ツイスターズ2009 in ところざわ
6th Japan Balloon Twisters Convention 2009 in Tokorozawa
09.7.4〜5 埼玉・所沢市 市民文化センターミューズ
主催:ツイスターズ2009実行委員会
※公式サイトは
こちら
6回目を迎えるツイストバルーンの祭典「ツイスターズ」。毎年会場を変えて全国を巡りながら行われるこの大会、今年は埼玉県所沢市での開催となった。所沢といえば、アニメ『となりのトトロ』の舞台として有名になった「狭山丘陵」、「日本の航空発祥の地」、特産物の「狭山茶」、プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の本拠地などで知られている、人口約34万人の県南の主要都市だ。
今回のテーマは「スイーツ」、つまり早い話がお菓子だ。1ヵ月後に行われるもう1つの大きなイベント「JBAN Convention」も、今年のテーマは「お菓子の国」となっており、偶然なのか似たテーマなのが面白い。
このイベントに参加するのは実は初めて。遠方で開催される場合、趣味でやってる身としては時間や旅費がとてもとても……。しかし今回は地元から近い所沢での開催。これは行くしかないと飛び付いたのであった。さてどうなることだろうか。それでは始まり〜
所沢市は私の地元からは20kmくらいの距離があるが、この辺りはサイクリングで何度も訪れるので、まるで庭のような感覚だ。もちろん今回も自転車で行ってしまう。雨がぽつぽつ落ちているが、朝のうちだけとの予報なので、それを信じて午前7時40分に自宅を出発する。
西武線・航空公園駅。86年に開業した比較的新しい駅だ。周囲には市役所、郵便局、警察署、電話局などが集中しており、所沢市の行政の中心地として機能している。その隣には県営所沢航空記念公園 (以下、航空公園) があり、市民の憩いの場となっている。この一帯は戦後長い間アメリカに占領されていた場所であり、今も広大な米軍通信基地が残っている。全国各地に点在する第2次大戦の傷跡の1つだ。さらに元を正せば旧日本軍の基地であり、1911年に開設された日本初の飛行場であった (余談だが日本初の航空機事故も航空公園から1kmほど東へ向かった所沢の牛沼地区で起こっている)。
その航空公園に隣接した所沢市民文化センターMUSE。今回のツイスターズの舞台である。
「庭のような」と書いたが、ここを訪れたのは初めて。こんな立派な施設があったのかと驚く。自転車を所定の場所に置き、会場となるスクエアホールへと向かう。ゆっくり余裕を持たせて寄り道しながら走ったのだが、時刻は9時35分。まだ開場前であった。既に長い列ができている。
会場が開いた。入口には大きなパフェのデコレーションがある。受付で名前と受付番号を言い、エントリーパックをもらう。中身はエントリーパス、コンテスト投票用紙、会場案内などだ。私が申し込んだのは「2日参加券」。セミナーに出られない以外はすべてフリーパスで参加できる。他にもフルコースの1day/2dayパスポートやバルーン体験コースなども用意されている。
10時から開会式が始まる。舞台にはTWISTERS 2009の大きなパネル状のオブジェがある。司会を勤める地元の風船集団「BT-FLY」(バタフライと読む) の団長tomoさんと、関西風船集団カトルのメンバー・風船師ヨッシーさんが登場すると、どっと歓声が上がる。始まりからみんな異常にテンションが高い。このホールは意外と狭い空間であり密集度も高いため余計にそう感じるのかも知れない。
挨拶に続き、メインコンテストであるツイスターズコンテスト参加者への激励を行う。メインコンテストは制作者1名、制作時間5時間、サイズ800(W)×800(H)×800(D)mm、テーマ「スイーツ」となっている。出場者の皆さんを「スリー・ツー・ワン・スタート!!」と参加者全員で大きな掛け声で送り出す。健闘を期待します。
開会式の目玉として企画されているのがJULEPSミニライブ。JULEPSとは地元所沢出身のボーカルグループで、男性3人、女性ピアニスト1人で構成される (詳しくは公式サイト http://www.juleps.jp/ を参照)。既に全国区で活躍されてるそうだが、実は私はJULEPSの名前すら知らなかったりする (冷や汗)。さらにJULEPSのワンワン講座という、JULEPSのメンバーがツイストバルーンの基本である「犬」の作り方を教えてくれるというファン向けクラスもある。会場にはJULEPS目当てという人もかなり多かった。「JULEPSパック」という料金コースも用意されていたくらいだ。
開会式を終え、参加者は各クラスへと散ってゆく。どのクラスにも受講しない私は (どれもレベル高そうだし、ツイストバルーン大の苦手な私にはちょっと…… (冷や汗))、常設のJAMルームへ行ってみることにする。JAMルームは、参加者誰でも自由に使える場で、各種ツイストバルーンがずらりと並べられている。参加者以外も体験コース500円で参加可能となっている。土日の開催とあって親子連れも多い。また、ミニ講座と称してプロツイスターによるツイストバルーン教室も随時開催されている。注目度は低かったけど面白かったのが「ワンワンタイム」。1匹の「犬」を何秒で作れるかというもの。ホワイトボードに記録が載っている。素人にはちょっと信じられないタイムがいくつも並んでいる。この楽しいJAMルームだが、会場はメイン会場から少し離れた管理棟5Fにあり、狭い通路を抜けてエレベーターに乗ってと、ツイストバルーンを全く知らない人にも体験してもらうにはちょっと場所が悪いかなと思った。目立つ場所で行うことができれば、もっと多くの人々にツイストバルーンの素晴らしい世界をアピールできたに違いない。例えば中庭に大きくブースを設けて野外で行うとか (恐らく会場側の許可が得られないだろうけど……)。
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メイン会場に戻ってみる。「JULEPSのワンワン講座」が行われている。少し見学させていただいた。みんなでワイワイと楽しそうな雰囲気で、こんなセミナーもいいね。
さて昼食の時間だ。困ったことに会場付近には飲食店がほとんどない。敷地内にファミレスが1軒あるだけで、あとは周囲には公園と学校と通信基地しかない。そんなこともあろうかと、主催者側で弁当オプションが用意されていた。私はと言うと隣の航空公園で青空昼食。ホームレスみたいでかっこ悪いと思うかも知れないが、サイクリング派にとっては当たり前のこと。気にしない気にしない。
午後からはメイン会場でパフォーマンスショーだ。素晴らしい演技と笑いで会場は再び熱気に包まれた。さらに15時30分からはツイスターズコンテストの展示が始まった。参加者は11名。テーマがスイーツなだけに可愛い系の作品が多く、子供たちは大はしゃぎしている。投票は受付でもらった用紙を使う。気に入った作品を選んで備え付けの投票箱に投票する。JBAN Conventionと同じだね。
17時からはメイン会場でパーティーだ。立食形式の簡単なもので、歓迎会のような感じだ。用意されたメニューはビール、ソフトドリンク、つまみ類、おにぎりに加え、「スイーツ」なだけにケーキやドーナツも並んだ。しかも、そのケーキ類が真っ先に売り切れた。皆さん、さすが…… (凄)
舞台では「ツイスターズ放送局」というミニ企画が行われている。前もって公式サイトで募集していたもので、「風船川柳」「こんなコンテストやってほしい」「こんな道具がほしい」などなど。さらにミニコンテストも行われた。中身が見えない封筒に各種風船が入っており、それで何か作品を作ってもらおうというもの。自由参加、制作時間10分。拍手の大きかった作品が優勝。参加者に封筒を選んでもらう。おっと、封筒にドクロのマークが。しまった、大外れを引いてしまいました。中身は…… (恐っ)。さぁスタート。BGMに運動会で使われる曲が流れており緊張感を高める。さて優勝は誰の手に?
18時30分からは向かいの小ホールでパフォーマンスコンテストが始まる。参加者は徐々に会場へと移動する。この部門は舞台上でバルーンパフォーマンスを繰り広げてもらおうというもの。メンバー3人まで、制限時間5分、テーマなし、準備時間無制限、使用する風船も制限なしとなっている。演技中に反則行為があった場合、特別審査員からレッドカードが上がる。3枚上がると失格。12組の参加。このコンテストは所沢市民を特別招待とのことで、ホールは満員御礼になった。
演技が始まる。笑い、驚き、感動。地味なものから派手なものまで何でもありで迫ってくるパフォーマンスは見る者を心を捉える。これは見なければ絶対損だったに違いない。撮影禁止なのが残念。心に焼き付けてくれということなんだろうね。
全員の演技が終わったところで、投票が行われる。投票は入口でもらったコインをエントリーナンバーが書かれたバケツに入れることで行われる。結果が出るまでの間、講師のハッピーゴリラさんによるショーが行われた。
そして結果発表。この部門のみはファイナルパーティーを待たずにその場で発表される。優勝したのはエントリーナンバー5のバルーン・シュウさん。ものすごく大掛かりな仕込みで登場し、一体何を始めるのかと思ったが、実はこれは花火の仕掛けだったのだ。「パーン」という音とともに仕掛けられた風船が弾けて飛ぶ。観客も「え、まさか!?」「すごーい!」と驚きを隠せず騒然となった。他を寄せ付けずに圧勝だったそうだ。この演技はオラクルバルーンさんのアイディアであり、聞いたところによると仕込みに12時間も掛かったらしい。わずかな時間にすべてを賭ける、まさに花火そのものだと思う。そして選曲も素晴らしかった。印象に残るメロディと、ちょっぴり切ない歌詞と、シュウさんの演技が絶妙にマッチして、青春時代を思い出してしまったのか、ポロリと涙をこぼしてしまった。後でシュウさんに聞いてみた。Whiteberryの「夏祭り」という曲であった。
4日はこれでおしまい。帰路に着く。向かい風だが、素晴らしいものを見た後は気分もすっかり良くなって走りも軽やかだ。遠くから花火の音が聞こえてくる。約8km離れた米空軍横田基地でのアメリカ独立記念日祭の花火の音だ。今の「花火」の演技と頭の中でイメージが重なった。
今年ももうすぐ梅雨が明けて暑い夏が来るね。
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この日は都合により午後からの参加。昨日は自転車で来たが、雷雨の予報が出ていたため今日は電車で。
午前中はツイスト3 on 3コンテストの制作が行われた。3 on 3とは「3人・3時間」という意味。言わば団体戦だ。土台+ポールをベースに、1000mmφ×高さ無制限のオブジェを作成する。テーマは設けられていない。使用する風船も特に制限はなく、JBAN Conventionでいうスモールスカラプチャー部門に近い。4チームの参加。この作品も家族連れに大好評だった。特にストロベリーパフェという作品は「おいしそうだね」とか「食べたいね」という人がとても多かった。
管理棟5FのJAMルームを訪れてみた。日曜日ということもあってとても賑やかだ。プロの方の中にも、セミナーは受けずにJAMルームで初心者への指導、という人も多かったそうだ。
午後にはコンテストコスチューム部門の展示が行われた。制作1名 (別途モデル起用可)、テーマなし、制作場所・時間は無制限。15時30分からメイン会場でファッションショー形式で発表を行う。アピールタイムは30秒。採点は特別審査員のみ。13組の参加。美しい作品から面白おかしい作品まで多岐に渡った。
締めくくりはファイナルパーティー。パフォーマンスコンテストの行われた小ホールでの開催。このホールは飲食は一切不可なので、パーティーというよりテレビの公開録画のような雰囲気だ。会場は17時30分きっちりにならないと開かないため、しばらく表で待つ。振り向けばいつの間にか長い列に。やっと開場した。
受付でコインと「キセキ」という詩の書かれた紙切れを渡される。コインはもちろん最後のコンテスト「ツイスト15」の投票用だが、「キセキ」って何だろう……。みんな席の確保に走る。自由席なのだ。舞台にはコンテスト「ツイスト15」のテーブルが並んでいる。しまった、最前部だと後ろまで見渡せない。ということで前から4〜5列目辺りに人気が集中した。
開演と同時にツイスト15部門が始まった。制作時間15分、テーマ「スイーツ」、挑戦者は8名。凄い手付きの人、余裕の表情を見せる人、様々だ。5分経過……10分経過……段々と表情に焦りが見え始める。残り1分……30秒……客席から頑張れコールが起こる。残り10秒……終了。全員大きな失敗は起こさずに作品が完成したようだ。採点はパフォーマンスコンテストと同じく、エントリーナンバーの書かれたバケツにコインを投入することで行われる。
次いでtomoさん、ヨッシーさんによる「ひげダンス」が始まった。ひげダンスといえば、かつての人気番組「8時だよ! 全員集合」で大ヒットしたパフォーマンス。流行ったのは80年代初頭だったから、もう25年以上も前のことだ。だが当時のことを覚えている人も多く、観客みんなノリノリだ。最高のものは時を超えると良く言われるが、これもその典型の1つだろう。
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いよいよコンテストの結果発表だ。まずはワンワンタイム部門。これはJAMルームの一角で行われていたもので正式なコンテストではないが、犬1匹完成させるのに最高8秒台や9秒台という驚異的な数値が出ており、みんな驚くばかり。
その他の部門はすべて1〜3位まで選出される。まずパフォーマンス部門。昨日既に発表・表彰式も行ったが、見れなかった人のためにもう一度行う。欲を言えば優勝作品の「花火」をここでもう一度見てみたかったけど、昨日の様子をビデオで上映するとかの工夫があれば良かったなぁ。
次は3 on 3部門。優勝はカオリンさんチームの「空対海」という作品。空を飛ぶドラゴンと海から飛び出したドラゴンが戦っている様子を描いたオブジェだ。この部門は4組の参加なので、入賞できないのは1組だけ。取り残された作品がちょっと可愛そうだ。
次いでコスチューム部門。審査員のみの採点だが、皆さん判定に非常に苦労したそうで、同率3位が発生した。優勝したのはBIG-5さんの鎧をまとった武士。
ツイスト15部門。15分の成果と限界の双方を示すこの部門は接戦だったようだ。優勝はおちゃっぴぃほりこしさんの「おちゃっプリン」。
最後にメイン部門であるツイスターズ部門が発表された。優勝を果たしたのはBIG-5さん。2冠である。作品名は「クマシェフのクマケーキ」だ。1位、2位は自分の予想通りであった。
もう1つ、ディレクター賞なる特別の賞も設けられている。これはツイスターズに参加したすべての人、作品の中から、今大会のディレクターであるtomo氏の判断で与えられるもの。3 on 3部門で唯一入賞できなかった「ストロベリーパフェ」を作成したチームが選ばれた。展示場でしばらく見ていたところ、一般来場者にはこの作品が最も注目されていたように思う。この作品、何と小学生の女の子3人組の作品だったのだ。あっと驚く参加者たち。彼女たちのこれからの活躍が楽しみだ。ちなみに副賞は風船つかみ取りであった。
表彰式が終わり、次期開催地の発表が行われた。来年はN.Y.とのこと。つまりニューヨーク? いや「野毛・横浜」という意味だそうで。野毛地区というのは横浜の玄関・桜木町駅から見て、みなとみらいの反対側に位置する小高い丘のある辺りだ。
※公式サイトはこちら
すべてが終了し、フィナーレを迎える。受付でもらった「キセキ」という曲を全員で歌う。隠し玉の巨大風船がボンッと盛大に割られ、会場のテンションは頂点に達する。最後に参加者全員の記念撮影を行った。メイン会場に飾ってあった「TWISTERS 2009」のロゴを掲げて、各自ポーズを決めてパチャリ。
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初めての参加だったが、とても楽しかった2日間。想像を超える凄い内容にただ感動するばかりだった。素晴らしいイベントを企画・開催していただいたツイスターズ2009実行委員会の皆さんに感謝したい。