの花びららしく仕上げる。ここはセンスが必要か。私のはバラというよりとぐろを巻いたヘビのようになってしまった。同じものを3個作る。
カーネーションの花のようなものも作る。5インチラウンドを2つに切って針金に刺し、花びらに見えるような感じで広げてゆく。これも難易度高い。
材料が揃ったら土台のスポンジに刺してゆく。バランスよく組み立てるのはなかなか大変だ。
時刻は大幅に過ぎて1時間くらい余計に掛かった。この後、先端にTバルーンのブーケを付けるそうだ。完成品はファイナルパーティーで披露される。
昨日に引き続き、プロダクトショーケースではスペシャルレッスンが行われている。今日はドン・コールドウェルさんの「ドン・クッキング」とトゥニー・バブルスさんの「シークレット」だ。前のクラスが長引いたためどちらもほとんど見れなかった。
最後のクラスは、太田友子さんによる見逃せない発表会の仕事!!だ。入口では太田さんから「マカロン・ダミアン」というお菓子が参加者全員にプレゼントされた。フランスからの直輸入品で、日本では発売されていないものだそうだ。
このクラスでは、ピアノやバレエの発表会などで花束のような感じで使う「バンチ」というオブジェを作る。バンチとはエアでふくらました風船にスティックを付けて束ねたもの。ここではバレエの発表会を想定して作業を進める。
まず針金にチュールを付け、フローラルテープで巻きつけて固定したものを3本作る。
次にマイラー風船に靴の絵の付いたシールを貼る。同様に靴の絵のプリントが付いた5インチ風船もふくらます。これは透明なので、内側に色の付いた風船を入れて2重にして使う。ふくらましたらスティックに取り付ける。さらにハートやラウンドの5インチ風船をいくつかふくらまし、スティックに取り付ける。
準備ができたらスティックを束ねて持ち、不識布の包装紙で包んで手元をリボンで縛る。さらに全体を包装用フィルムで包んで、リボンで飾りを付ける。
イビツな形になってしまうのはいつものこと。これも展示台に置いておいたが、見た人はきっと「?」な表情だったことだろう (冷や汗)。
これでセミナーはすべて終了。参加者はそれぞれファイナルパーティーへ向けて準備を始める。受け付け前には自由に使えるマジックバルーンコーナーが用意されており、ここでバルーンコスチュームを作るのもいいだろう。
パーティー会場のオープンは17:30から。開場前からロビーは多くの参加者がまだかまだかと待っている。会場が開いた。入ってみよう。手前のプロダクトショーケースが行われていたホール前室は喫煙コーナー。本当の会場の入口に向かって646Qを使ったお菓子のオブジェ (スタッフによると「ポッキー」だそうで) が立っている。会場へ入ってみた。まず目に付いたのは、圧倒的な存在感でステージ前に並んだ3フィート風船の壁。これを見て思い出したのは、第2回コンベンションでの「バルーンウォール爆発計画」。この時は準備中に半数以上が割れてしまい失敗に終わったが、今回は既に設置完了。その数は7個×21列で147個。これを一気に爆破したら凄いことになりそうだ。席に着く。例によって最前列の席を選んだのだが、近い。余りに風船の壁が近すぎる。1m未満だ。この距離で突然爆破されたら、はっきり言って恐い。隣りの女性も「これ割れたら恐い…」と言っている。撮影しようにもこんな近くてはカメラの視界に入りきらないので、爆破の瞬間だけは一歩下がったところで撮影することにした。
他の装飾も忘れずにチェックする。天井には牛崎さんのクラスて作ったお菓子のオブジェと、家泉あづささんのクラスで作られたと思われるみつばちなどのオブジェや、宮崎さんのクラスて作ったスパークバルーンが吊ってある。テーブルには細貝さんのクラスで作ったセンターピースが配置されており、そして各席にはコンテスト参加作品一覧という小冊子が置かれていた。各部門の作品名と参加チームの名前が書かれている。そうそう、こういうのが欲しかった。
開演は18:00、間もなくだ。
ホールがすっと暗くなる。「夢のような、お菓子の国のおかしなパーティー、始まるよ」。そろそろ来るぞ。もう心臓バクバク。次の瞬間、「バーン」。轟音とともに巨大な風船の壁は瞬時に木っ端微塵に吹き飛び、中から無数の小さな風船が弾け飛んだ。大迫力だ。これまでファイナルパーティーには毎回参加しているが、こんな凄まじい迫力のオープニングは初めてだ。
ステージ背後のお菓子の扉が開き、司会者が登場する。そして早速コンテストファッションショー部門が始まる。制作時間無制限、人数2人まで (モデル含む)、テーマなし、サイズ1800(W)×1800(D)×3000(H)mm、着衣可能で移動できる作品となっている。6組の参加。美しいもの、かっこいいもの、面白いものなど多岐にわたった。
|
|
続いてコンテストツイスターLiveが始まる。条件は制限時間10分、テーマなし、サイズフリー、160Q、260Qなどのマジックバルーンのみで制作となっている。挑戦者は6人。最初は余裕の表情。巧みな手つきで作品が作られてゆく。時間が迫るにつれて焦りが見え始める。さて時間内に無事完成しただろうか。上記2部門は審査員のみの採点だった模様。
コンテストが終わると、エミリーズバルーン深尾マリ子社長の挨拶、講師の紹介が行われた。そしてスポンサー代表・米パイオニアバルーンカンパニー Vice President & Chief Operating Officer・Dan Flynn氏の挨拶が行われ、同氏の「カンパイ!」と丁寧な日本語でのご発声により乾杯となった。
これよりしばらくの間ディナーへと入ってゆく。昨年ノンラウンド部門で優勝し、アメリカツアーを手に入れたBeansBalloon・遠藤陽子さんチームにインタビューが行われていた。バルーンアートの本場アメリカの印象はどうだっただろうか。
さぁ、コンテスト結果の発表だ。
まずヘリウムブーケ部門。優勝はエントリーナンバー21、(有)バルーンブラッサムの佐藤朝美さんの「夢の中はHappy Sweets☆」。
次にバルーンBOX部門。優勝はエントリーナンバー7、BeansBalloonの阿部博美さんの「My Sweets HONEY」。
ここで新人賞の発表が行われた。これは最近3年間でバルーン業界に最も貢献した方を表彰するもので、(株)エムアンドエムイーエフ代表取締役社長の前田真奈美さんが選ばれた。
ブライダル部門。優勝はエントリーナンバー4、BeansBalloonの遠藤陽子さんチームの「marriage is sweet? or bitter?」。同チームはバルーンBOX部門と合わせて2冠だ。
ファッションショー部門の優勝は牧野香里さん・山本香織さんチームの「凛 (RIN)」。武士の鎧をデザインしたもので、先日の「ツイスターズ」の同部門でも武士の鎧が優勝していたのが興味深い。
ツイスターLive部門の優勝は甲斐健寛さんの「コアラ」。作品のみならず制作中のパフォーマンスでも楽しませてくれた。
ノンラウンド・スカラプチャー部門。優勝はTEAM MATSUYA!チームの「ネバーランドへ!!」。太平洋探検を行ったイギリスの大航海者キャプテン・クックをモチーフにしたもので、「Captain Hook」となっていたのが微笑ましい。
そして最高の栄誉であるラージ・スカラプチャー部門。優勝はエントリーナンバー1、(株)FuwaFuwaの野村昌子さんチームによる「くいしん坊のケーキ屋さん」(タイトル写真)。昨年は惜しくも2位だった野村さんチームのV奪回である。狼のケーキ屋さんにヤギが7匹隠れている。「見つけられたかな?」と作品に書かれていたが、皆さんは見つけられましたか?
各部門とも、今年も台湾など近隣諸国からの参加者が多かった。これからも海外勢の活躍が期待できそうだ。ところで台湾といえば、パーティー翌日は大型で強い台風8号が直撃していたようだが、参加者の皆さんは無事帰れただろうか。
再びディナーに入るが、沈黙を破って突然盛り上がる。お待ちかね、JBANファイナルパーティー名物のおかしで賞コスチュームコンテストだ。ルールは簡単。例年通り入口で赤いバルーンをもらった人がノミネートされた人、黄色いバルーンをもらった人は審査員だ。審査員には「ポッキー」が配られる。ノミネートされた人には15秒間アピールしてもらい、審査員の「ポッキー」の振り回し度が最も凄かった人が優勝だ。昨年の優勝者である家泉あづささんに審査員長を勤めてもらう。今回は盛り上がりが凄い。いつもは審査員がなかなか集らずに他の人にも回ってくるのだが、今回はステージ前はたちまち多くの人であふれ返った。「みんな! ポッキー持ってるかー!?」「おーっ!!」ものすごいテンションだ。さぁ、「おかしで賞」は誰の手に!?
そしてテンションが下がらないうちにダンスタイムが始まる。会場全体が闇に包まれる。「はーっはっはっはっ!」悪魔の叫びが。天井に仕込まれたLED入りのレンズボールが上下に動く。この仕掛けは誰も予想していなかっただけに、みんなダンスどころかそちらを凝視してしまう。会場がぱっと明るくなると、天井の風船が一気に爆発。会場の熱気は最高潮に達したかと思ったら、再び真っ暗になり悪魔の雄叫びが。しかし会場の熱気は悪魔など追い払ってしまった。会場に光が戻ると、天井からミラクルウイングが舞う。JBAN 13thオリジナルプリント入りだ。振り向くといつの間にかステージは興奮に包まれていた。
おっと、大玉を手にしたバルーン・シュウさんがステージに乱入。「ツイスターズ」のパフォーマンスコンテストで他の参加者を圧倒した「花火」が炸裂!! 大歓声が上がる。みんなこれをもう一度見たかったんだよ。
今年の盛り上がりは半端ではない。ステージ上は身動きできないほどのぎゅう詰め。みんなお菓子が大好きなんだね。さてディナーの方はどうだったかといえば、今年はお菓子の大攻勢に違いないと思っていたのだが、いつもとほぼ同じ内容のメニューであった。「お菓子の国」なだけに、デザートてんこ盛りなんてのも面白かったかもね。
時刻は21:40、司会者が再び壇上に現れると、残念ながら間もなく終了だ。今回の会場装飾プロデュースは本根一憲さん夫妻。とても可愛くておとぎの国のようなデザインが素晴らしかった。
そして閉会の言葉。「JBAN Convention 2010でまたお会いしたいと思います。本日は最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました!!」 バシューン。テープが飛びキャノン砲が火を噴く。
|
とにかくパーティーの盛り上がりが例年に増して凄かったJBAN Convention 13th。「終わりが良ければ、すべて良し」という言葉があるが、まさにそんな感じの大会であった。さて来年はどんなテーマになるだろうか。毎年素晴らしいイベントを企画・運営してくださるエミリーズバルーンの皆さん、講師の方々、そして夜も寝るのを惜しんで会場装飾に尽くしていただいたボランティアの皆さんに感謝したい。